飼い主の死後、行き場を失った犬 ぬいぐるみを咥えて雨の中をさまよう(米)

4月30日、雨の中をぬいぐるみとともに悲しそうに歩く、1頭のジャーマン・シェパードの写真がFacebookに投稿され、大きな話題を呼んだ。この写真を目にした複数の動物保護団体が協力してこの犬を保護することになり、5月2日午前10時半から捜索を開始したが、なかなか犬の姿を見つけることができなかった。

近所の人に聞き込みを行うと、この犬はメスであるものの、男性名である“ニコラス(Nicholas)”と呼ばれていることが分かった。数か月前に飼い主が亡くなってしまい、近所の人にエサをもらいながら路上生活を続けているという。時間は掛かったもののようやく翌日に迷子ペットの里親探しを行う団体「South Lyon Murphy Lost Animal Recovery」がニコラスを見つけ、保護することができた。

ニコラスは名前を改め、女性名である“ニッキー(Nikki)”と名付けられると、その日の夜に別の動物保護団体「Almost Home Animal Rescue」に引き渡された。それから動物病院へ運ばれて獣医の診察を受けると、避妊手術を受けておらず、長い間獣医の診察を受けていなかった様子で、両耳に感染症、犬糸状虫という寄生虫の感染(フィラリア症)、さらに肝臓にも問題があることが確認された。

長い路上生活のため体が汚れ切っていたニッキーのため、地元のトリミングサロン「Sugar Mutts Grooming」のオーナーであるクリスティーナ・トンプソンさん(Kristina Thompson)が、ニッキーのトリミングを申し出てくれた。「以前にも『South Lyon Murphy Lost Animal Recovery』が保護した、犬の“マーフィー(Murphy)”をトリミングしたことがありました。ニッキーがぬいぐるみを咥えて歩く写真を見て心を痛めていたので、何かお手伝いができたらいいなと思っていたのです」と、クリスティーナさんはコメントしている。

現在ニッキーは、約4週間かかる寄生虫感染の投薬治療を受けている最中だ。この期間はボランティアの家で保護されており、今後は新しい家族を見つけるための里親探しを行う予定だ。

ニッキーのストーリーが各メディアによりシェアされると、「ぬいぐるみだけ持って歩いていたなんて、寂しかっただろうに」「保護してもらえて本当によかったね」「ニッキーが雨の中を歩く写真を見て、本当に胸が苦しかったよ」「悲しいストーリーだったけど、ハッピーエンドになりそうだね」など多数のコメントが寄せられている。

なお、過去にもぬいぐるみで寂しさを埋める犬が話題を呼んでおり、大好きな親友犬を失ったチワワが、親友犬ソックリのぬいぐるみに寄り添い心を癒す動画に注目が集まっていた。

画像は『USA TODAY 2023年5月17日付「This dog wandered the streets of Detroit after her owner died. She now has a foster home.」(South Lyon Murphy Lost Animal Recovery)(Michael Johnson/M Johnson Media)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 iruy)

2023/5/30 16:15

この記事のみんなのコメント

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  • グレイス

    5/31 11:10

    なんで警察や市役所に? 保護を期待してのSNS発信でしょう。直接、保護団体に連絡するのが望ましいけど、結果的に動いてくれる団体があったから良かったんじゃないの? まあ警察や市役所に保護団体の情報を求めてもイイとは思うけど。

  • あきひろ

    5/31 1:43

    野犬を見かけたらSNSではなく警察や市役所などに連絡をしましょう。

  • 自分も犬が好きですが歳なので泣く泣く飼わなくしてます。年寄の犬飼うのは賛成できませんね。飼い主がいないワンちゃんは可哀想ですからね。

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