ピーナッツの粉で作ったブラウニーをもらって食べた19歳女性、アナフィラキシーショックで死亡(米)
ウィスコンシン州ウォータータウンにあるマラナータ・バプティスト大学の1年生、ハンナ・グラスさん(Hannah Glass、19)が4日夜、キャンパス内の女子寮でブラウニーを2口食べたところ、急に体調が悪化した。
ハンナさんは3歳と6歳の頃、ピーナッツによる軽いアレルギー反応を経験したことから、これまでナッツ類は避けてきた。このブラウニーは、大学の女性グループがキャンパス内で手作りしたもので、ハンナさんはピーナッツ粉が使われていることを知らずに親しい友人からもらって口にした。
嘔吐し、全身にアレルギー症状が現れたハンナさんは、市内在住の両親に電話して助けを求め、心配した両親は娘と会話しながら車で寮に向かった。さらに寮には、両親から連絡を受けた友人で看護師のエリザベスさん(Elizabeth)が駆けつけ、ハンナさんは抗ヒスタミン薬「ベナドリル」を服用した。
母ジャニーンさん(Janean)が到着した際、ハンナさんはバスルームにいたが症状は落ち着いており、嘔吐してから約1時間後、自ら歩いて2段ベッドの上段に移動した。しかし、ベッドで横になると突然、呼吸困難に陥って意識を失った。
後から分かったことだが、この時、ハンナさんの右肺は潰れていた。そして、寮でエピペンが投与され、救急車が呼ばれた。
ハンナさんはその後、何度もけいれん発作を起こし、病院に向かう途中の救急車内で3~4分間、心停止した。父デイビッドさん(David)は当時について、「娘の状態は完全に反応がなく、私にはどうすることもできなかった」と振り返った。
病院で生命維持装置に繋がれたハンナさんだが、脳が腫れ、体の機能が完全に停止し、医師から臓器提供の提案を受けた両親は苦渋の決断を下した。
10日、病院の廊下では、ドナーに敬意を示す「見送りの儀式(オーナー・ウォーク)」が行われ、家族が別れを告げた後、ハンナさんの生命維持装置が外された。ハンナさんの主要な臓器は4人の命を救ったそうで、娘を失ったデイビッドさんはアナフィラキシーショックの怖さについて伝え、「このような思いをするのは私たちだけで十分だ。娘の臓器を提供することで、ほかの人に第二の人生のチャンスを与えることができればいい」と述べて肩を震わせた。
なお、ハンナさんの両親は日本時間12日、Facebookで娘の死について説明し、アナフィラキシーショックについてこう記していた。
「ハンナがベッドに横になった時、これまでには経験したことがなかったようなアナフィラキシーショックに襲われた。娘は呼吸が上手くできずに喘ぎ始め、右肺が虚脱し、私たちや救急隊員、医師らでは治すことが不可能なほど体調が悪化してしまった。生活の質について語るとかそんなレベルではなく、脳が致命的な損傷を受けていた。」
このニュースには「なんて恐ろしいのだろう。でも避けられた事故だったかもしれない」という声が多数あがり、次のような感想も寄せられた。
「なぜすぐにエピペンを打たなかったのか? 私の場合はベナドリルでは効かない。」
「アレルギー持ちなら、人にもらったブラウニーの材料を確認せずに食べるべきではなかった。」
「アレルギーが重度なら、常に2本のエピペンを携帯すべき。」
「アレルギー反応は回を追うごとに悪化する。なぜすぐに緊急通報をしなかったのか。悔やまれる。」
「これを教訓に、同じような事故が起こらないことを祈るよ。」
ちなみに2022年には、紅茶をかき混ぜたスプーンについていたわずかなミルクで、24歳の女性がアレルギー反応を起こして死亡した。
画像は『The Sun 「FATAL BITE Student, 19, dies after eating gluten-free brownie given to her by friend triggering fatal allergic reaction」(Credit: Facebook/Hannah Glass)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)