トルコで豊尻術などを受けた英女性が死亡 外科医は途中退席、麻酔科医が手術継続

昨年10月2日、英南東部ハンプシャー、イーストリー出身のヘイリー・ドゥエルさん(Hayley Dowell、38)は、イスタンブールの「BHTクリニック」で豊尻術(ブラジリアンバットリフト、以下BBL)、腹壁形成術(タミータック)、脂肪吸引手術を受けた。

ヘイリーさんは夫ネイル・ドゥエルさん(Neil Dowell)と共に前日にトルコへ渡り、2日の手術の数時間後、3日午前0時頃にクリニック内で死亡した。血流内に外部から血栓、脂肪、細菌、空気などが入り込み、それが詰まることによる「塞栓症」を引き起こしていた。

ネイルさんによると、BHTクリニックはネットでリサーチして選び、トルコでトップ5に入る外科医を探し出して手術を受けた。そのクリニック名も、外科医にちなんで名付けられたものだったという。

今回、ハンプシャーのウィンチェスター検死官裁判所で行われた検死審問で、ネイルさんは「妻は手術の危険性について適切な説明を受けていなかった」と明かした。また、ヘイリーさんの母アンさん(Ann)は次のように語った。

「娘が同意したのは2つの手術だけだった。そのため、もう1つの手術についてはリスクを認識していなかった。」

ネイルさんは、ヘイリーさんがどの手術に同意しなかったのかについては言及しなかったが、「クリニックは妻が亡くなった後、同意書への署名を要求してきた」と述べた。さらに手術の時間や外科医の無責任な対応に対して懸念を示し、このように語った。

「手術は6時間の予定だったが、1時間45分に短縮された。外科医は手術の途中で退席し、麻酔科医に残りの仕事を任せていた。2つの仕事を同時に行うことは不可能だろう。」

なお、英国政府の情報サイト『GOV.UK』によると、2023年にトルコで何らかの医療処置を受けた後に死亡したイギリス人は6人おり、手術後に合併症を起こしたり、追加の治療や手術が必要になった人も少なくないと報告されている。

今回の検死審問を受け、検視官ニコラス・ウォーカー氏(Nicholas Walker)は、ヘイリーさんの死因について徹底的に捜査を行うことを約束し、同じ悲劇を繰り返さないための報告書を作成する意向を示した。

次回の本格的な検死審問は1月に予定されているが、このニュースには「なぜ命を危険にさらしてまでトルコへ行くのか」「少しばかり高くても、イギリスで手術をすべきだ」「有名なクリニックと外科医をリサーチしたのに、リスクについては無頓着だったってこと?」「BBLは最も危険と言われるのに…。私だったら絶対、この施術は受けないわ」「トルコでの手術の危険性に気づくまで、いったいどれだけの人が犠牲になるのか」「悲しいニュースだ」といった感想が寄せられた。

ちなみに2020年、トルコでBBLを受けた女性が手術中に心臓停止を起こし、蘇生措置を受けた。しかし医師はその事実を告知せず、女性は手術から2年後も後遺症に苦しんでいた。

画像は『The Sun 「OP HORROR Brit woman, 38, dies following £7k Brazilian bum-lift in Turkey after surgeon ‘walks out halfway through’」(Credit: Facebook)(Credit: Google Maps)』より

(TechinsightJapan編集部 A.C.)

2024/11/20 20:09

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