悪質ホストを一掃「色恋営業」厳罰化で気になるクラブ嬢への影響

 これまでもたびたび改正されてきた風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)だが、警察庁は新たな改正案を国会提出する方針だ。目玉となるのは、ホストクラブなどで行われてきた「色恋営業」の違法化だ。

「色恋営業とは恋愛感情につけ込んで高額な飲食をさせる営業手法。『トップになれないともう会えない』などと迫り、ツケで高額な注文をさせ、一晩で数百万円も使わせることも。売掛金がたまると一転、取り立てを迫られるという被害が相次いでいます」(全国紙記者)

 悪質なケースになると、支払い能力があるとは思えない10代の若い女性に「ツケでいいから」と大金を使わせ、返済のために体を売ることを強要。警視庁によると、24年1~11月に新宿区の大久保公園周辺で売春防止法違反(客待ち)容疑により逮捕された女性は88人。前年同時期の135人よりは少ないが、彼女たちの3割はホストクラブで遊ぶ金を稼ぐため、または売掛金の返済が目的だったという。

「こうした路上での立ちんぼ行為だけではなく、ホストの紹介で性サービス店で働かせるケースもあり、この場合、ホストにはサービス店から紹介料が入り、女性は収入のほとんどを返済や次の飲食代金としてむしり取られます」(同)

 ホストは女性客に対してマニュアルに沿って巧妙に恋愛感情を匂わせるため、気づいた時には手遅れとなっている場合がほとんどだという。警察庁は「卑劣なビジネスモデルを解体する」と意気込み、次の通常国会に提出する構えだ。

「色恋営業はホストクラブに限った話ではありません。女性が男性客を接客する店でも、クラブ嬢の思わせぶりな言葉に男性客がのめり込み、高額なボトルを何本も注文してあれよあれよという間に莫大な金額になることが少なくない。この改正案は可決される可能性が高いため、施行されれば女性が接客する店が引っかかるケースも出てくるかもしれません」(同)

 夜の店ではこれまでも、男と女が駆け引きを楽しんできた。色恋営業はどこまでがOKで何をすればアウトなのか、法案の文言が注目されるところだ。

2025/1/1 18:00

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