急性心筋梗塞から「奇跡の復活」を遂げた人が「やっていた」意外なこととは? 境目の数字は「4719」
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これまで1日の目安歩数は「1万歩」と言われてきました。「今日は6000歩しか歩けなかった……」と運動不足を反省したこともあるのでは? しかし近年の研究で、急性心筋梗塞後に腎機能低下した人のリハビリについては、この「1万歩」の常識は不要らしいということがわかってきました。
※本稿は『腎機能 自力で強まる体操と食事』(徳間書店)の一部を抜粋・再編集したものです。
1日4000歩以上、歩けば歩くほど腎機能が改善した研究データ
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急性心筋梗塞を経験した患者さんに運動をしてもらった、私たちの臨床研究のデータをご紹介しましょう。
ご協力いただいたのは、73名の男女(男性67名、女性6名、平均年齢約65歳)。この人たちの退院後の1日の歩数を中央値の4719歩で分けて、退院後、「よく運動したグループ」(4719歩以上)と、「あまり運動しなかったグループ」(4719歩未満)に分けて、6ヵ月間にわたって腎機能の変化を追跡しました。
急性心筋梗塞を発症すると、その後、腎機能が低下することがわかっています。研究の結果から、心筋梗塞の人たちが退院して自宅に戻り、あまり歩かずにいると、腎機能が低下することがはっきりしました。一方、よく運動したグループは、腎機能が有意に改善、もしくは腎機能が低下せずに保たれていたのです。個人差はあるものの全体で検討すると、腎機能は約4000歩以上から改善し、その歩数が増えれば増えるほど、腎機能もよくなっていました。
これまでも、腎臓病の患者さんのリハビリに、1日1万歩を目安としたウォーキングがよいと考えられてきました。ところが、この2年間の追跡研究からすると、1日1万歩も無理して歩く必要はなく、少なくとも4000歩以上歩けば歩くほど、腎機能がアップすることがわかったのです。今まで考えられていた目安よりも、半分以下の歩数で腎機能が改善するのです。この歩数ならば、「私も始めてみよう!」という動機づけになりませんか。
腎臓リハビリ・ウォーキングは週3でもOK。”持続可能”なペースでコツコツと!
大事なのは、継続することです。休日だけ、長時間の運動を行うのはあまり効果的ではありません。週に3〜5回の頻度で行うことが勧められます。週に5回行える場合には、週3回のときよりも1日の運動時間は短くてかまいません。運動時間は、通常、週単位の総計で考え、それを一つの目安と考えます。例えば、1日50分×週3回なら、週で総計150分。これが、1日30分×週5回、総計150分と同じと考えます。
ただ、これまで運動習慣のなかった人は、いきなり30分も歩けないかもしれません。
そんな場合には、1日の運動を小分けにして考えましょう。1日に5〜10分程度のウォーキングを何回か行い、例えば総計が20〜60分になればいいとします。
慢性腎臓病の場合には、あくまでもご自身の体に負担とならないことに重きを置いて運動を始めてください。運動を始める際には、主治医に相談したうえで、適切な運動量を前もって決めておくと、より安全に行うことができます。
ウォーキングでは、「歩く速さ」も重要です。隣の人と会話もできないような速さで歩くのは勧められません。体に負荷がかかり過ぎていることになり、健康的ではない歩き方です。
その一方、ゆっくり過ぎてもいけません。息が少しだけ弾む程度で、軽く汗ばむくらいで歩きましょう(心拍数が安静時より20〜30回増加するのが目安)。
「大股歩き」が腎臓リハビリ・ウォーキングのポイント
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歩き方で、以下のように押さえておきたいポイントがいくつかあります。
【腎臓リハビリ・ウォーキングのやり方】
① 大股で速足で歩く
② 背筋を伸ばし、肩の力を抜く
③ ひじを曲げて腕を大きく振る
④ あごを引いて視線は遠くに
例えば、「ねこ背になっている」「歩幅が狭い」「下を向いている」「腕の振りが小さい」といった歩き方はよくありません。理想の歩き方は、これらの例とは逆なのです。背筋を伸ばし、腕をよく振って、視線は遠くに置きながら、大股で速足で歩く。
このなかで特に大事なのは、大股で歩くことです。
大きく歩幅を取って足を踏み出せば、自然に背筋が伸び、視線は遠くに、腕も次第に振れるようになってきます。ねこ背になるようなことはありません。
大股で歩こうと意識し、それを実践していけば、悪い姿勢が自然に修正されてくるでしょう。
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『腎機能 自力で強まる体操と食事』上月正博・著 1,760円(税込)/徳間書店 ( https://www.amazon.co.jp/dp/4198658889 )
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>>>”たんぱく質を制限しすぎ”は、腎臓ケアに逆効果! むしろ「きちんと食べたほうがいい」新常識とは?( https://otonasalone.jp/458341/ )※12/15公開予定