サイゾー文芸部から出版された小説『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』を原作としたドラマ『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』の人気がすごい。ABEMAオリジナルドラマの再生数記録を更新し続け、サスペンスとアクションが融合した唯一無二の世界観が多くの視聴者を魅了している。

　説明するまでもなく、『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』は2023年にカンテレで放送された『インフォーマ』の続編。主人公の桐谷健太や相棒役の佐野玲於ほか主要キャストの多くが続投しているが、奴らの存在も忘れてはいけない。

　そう、前作では大事な役回りとなった六車連合と瀧澤組という2つの組織の組員役の役者たちが、今回でもそのイカツイ顔を引っ提げ、作品に独特の味を加えているというのだ。

　そんな『インフォーマ』を脇で支える六車連合と瀧澤組のオトコたちが集まって、『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』を盛り上げようというトークライブが、本作の初回放送前夜に都内の怪しげなライブハウスで、インフォーマ・ファンたちを集めて開催されていた。題して「『インフォーマ-闇を生きる獣たち-』放送前夜祭 六車連合vs瀧澤組」。

　このライブを企画し、役者たちを集めたのは“六車連合の番頭”マサ役を演じている室田真宏。あの『サンクチュア リ-聖域-』でも力士役を務めた巨漢俳優だが、そのインフォーマ愛はピュアそのもの。よく見ると可愛い目で、ライブ開催のきっかけを語るのだった。

「同じヤクザ役の俳優として、『インフォーマ』で長い時間を共有した仲間たちは、先輩後輩の枠を超えて、もはや戦友です。撮影は終わったけど、『アイツらと何かしたい!』『作品を支えているのは、主演級の役者さんたちだけじゃないことを示したい！』と思って、声をかけました。みんなで『インフォーマ』を少しでも盛り上げたいと」

　そんなアツい思いではじまったライブでは、威圧感を漂わせた個性的な役者9人が登壇。基本的にはにこやかな表情で仲睦まじくトークを展開していくのだが、そこは前作『インフォーマ』では激しく対立してきた両組織。トーク中に少しでもこじれるようなポイントがあると、待ってましたとばかり「六車連合vs瀧澤組」が勃発。互いに怒声を浴びせながらの、つかみ合いのいざこざが勃発するという「お約束」の茶番劇が何度も繰り広げられたのだった。

　ちなみにトーク内容は、アングラ感あふれるライブだけあって、なかなか活字化できないようなものばかり。コンプラギリギリの激しすぎる撮影現場の様子から、室田がある某人気女優に惚れてしまった恋バナなど、秘蔵写真を披露しながらバラエティに富んだ話が乱れ飛んでいた。

　そして、会場が爆笑ときどき苦笑という中、スペシャルゲストが参上。もちろん『インフォーマ』といえば、この人、桐谷健太さん！……と思ったら、これもある意味「お約束」であるそっくりものまね芸人・松田幸起が登場。「おい、ポンコツ」などとの決まり文句を、激似の声色とイントネーションで再現してみせ、客席のファンたちを唸らせていた。

　六車連合と瀧澤組の面々に、なんちゃって木原を加えたヤンチャトークが最高潮の盛り上がりを見せたところで、第一部は終了。

　そして休憩を挟み、あらためてステージに登壇したコワモテの男たち。第一部同様にバカ騒ぎして、会場を沸かせるかと予想されたのだが、みんなの表情がどこか堅い。一体、休憩時間中に何があったのか……。その答えはすぐに明らかとなった。舞台袖からひとりの男が現れたのだ。

　男の手にはビール瓶。舞台中央に置かれた椅子にどかりと座ると足を組み、ゆっくりと瓶に入ったビールに口をつけた。貫禄がすごすぎる。そう、今夜のスペシャルゲストである作家の沖田臥竜の登場であった。

　沖田は『インフォーマ』の生みの親。今作でも原作・監修を務め、撮影現場でも人一倍強い作品愛を掲げながら、厳しい目で各方面へ指導を行ってきた。

　のっけからビールをあおりながら、トークライブに登場する一人の男と、一目置いてそれを見つめるいかつい男たち。なかなか見ることができない光景だが、それは沖田なりの演出だったのだろう。

　男たちの表情に緊張がみなぎる中で、沖田の話がスタート。『インフォーマ』の表も裏も知る人間による、オフレコ連発のトークに会場全体が惹きつけられていったのだ。そんな沖田の登場で会場の空気が一変しつつも、自身の作品を脇で支えてくれた役者たちへの気遣いが、その言葉の端々から感じ取れた。前作から続く、インフォーマ・チームの結束力を垣間見られたのだった。

　そして、沖田を中心とした軽快なトークが続く中、サプライズが次々と届けられた。

　まずは、この日のために作成されたメイキング映像が披露され、その後、正真正銘の桐谷健太からのビデオレターが公開されたのだ。その内容は、座長として、沖田や六車連合、瀧澤組の面々に感謝を述べつつ、またみんなで一緒に仕事をしたいというアツいメッセージ。『インフォーマ』のさらなる続編を期待させる言葉に、登壇者も観客も感慨深げ。ほっこりとなった空気の中、ライブは惜しまれつつも終了。その後は沖田のサイン会が始まり、ファンたちの長蛇の列ができたのだった。

　終演後、「単なる脇役だけど、そんな俺たちから見た撮影風景、舞台裏などなど、現場のリアルをインフォーマ・ファンにお伝えできたんじゃないでしょうか。『インフォーマ』がますます盛り上がればいいなと心から思っています」と語った室田。最後は「とはいっても、本当は理由をつくって、みんなで集まりたかったんですよね」といって、控室で戦友たちと談笑するのだった。

　後編に向け、ますますドライブがかかる『インフォーマ-闇を生きる獣たち-』。噂によると、六車連合と瀧澤組の面々の活躍もこれからが本番のようだ。　

■登壇者のみなさん

浦咲人（六車連合）、紺崎真紀（六車連合）、斉藤達矢（六車連合）、ダズオ（六車連合）、谷充義（瀧澤組）、中村匡志（瀧澤組）、本田聡（六車連合）、南館優雄斗（六車連合）、室田真宏（六車連合／以上、あいうえお順）、松田幸起 and 沖田臥竜

ドラマ『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』

毎週木曜日23時～ABEMAにて放送

週刊タイムズの記者・三島（佐野玲於）は、世間を騒がせている〈闇バイト殺人事件〉の黒幕を調べるために、編集長の命でタイ・バンコクへ飛ぶことに。そこで三島を待ち受けていた人物は……2年前の〈火だるま殺人事件〉で三島に地獄を味わわせた、“インフォーマ”の木原（桐谷健太）だった。木原に翻弄されながらも取材を進める三島。そして2人の前に、インフォーマを名乗る謎の男・鬼塚（池内博之）が立ちはだかる。木原と三島は、〈闇バイト殺人事件〉で盗み出された”謎のブツ”をめぐり、鬼塚・そして現地マフィアと壮大な情報戦に巻き込まれていく——。

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原作小説『インフォーマ2  ヒット・アンド・アウェイ』 

沖田臥竜・作／サイゾー文芸・刊／1400円＋税

amazonなどネット書店、全国書店で発売中