新幹線の帰省ラッシュは“地獄”。泣き出す子供、指定席なのに「譲っていただけませんか?」に困惑

 年末年始の連休中はどこも混み合う。高速道路は渋滞し、新幹線のチケット予約は少しでも出遅れると指定席がとれず、数時間立って移動するハメになることも……。

 今回はきちんと指定席を取ったにもかかわらず、新幹線の車内でとんでもない目にあってしまった人たちに話を聞いた。

◆混雑する新幹線の車内で…

 実家に帰省中に「ちょっとびっくりしちゃったことがあって」と話してくれたのは倉田裕香さん(39歳・仮名)。

「旦那と息子は男だけで旅行に行き、今年の正月は私ひとりで実家に帰省することになったのです。 新幹線は指定席を買っておかないと座れないので、当たり前に買っておきました。ビールと豪華な駅弁を用意して、『さぁ飲むぞ!』とウキウキしていました」

 まわりには、指定席が取れずに立っている人がチラホラ。その中で、まだ小学生にもならない男の子が「座りたいぃぃ!」と号泣したようだ。

「小さい子だから座りたいよね、可哀想に……とは思いましたが、『なんで親は先に指定席を買わなかったんだろう』って不思議でした。ぎりぎりに決まったとか、事情があるのかもしれませんが。結構なボリュームで泣き続けていました」

◆まさかの「席を譲っていただけませんか?」

 親がなだめてはいるものの、一向に収まる気配はない。倉田さんは気の毒に思いつつもビールを口にもっていった。すると母親がいきなり話しかけてきたのだ。

「びっくりしました。『すみません、すごくこの子が泣いているんで……席を譲っていただけませんか?』って。え、私が? って。

 だって、山手線とかの普通の優先席ならまだしも、ここは新幹線の有料の指定席ですよ? 確かに可哀想だけど、譲らなきゃいけない理由はないじゃないですか」

 倉田さんが困惑していると、母親は「たぶん着くまで泣いてしまうので……お願いします!」と頭を下げてきたのだ。

「今からビールと駅弁食べて、ひと眠りしようと思っていたのに、どうしよう。本当に困ってしまって黙っていたら、横のおじさんが助けてくれたんです。

『お母さん、それはおかしいでしょう?』って。おじさんは『デッキであやすとか、お菓子を食べさせるとか、そうするしかないじゃない。この人(倉田さん)は先に指定席を取っている、子どもが泣いているからって関係ないでしょう』と」

 すると、その母親は顔を真っ赤にして、子どもを連れて逃げるようにデッキに向かって行ったそうだ。

「私も子どもがいるので気持ちがわからないわけではないけど、譲りたくはなかったのでハッキリ言ってくれたおじさんに感謝です」

◆急におばあちゃんが泣き出して…

 小宮山美乃さん(34歳・仮名)も、子連れの帰省で思わぬハプニングに見舞われた一人だ。

「私は主人が年末ギリギリまで仕事だったんで、ワンオペで子ども3人を連れて新幹線で帰省しました。

 窓際の席には小学生の2人を座らせ、通路側の席に3歳の娘を抱っこして座っていました。小学生2人は持参したiPadに夢中で、娘も寝てくれてほっと一息ついていたところでした」

 通路を挟んで隣の席のお婆さんが「かわいいね」と声をかけてきたという。

「子どもに話しかけてくれるおばあちゃんって多いじゃないですか。それで『手がかかって大変ですよ』と答えたら、いきなりおばあちゃんが泣き出したんです。

 なんでも、おばあちゃんの息子夫婦に子どもができず、不妊治療をしていたけど、結局うまくいかなかったみたいで。 『孫の顔が見たい』と言いすぎて、お嫁さんに嫌われてしまったと。

 おばあちゃんはおばあちゃんで、ご近所の友達から『孫はかわいいよ』と毎日言われてツラかったそうで」

 約1時間にわたって「うちには1人もできなかったけど、3人もいいわね」と泣きながら話し続けたようだ。

◆実家に到着する前にHPゼロに

「初対面で話すには少しヘビーすぎましたが、私も姑に『また男の子?』『女の子が欲しい』としつこく言われていて、すごく嫌だった経験があったので、内容は違えど、孫に関する催促はだめだよねぇと思いました。ただ、もう何年も息子にも会えていないようで、そこは気の毒でしたね」

 結局、話を中断できず、目的地まで話を聞き続けた小宮山さん。新幹線を降りたときは「どっと疲れが出た」と苦笑い。

「こんなことは滅多にないけど、やっぱり子連れには車移動がいいですね。実家に着く前にHPがゼロになりました」

<取材・文/吉沢さりぃ>

―[年末年始の憂鬱]―

【吉沢さりぃ】

ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720

2024/12/28 8:53

この記事のみんなのコメント

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  • ここに出てる子連れの女。この女、よくもまぁ座席を譲ってくれだと?それにそのための言い種も、「すごくこの子泣いてるんで」とか「たぶん着くまで泣いてしまうので」とか。それお前の落ち度やし、お前の事情なだけやん。お前が連れてるクソガキ、お前がなだめるなり、お前がきちんと始末せんかえ!人様が金払って座ってる指定席を譲ってくれって、あまりにも図々しい過ぎるやろ!ていうか、この話、ホンマかぁ?そんな奴居るかぁ

  • 私は、小さい頃から『山手線は座れないからね』 と言われ続け、在来線の特急も、デッキに小さく新聞紙引いて親のバック置いてそこに座る。 東北方面だったので新幹線もまだ通っていないときでもあったので。 座れないからと、ギャンスカビースカ騒いたことはないな。 譲ってください。も無かったし。 キチンと親がしっかりしていて、躾がなってればこの餓鬼みたいに騒いだりはしないかと。 しかも指定席で。クソすぎる

  • あきひろ

    12/29 10:50

    こういう人ってマジで居るんですね。今までも子どもを言い訳に我儘言ってきたんでしょうね。日本の民度もここまで落ちていたのだな。

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