「1円を貸してくれ! 俺とお前の仲じゃないか」迷惑客が暴走 撃退した女性店員
理不尽な要求をしてくるクレーマーには、毅然と対応するのが良さそうだ。愛知県の30代女性は以前、ドラックストアで正社員として働いていた。そこでクレーマーを撃退した体験を振り返った。
以前からよく来店していた高齢の男性客がいた。
「普段から人の話を聞かず、飴や小分け包装された米菓などを、こちらが断っても無理やり店においていくような人で、買い物もせずに従業員に話しかけてはつきまとい、1時間以上もそうやって店内をうろついているので、嫌がられてもいました」
たまにポテトチップスなどの比較的安価なお菓子を数点買うこともあったというが、店員と会話する目的で通っていたようだ。寂しい人なのだろう。この高齢男性が、暴走する事件が起きた。(文:天音琴葉)
1円キャンペーンで機種変更したいが、財布を持っていなかった!?
そのドラッグストアはスーパー内に併設されていた。ある日、スーパーで「1円で機種変更ができる」という携帯会社のイベントが行われ、件の男性客もやってきた。
男性客もそのイベントを利用して機種変更をしようとしたが、なぜか財布を持ってきていなかった。当然、機種変更はできない。すると男性客はドラッグストアにやってきて、女性たち店員に「1円を貸してくれ!」と言い放ったのだった。
「スーパー側と携帯会社のイベントですので、当たり前の話ですがドラッグストア側の私達には全く関係のないイベントです。(中略)もちろん、そのようなことは出来ません、とお断りしました」
ところが困ったことに、男性客は引かなかった。
「男性は『たったの1円だ、俺とお前の仲じゃないか』などと言って食い下がり、それでも断る私達に、怒鳴り散らし始めました」
「お前は駄目な店員だ」暴言に「金銭のやりとりは一切できません!」
自分の要望が通らず、クレーマー化した男性客を見て、店員たちは衝撃を受けただろう。女性は、休みだった店長に連絡をとり、「金銭の貸し借りなどは絶対できない」という確認を取った。その上でもう一度断ると、男性客は「ケチだ、そんなことでは客商売として失格だ。店員としてお前は駄目だ」などと叫びだしたのだった。
すると流石にイラッとした女性は、こう切り返した。
「男性の言葉を遮るように大きな声で『何度もお伝えしてますが! 金銭のやりとりは一切! 一切! できません! 本社に連絡してもらってもかまいません! お買い上げと返品以外は受付いたしません!!』と叫び返してしまいました。こちらも笑顔を消して叫び返したためか、男性はやや怯んだあと、私への文句を呟きながら立ち去りました」
女性に撃退されたクレーマーは、携帯会社のスタッフにも怒鳴っていたが、財布を取りに帰ったのか、機種変更できたようだ。驚くことに、この騒動のあとも店にやってきたそう。
「後日恥ずかしげもなく来店された時には、以前と変わらない態度で、こちらに怒鳴ったこともなかったかのような態度で買い物されていましたが、私のことが苦手になったらしく、私が店内にいるとそそくさと視界からいなくなるようになりました」
なお、このクレーマーについて、女性は「地元の人なので名前も存じ上げており明るい方ではあるのですが……」とも述べている。店員は意外と客の素性を知っているものだ。
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