「寝ても疲れがとれない人」こそ知っておくべき“睡眠不足を改善させる5つの方法”
柔道整復師のshuheiと申します。現在は表参道で整骨院を経営するかたわら、これまでトップアスリートやアーティストら5万人以上の施術を担当してきた経験をもとに、腰痛や肩こり、姿勢改善など多くの方にとって身近な健康に関する情報をSNSで発信しています。
◆甘く見てはいけない「睡眠不足」の恐ろしさ
近年の研究では睡眠不足は肥満、高血圧、糖尿病、心疾患、脳血管疾患、認知症、うつ病などの発症リスクを高まることがわかってきています。
しかし、日本人の睡眠時間自体も「令和元年国民健康・栄養調査」の結果によると、労働世代である20〜59歳の各世代において、睡眠時間が6時間未満の人が約35〜50%を占めており、睡眠時間が5時間未満の人に限定しても約5〜12%となっています。
そこで、今回は簡単な改善方法を中心に質のいい睡眠を獲得するための方法をご紹介します。
◆「眠れない」にもいろいろな種類がある
あなたの睡眠は十分でしょうか?
【入眠困難】床についてもなかなか(30分〜1時間以上)眠りにつけない
【中途覚醒】いったん眠っても、翌朝起床するまでの間、夜中に何度も目が覚める
【早期覚醒】希望する時刻、あるいは通常の2時間以上前に目が覚め、その後眠れない
【睡眠障害】眠りが浅く、睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない
上記に当てはまる場合は不眠症の場合も考えられます。原因としては枕が合わない、暑さや騒音、明るさ、年齢、性差、頻尿、痛み、かゆみなど悩みやイライラ、ストレス、睡眠に対するこだわりなどアルコール、ニコチン、カフェインの摂取、薬の副作用、運動不足などさまざまな可能性があるため、自分に合う対処法を見つけましょう。
ヒトの体内時計の周期は約25時間といわれ、地球の周期(24時間)とは約1時間のずれがあります。このずれをうまく調節し、24時間にあわせることで体のリズムを整え、上手な睡眠をコントロールしていきます。
◆毎日の睡眠を改善するためにやるべきこと
次に今日からすぐに取り入れることができる改善方法をお伝えします。
・これはマスト!、朝日を浴びる
→朝の光は体内時計を早め、夕の光は体内時計を遅らせることがわかっているため寝るときは極力部屋を暗くしてしっかりスイッチオフして、朝起きたらカーテンを開けてたっぷり光を浴びてスイッチオンしましょう
・寝る時間起きる時間を一定にする
→ついついアニメ見すぎたり、飲みすぎたりして遅寝になったり、休みだからとだらだら寝ていると先述のとおり、体内のリズムが合わず次の日の不調に繋がりやすくなります
・睡眠ツボを押す
→おすすめのツボはわかりやすく、何かの真ん中で統一しました。覚えやすいところばかりなので毎日押す習慣作りに役立ててください
◆失眠(しつみん) かかとの中央にあるツボ
押すのが面倒な時は床に固い突起をおいて踵をゴリゴリしちゃいましょう
◆印堂(いんどう) 眉間の中央にあるツボ
鼻のつまりや、ストレスを感じているときに押したいつぼ眉間のまんなかなので寝ながら簡単に押せます
◆膻中(だんちゅう)乳頭の中央
自律神経の乱れを整え、息苦しさ、喘息、胸の詰まり感この踵、眉間、乳頭の真ん中の三つ、覚えてみてください
◆口周りの筋肉の衰えが睡眠不足の原因にも
・口周りの筋肉を鍛える
→舌の位置が下がり口呼吸になると無呼吸症候群による睡眠障害に陥りやすいので、口周りの筋肉を動かし、睡眠改善だけでなく、顔のたるみ・しわの改善による美容効果、脳の血流をアップさせる効果など、多くの効果が得られます。今回は顔回りのトレーニングの中でも、舌の筋肉を多く使う「あいうべ体操」をご紹介します。やり方は次のとおりです。
①「あー」と言いながら口を大きく開ける
まず、「あー」と声を発するときのように、口を大きく開きます。普段よりも大きく開くよう心がけましょう。舌の根元にある舌骨筋群と、口周辺の筋肉が鍛えられ、いびきの改善だけでなく、アレルギー疾患の改善効果も期待できると言われています
②「いー」と言いながら口を大きく横に広げる
首に筋が張るくらいの強さで、口を横に広げます。口周りから首にかけての筋肉を強化する効果があり、呼吸器系の疾患予防や首のシワ改善効果があるとされています
③「うー」と言いながら口を前方に強く突き出す
口をすぼめて、しっかり前に突き出します。口を閉じるのに重要な口輪筋が鍛えられ、疲労感の軽減が期待できるとされています
④「べー」と言いながら舌を突き出し下に伸ばす
顎の先を舐めるようなイメージで、舌をできるだけ下まで伸ばします。舌そのものが鍛えられるほか、便秘改善などの効果が期待できるといわれています。
①から④の体操を、それぞれ1秒ずつ行うのを1セットとし、1日30セット行いましょう。一度で30セットしなくても分けてでも大丈夫なので、大きくやるのを意識してやってみてください。乾燥する季節だと唇が裂ける可能性がおおいにあるのでリップクリームを塗りながら唇にも優しくやってみましょう。
◆呼吸を意識すると体調にも好影響
・呼吸を整える
→呼吸が浅くなると自律神経が乱れ、睡眠障害だけでなく慢性疲労や免疫低下、体重増加などさまざまな要因になりやすいので注意が必要です。
今回はアメリカ・アリゾナ大学のアンドリュー・ワイル博士が開発した「478呼吸法」をご紹介します。やり方は次のとおりです。
①楽な姿勢・態勢を取る
②鼻で大きく息を吸いつつ、4秒数える
③息を止め、7秒数える
④口からゆっくり息を吐きつつ、8秒数える
⑤ ②~④を繰り返す
簡単な方法ですがしっかり吐ききることで良質な睡眠効果を発揮します。
以上が睡眠改善の方法になりますが、朝日浴びて、寝る時間と起きる時間をきちんと決めて、ツボ押して、顔動かして、呼吸深くするだけと思ったら意外に気軽に始められるかもって気がしてきませんか? 1日数分の習慣があなたの睡眠を大改善する可能性を秘めているのでぜひ試してみてください。
<文/shuhei モデル/三田のえ>
【shuhei】
柔道整復師(国家資格)。5万人以上の施術経験、大相撲、女子ゴルフ、ラグビー、アーティストライブサポートなどのトレーナーを担当。現在は表参道、上野で著名人来院多数の店舗を構え、温熱施術を中心とするベストリ式温熱整体を考案し、腰痛肩コリのみならず冷え性、睡眠障害、姿勢の調整をおこなっている