『出汁』のことなんと呼ぶ? 関東では「つゆ」 関西では…?
関東と関西では、出汁の見た目と味、呼び名が違うのをご存じですか。
具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。本記事では、地域によって異なる出汁の違いについて詳しく解説します。
関東と関西の出汁の違い
※写真はイメージ
カツオ節と出汁の専門店、株式会社にんべんの公式サイトでは、関東と関西の出汁の呼び名について次のように解説しています。
関東ではだし汁を「つゆ」、「おつゆ」と呼ぶことがあります。一方で関西では「だし」、もしくは「おだし」と呼びます。これは、方言や名称の違いだけでなく、意味しているニュアンスにも異なります。
株式会社にんべん ーより引用
地域によって違う出汁の特徴について、深掘りしていきましょう。
・関東の出汁
関東では『おつゆ』と呼ばれ、味も色も濃いのが特徴です。
カツオ節の華やかな香りが漂い、魚に合わせて醤油も濃いタイプが使われています。風味の強いもの同士を組み合わせることで、濃厚なうまみと香りが引き立ち、濃い味付けに仕上げてくれるでしょう。
・関西の出汁
関西では『お出汁』と呼ばれ、関東の出汁と違って、味も色も薄いのが特徴です。素材の風味を活かす下地として使われています。
関西の出汁は主に昆布を使用し、煮干しやカツオなどを組み合わせて作られたもの。出汁の味わいを大切にしつつ素材本来の味を堪能できるように、醤油は薄口で風味付け程度に加えられています。
地域で違いが生まれた理由
出汁文化が発展し、人々の生活にも根付くようになったのは江戸時代頃。関東と関西で出汁の違いが生まれたのは、江戸時代の運搬事情が関係しているといわれています。
当時は現代のような流通ルートがなく、京の都から江戸までの約50㎞を2週間かけて歩いて移動していました。当時の運搬技術では太平洋ルートで昆布を運ぶのが難しく、関東では入手困難の食材だったようです。
そのため、関東では昆布を使った出汁は根付かず、昆布の代わりに地元の魚を使って出汁が作られるようになりました。
関東の魚は薄味のものが多いためしっかりと味付けする必要があり、濃い味の『おつゆ』が使われていたようです。
一方、関西では昆布が入手しやすく味の強い魚も多く獲られたため、素材の味を活かした調理法や味付けが広がったといわれています。
本記事では、関東の出汁と関西の出汁の違いを解説しました。
色や味の濃さに違いがあることは知っていても、ルーツや使われている材料の違いを知らなかった人は多いのではないでしょうか。どちらの出汁も歴史が深く関係しています。地元の料理を味わう機会がありましたら、ぜひ出汁の違いにも注目してみてください。
[文・構成/grape編集部]
出典 株式会社にんべん
いち(
12/20 0:15
だしは魚やら昆布らからとったそのままのもの、おつゆはそれに味付けしたものちゃうんか?