「僕は夢に生きている」 故郷を牽引する沈まぬ“太陽”MFカソルラ、40歳を前に傑出プレーでクラブ月間MVPにも

 オビエドの主将MFサンティ・カソルラが、40歳を迎える今シーズンのここまでを振り返った。20日、スペイン紙『マルカ』が伝えている。

 “太陽”が生まれ故郷のクラブで燦然と輝いている。セグンダ第15節終了時点で自動昇格圏内の2位につけるオビエドを牽引しているサンティ・カソルラ。20代後半から30歳前後のキャリア最盛期において、右足首切断の危機に直面したが、9回にもおよぶ手術とリハビリを乗り越え、再びボールを蹴り始めた同選手は、ビジャレアルとアル・サッドを経て、昨夏にリーグが定める最低賃金の年俸と、ユニフォームの売上の10パーセントをカンテラに投資するという“漢気”の契約でオビエドに帰還した。すると今シーズンは、ここまで全15試合でプレーしており、目下9試合連続スタメン出場中。何より、4アシストを記録と、チャンスを演出するテクニックや創造性は衰えておらず、先月にはクラブ月間最優秀選手賞にも選出されていた。

 そんなカソルラは、来月13日に40歳となる。ビジャレアルとアーセナル、そしてスペイン代表でもタイトルを獲得したプロキャリアの晩年期を、“すべての始まりのクラブ”で過ごしている同選手は「タルティエレ(オビエドの本拠地)が歌を歌ってくれるとき、僕は世界で最も特権を享受しているに違いない。そう、僕は夢に生きているんだ。タルティエレでプレーすることは、とても恵まれていることであり、あらゆる瞬間を楽しみたいと思っている。彼らが与えてくれた愛情を、返し切ることは不可能だろう」と思いを馳せた。

 昨シーズンはケガにも悩まされ、リーグ戦のプレータイムは24試合・計972分と限定的だったが、今シーズンはすでに15試合・計975分を記録。コンディションを取り戻したカソルラは「自分で決めた目標だった。昨年は恥骨とヒラメ筋の問題が状況を悪くしたけど、今はだいぶ良くなったし、トレーニングでうまく調整できている」と告白。さらに「今年はゴールを決めるということに奮闘している。日々、目標に近づていると感じるけど、重要なのはチームが勝つこと」と意欲を燃やした。

 シーズン3分の1を消化したセグンダにおいて、ラシン・サンタンデールが首位を独走している反面、2位以下は混戦の様相を呈しているが、オビエドの主将は「この順位につけられているのは嬉しいけど、まだ先は長い。まだ何も成し遂げていない。もちろん、自分たちが上位にいるのは良いことだし、それはうまく物事を進めてきたことの結果でもある。謙虚に、地に足をつけて進んでいこう」と口に。

 続けて「アウェイで勝てていないことか? 確かに、ホームとアウェイでは結果に違いが出てる。目の前にサポーターがいれば、困難な場面を乗り越える手助けをしてくれるからね」としつつ、「勝つことに慣れることは、とても素晴らしいことなんだ。(元スペイン代表監督の)ルイス・アラゴネスの言葉をよく思い出すよ。『勝って、勝って、勝って、また勝て』と。僕たちは、この勢いをできる限り継続させる必要がある。人々をハッピーにさせるためにはそれが不可欠。ホームではより強く、アウェイではひとつでも多く勝てるように、集中しなければならない」と決意を示している。

 アーセナルからビジャレアルへと復帰した後、再び“太陽”は昇った。そしてあれ以来、沈むことはおろか、40歳を前にして輝きをより強めているが、フットボールに対する“衰えない情熱”と、オビエドに対する“不変の愛”が、その源なのだろう。

2024/11/21 15:30

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