「ハムレット」「ワーニャ」「フリーバッグ」ほか、NTLive人気作品が全国各地へ
舞台の本場、英国のナショナル・シアターから話題の舞台を厳選し、世界の映画館で上映するナショナル・シアター・ライブ(NTLive)が日本上陸から10年を突破。これまでNTLiveが上映されたことがなかった地域の映画館にて、人気作品が上映されることになった。
2014年にベネディクト・カンバーバッチ&ジョニー・リー・ミラーW主演でダニー・ボイルが演出した「フランケンシュタイン」で日本上陸を果たしたNTLiveは、この10年間でイギリスを代表する俳優・クリエーターの名作舞台を日本の映画館へ届けてきた。
これまで都市部での公開をメインにしてきたなか、10周年を迎えた今年、徳島県や鹿児島県など、これまでNTLiveの上映ができていなかった地域の劇場でも選りすぐりの作品を上映できることに。
NTLiveはイギリスのナショナル・シアターが厳選した、いま見るべき話題の舞台をこだわりのカメラワークで撮影し、世界各国の映画館で上映する企画。
これまでにイギリスの演劇界最高峰のローレンス・オリヴィエ賞受賞作やウエストエンドで高評価を得て、ブロードウェイでの上演が決まりトニー賞も受賞した作品など、数々の名舞台が映画館で楽しめる。
上映劇場・上映作品
シネ・リーブル池袋
●「プライマ・フェイシィ」 11月29日(金)~12月5日(木)
積極的にキャリアを重ねる弁護士テッサ(ジョディ・カマー)は、依頼がくる仕事をどんどんこなし、時にはレイプ事件も担当してきた。しかし、ある日、自らも性的暴行の被害者になってしまい、自身の訴えを起こしたことから、それまで気づきもしなかった法律で守れるものの限界にぶち当たることになる。司法で裁けることの限界と矛盾を観る人に突きつける衝撃の作品。
受賞歴:2023年ローレンス・オリヴィエ賞 最優秀新作演劇賞・最優秀主演女優賞、2023年トニー賞最優秀主演女優賞
※上映権利が12/5までのため、権利切れ前最終上映
吉祥寺オデヲン
●「ワーニャ」絶賛上映中~11月14日(木)
人気と実力を兼ね備えた俳優アンドリュー・スコットが8役を演じる熱演が大絶賛の、今年最大の話題作。
●「ザ・モーティヴ&ザ・キュー」 11月29日(金)~12月5日(木)
1964年、エリザベス・テイラーと結婚したばかりのリチャード・バートンは、ジョン・ギールグッドの厳格な演出のもと、ブロードウェイの実験的な新作「ハムレット」でタイトルロールを演じることになった。しかしリハーサルが進むにつれ、2つの時代の演劇が衝突し、俳優と演出家のコラボレーションはやがて崩壊の危機を迎える。
「ハリー・ポッターと呪いの子」のジャック・ソーンが脚本を手掛け、「リーマン・トリロジー」の演出家サム・メンデスと舞台美術家エス・デブリンが組んだ本作は、イヴニング・スタンダード賞最優秀新作戯曲賞を受賞。
受賞歴:2024年ローレンス・オリヴィエ賞最優秀主演男優賞(マーク・ゲイティス)
●「ナイ ~国民保健サービスの父~」 2025年1月10日(金)~1月16日(木)
死に直面したアナイリン・べヴァン(マイケル・シーン)は、深い記憶を頼りに、幼少期から地下採掘場、議会、チャーチルとの戦いまで、人生を遡る気の遠くなるような旅に出る。ティム・プライス脚本、ルーファス・ノリス(『スモール・アイランド』)演出によるこの壮大なウェールズのファンタジア。
大阪府・扇町キネマ
●「プライマ・フェイシィ」 11月13日(水)最終上映
●「ワーニャ」 11月12日(火)、11月14日(木)
●「ハムレット」 11月15日(金)~11月21日(木)
