【提言】人口減少社会における地域レジリエンスのあり方
株式会社三菱総合研究所
能登半島地震を起点に考えるこれからの地域政策
株式会社三菱総合研究所(代表取締役社長:籔田健二、以下 MRI)は、今後の日本での少子高齢化を見据え、人口減少社会において地域が災害からの回復力(レジリエンス)を保つための方策を提言します。
1. 背景
2024年1月1日に起きた能登半島地震は、少子高齢化が進む地域における「災害からの回復力」(=レジリエンス)の大切さを浮き彫りにしました。被害の大きかった輪島市、珠洲市の65歳以上人口比率は49%ですが、2050年には全国の市区町村の3分の1がこの値を超えることが見込まれます。また9月に震災の傷も癒えない被災地を襲った豪雨による複合災害は、地震や大雨、土砂崩れといった災害種ごとの対策にとどまらない、より包括的・俯瞰(ふかん)的な「強靱(きょうじん)な地域づくり」の必要性をわれわれに突き付けています。すなわち、能登半島地震で起きていることは、人口減少に加え、南海トラフ巨大地震、首都直下地震、気候変動による大規模な風水害などの多様な災害リスクに直面している他の地域でも同様に起こりうると考えられます。地震や水害が相次いで発生している今、社会全体でこれらの問題を考えることが重要です。
2. 概要
本提言では上記の問題意識に基づき、能登半島地震が示した課題と、地域政策のこれまでを振り返り、問題の成り立ちを整理・分析しました。その結果を受け、本レポートでは地域が今後もレジリエンスを保っていくための方策を提言しています。主たるメッセージは以下の3点です。
- 能登半島地震は、人口減少が急速に進む地域社会のあり方を日本全体で考え直すターニングポイントとなる
- これまでの地域政策・施策はマクロな視点では理にかなっているが、地域視点での効果発現に時間を有するため、見直しが必要
- 人口減少下における「地域レジリエンス」実装に向けては、(1)地域の未来の直視、(2)未来共創のためのEBPM(Evidence Based Policy Making; 根拠に基づいた政策設計)、(3)ラストワンマイルをつなぐ民間・デジタル・制度の総動員がカギになる
詳細はレポート本体をご参照ください。
3. 今後の予定
災害の激甚化が懸念される昨今、防災・レジリエンスの重要性は今後ますます高まります。MRIでは政策提言からコンサルティング、ソリューション提供などを通して、都市・地域・企業の持続的な発展に寄与する活動をこれからも続けます。
レポート全文
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