アヌンナキは人類に文明を授けた“古代宇宙飛行士”なのか
人類に文明を授けた“古代宇宙飛行士”とは古代シュメールを統治したアヌンナキなのか――。紀元前2000年以上前に編纂された「シュメール王リスト」によれば、アヌンナキは8代で24万年にもわたってメソポタミア南部全域を統治していたという。
■アヌンナキは“古代宇宙飛行士”だった?
「シュメール王リスト」の冒頭は「王権が(初めて)天から降ってきた」ときに始まり、イシン第1王朝の王、シン・マギルの治世(紀元前1827-1817年)にまで及んでいる。このリストは、さまざまな統治期間が非常に長いことが特徴で、たとえば(ノアの)洪水前の最初の8人の王には24万年が割り当てられ、洪水後の最初の2つの王朝には2万5000年以上が割り当てられている。
アヌンナキという用語は、メソポタミア神話に登場する神々の一群を指し、作家ゼカリア・シッチン氏はアヌンナキはおそらく太陽系に存在し、3600年ごとに地球に接近する「ニビル」(シュメール語で“交差点の惑星”)と呼ばれる惑星に関連づけた。
シッチン氏の考えによれば、アヌンナキは40万年以上前に地球に到着し、ペルシャ湾の海域近くに定住、最終的にはメソポタミア南部全域を文明化したとされる。
「シュメール王リスト」の最初の断章はドイツ系アメリカ人の学者ヘルマン・ヒルプレヒトによって「ニップル寺院図書館」内で発見された後、1906年に出版された。それ以来、バビロン第一王朝のものと思われる15を超える異なる断章と、少なくとも1つの詳細なリストが出版されている。
オリジナルの「シュメール王リスト」はおそらくウルク第五王朝におけるウトゥ・ヘガルの治世中(紀元前2119-2112年)に作成され、古代の部分はシン・マギルの治世後に追加されたと考えられている。
「シュメール王リスト」によると、各王の平均統治期間は3万150年で、その期間の合計は24万1200年とされている。いったいどうしてそんなに長生きすることができたのか。年が60進法で計算されていたという指摘もあるのだが、60分の1だとしても異様に長い統治期間であること変わりはない。
「シュメール王リスト」には次のような記述がある。
「王族が天から降臨した後、君主制はエリドゥグにありました。エリドゥグではアルリムが王となった。彼は2万8800年間統治しました。アラルジャルは3万6000年間統治しました。二人の王が6万4800年間統治しました」
つまり、アルリムは2万8800÷60=480年、アラルジャルは3万6000÷60=600年で、この二人の王だけで千年以上も統治したのだ。
研究者の中には、聖書の「創世記」の歴史性を証明するために、シュメール王のリストと創世記を関連づけようとする者もいる。
「シュメール王リスト」には、洪水(洪水が地球を襲った)とギルガメッシュ(のちのノアとなる)の神話上の人物に言及する最初のセクションが含まれており、不思議なことに聖書の「創世記」のアダムとノアの間には8世代があり、これは「シュメール王リスト」にある天から降りてきた8人のアヌンナキと一致するということだ。
古代に地球外種族が地球に到来し、その住民を文明化した可能性はあるのだろうか。つまり「古代宇宙飛行士説」の宇宙飛行士はアヌンナキであったのか。
アヌンナキは「永遠の若さ」または不死を実現する技術を持っていると考えられ、これにより古代シュメールの王たちの長い統治期間が説明されることになる。
とすれば今もアヌンナキは人類を監視し、場合によっては介入していると考えたほうが自然であるともいえる。ますます不穏な様相を呈する世界情勢の中でアヌンナキが裏から手を伸ばしてくることがあるのかオカルト的には気になるところだ。
参考:「espaciomisterio」ほか