ハムレットの父親を毒殺して母親と結婚し王位についた叔父への復讐劇。オリヴィエ賞最優秀演出賞ノミネート歴をもつ精鋭の女性演出家リンゼイ・ターナーによる、舞台の奥行を活かしたダイナミックな演出は、劇場の空間でありながら大作映画に匹敵する躍動感が溢れる。本作でタイトルロールを演じたベネディクト・カンバーバッチは、その個性を評価されながら、同時に歴代の「ハムレット」俳優に匹敵する名演が賞賛された。本作はオンラインチケットが発売されるやいなや10万枚のチケットが即日完売した大人気舞台。
宮崎県・宮崎キネマ館
●「プライマ・フェイシィ」 11月15(金)~11月21日(木)
●「ザ・モーティヴ&ザ・キュー」 11月22日(金)~11月28日(木)
徳島県・ufotable CINEMA
●「プライマ・フェイシィ」 11月30日(土)、12月1日(日)*2日限定
●「ハムレット」 12月28日(土)、12月29日(日)*2日限定
鹿児島県・ガーデンズシネマ
傑作7作品を来年に渡って上映
*全作品2日限定上映
●「プライマ・フェイシィ」 11月17日(日)、11月30日(土)
●「ハムレット」 2025年1月2日(木)、1月3日(金)
●「フリーバッグ」 1月18日(土)、1月26日(日)
世界でヒットした大人気ドラマ「フリーバッグ」の元になった舞台。ドラマは2019年テレビ批評家協会賞でプログラム・オブ・ザ・イヤーを含む3部門を受賞し、同年エミー賞では11部門にノミネート。イギリスでは主演の衣装や小物の検索率が34~38%増加し、その人気は“フリーバッグ・エフェクト”とも呼ばれた。
この舞台で作・主演を務めたフィーヴィー・ウォーラー・ブリッジの名声は高まり、ハリウッドへ進出。「007」シリーズには脚本家として女性初の参加メンバーになり、『インディー・ジョーンズと運命のダイヤル』などにもメインキャストとして出演。皮肉屋で常識外れのシングル女性を主人公にした、現代を生きる人の心に深く刺さるドラマ。
●「ディア・イングランド」 1月19日(日)、1月25日(土)
サッカー発祥の地イングランドだが、大会ではなかなか勝てず手痛い敗戦パターンを繰り返している。なぜイングランド代表は勝てないのか? PK戦で苦い思い出を持つガレス・サウスゲートは、代表監督としてチームと国を約束の地に連れて行くため、自身の過去とも向き合い、選手のメンタルを成長させるべく奮闘する。ルパート・グールド(『ジュディ 虹の彼方に』)が演出を手掛けた話題作。
受賞歴:2024年ローレンス・オリヴィエ賞最優秀新作プレイ賞・最優秀助演男優賞(ウィル・クローズ)
●「ワーニャ」 2月1日(土)、2月16日(日)
●「プレゼント・ラフター」 2月2日(日)、2月15日(土)
スター俳優ギャリー・エッセンダインが海外ツアーに出かける準備をしていたところ、個性的な面々の訪問を受け、彼の生活はハチャメチャに――。現代の名声・欲望・孤独を見事に投影した作品。
受賞歴:ローレンス・オリヴィエ賞(アンドリュー・スコット)受賞、助演女優賞(インディラ・ヴァルマ)受賞
●「フランケンシュタイン」
ジョニー・L・ミラー怪物版 3月1日(土)、3月9日(日)
ベネディクト・カンバーバッチ怪物版 3月2日(日)、3月8日(土)
博士に造られた怪物。彼は世界との接触により徐々に人間の心を持つようになるが…。アカデミー賞監督ダニー・ボイルが超有名原作に挑む。イギリス演劇界最高峰のオリヴィエ賞主演男優賞をベネディクト・カンバーバッチとジョニー・リー・ミラーがW受賞したNTLive史上、最も人気作の1本。
(シネマカフェ編集部)