誕生後約3年、娘をベッド下の引き出しに隠して育てた母に有罪判決(英)

2023年2月、3歳の誕生日を数週間後に控えた女児が、2階にある寝室のベッドの引き出しの中にいるのを、母親のパートナーの男性が発見した。

男性が2階のトイレを使用しようとした際、寝室から赤ちゃんのような声が聞こえた。女児は髪がひどく絡まり、脱水症状を起こし、未治療の口蓋裂があった。また腹部や足が腫れ、オムツかぶれがひどく、筋肉が発達せず手足がだらんと垂れていた。

男性は普段、2階への立ち入りを禁じられていて、ベッドの引き出しの中の女児を見て、慌てて警察に通報した。

一方、現場に駆けつけたソーシャルワーカーは、次のように述べた。

「寝室で目にした光景に驚き、引き出しの中に座って私を見上げている女児を見て衝撃を受けました。女児は私を見つめ、体を前後に揺らしていました。」

「母親に『ここが彼女の居場所なの?』と聞くと、感情を出さず、当然のことのように『そうよ。引き出しの中よ』と言われてショックを受けました。さらに『あなたのほかに、この子を見たことがある人はいるの?』と質問すると、『ノー』と返答があり、『女児がこれまでに見た顔は、母親以外で私だけなのだろう』と思い、恐ろしくなりました。」

「2006年からソーシャルワーカーを務めていますが、これほど極端でひどい児童虐待のケースは経験したことがありません。また罪悪感がなく、感情を全く出さない母親の姿は理解し難いものでした。」

なお女児は、2020年3月に自宅の浴槽の中で誕生したが、母親は当時、女児の父親に虐待されていて、妊娠したことを隠していた。

そして母親は、仕事に出かける際は女児を自宅に放置し、外に連れ出すことも人と関わりを持つこともさせなかった。また、食事はシリアルを牛乳に浸したものをシリンジに入れて与え、時々オムツを替えていた。驚くことに女児にはきょうだいがいて普通に学校に通っており、母親はクリスマスイブに女児だけ残し、きょうだいを連れて両親の家に一泊したこともあった。

母親は当局の調べに対し、「引き出しは開けっ放しだった。娘はずっと引き出しの中にいたわけではない」と語ったものの、「あの子は家族の一員ではない」と主張しており、女児は現在、里親のもとで暮らしている。

医師によると、女児の現在の発達年齢は生後10か月ほどで、これまでに2度の口蓋裂の手術を受けている。ただ今後も手術が続くそうで、女児を引き取った里親は次のように語った。

「この子は当初、自分の名前さえ理解していませんでした。また、笑うことを教える必要があり、食べ物が何かということさえ知らなかったのです。初めての言葉、初めての一歩など、たくさんのことが彼女にとって初めてであり、これは悲しいことです。でもこれから、彼女と初めての瞬間を一緒に過ごすことができるのは素晴らしいことだと思っています。」

ちなみに母親は、児童虐待などの4つの罪を認めており、この事件を担当したレイチェル・ディ・ニコラ巡査(Rachel Di Nicola)は、「あの子が短い人生の中で経験したことは想像を絶するものだ。子供をあんなふうに苦しめることができるなんて、本当に信じ難いことだよ」と述べた。

画像は『People.com 「Mother Sentenced for Hiding Baby Daughter in Drawer for First 3 Years of Her Life: ‘Extreme Neglect’」(PHOTO:Cheshire Police)(PHOTO:CPS)』より

(TechinsightJapan編集部 A.C)

2024/11/29 9:55

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