和菓子天国「川越」の“可愛くて美味しい”老舗の「絶品和菓子」めぐり【和菓子に恋して】

●人気観光スポット・埼玉県川越市には歴史を感じる老舗の和菓子店が多数あります。その中から、今回はぜひ川越に行ったら買いたい絶品和菓子を厳選してご紹介します。

 俗に“小江戸”とも呼ばれる埼玉県川越市は、都心から30km圏内に位置し、「蔵造りの町並み」や「時の鐘」、「菓子屋横丁」といった風情あるスポットが魅力的なまちです。

 約400m続く川越のメインストリートや川越一番街周辺には、歴史を感じる老舗和の菓子店が点在。そんな日本情緒溢れる川越のまちで美味しい和菓子を探してきました。

豊富な和菓子が揃う川越の老舗和菓子店『亀屋』

 まずご紹介するのは、天明三(1783)年創業の老舗和菓子店『亀屋』。こちらでは、代々守られてきた伝統的な和菓子はもちろん、八代目が考案したオリジナリティあふれる商品も人気です。

 蔵造りの町並み周辺に姉妹店が4店舗あり、同じ商品も販売していますが、実はそれぞれの店舗にしかない商品や季節限定商品などもあります。なので通りを散策しながらお菓子を探して歩くのも楽しいでしょう。

品よく香ばしい亀甲型の「最中」

 小豆を丹念に炊き上げたほどよい甘さの餡と国産のもち米で最中種を合わせた亀甲型の愛らしく、品の良い一口サイズの最中です。

 餡はつぶ餡とこし餡の2種類があり、そのほかに季節の最中が登場。9月上旬〜12月は、希少な北海道産白小豆「きたほたる」を使用した白粒餡も楽しめます。

 また、亀屋の『本店』と『菓子屋横丁店』で売られている「はつかり醤油最中」は、老舗松本醤油の「はつかり醤油」が亀甲の最中種に練り込まれています。袋を開けるとフワッと香る醤油の香りは、まるで焼き団子のように香ばしい。餡の甘さと醤油のしょっぱさのバランスが絶妙です!

最中と並んで人気のどら焼き「亀どら」

 亀屋では最中と並んでどら焼きも人気です。例えば、『時の鐘店』で販売されている亀の甲羅の形をしたどら焼き「亀どら」は、丁寧に炊いた北海道産小豆をじっくりと練り込んだ餡を生地にたっぷり挟んでいます。

 近頃は、パンケーキのようにフワッとした生地のどら焼きも増えていますが、同店のどら焼きは原材料に水飴を使用し、みっちりとしているのが特徴。

 しっかりとした歯応えで、昔ながらのどら焼きの味が楽しめます。また、皮だけの販売も行っているので、自宅で好きなものを挟んで味わうこともできます。職人が一枚一枚焼き上げたどら焼きの皮は子どもの朝食やおやつにもピッタリだと思います。

 このほか、猫のかたちをかたどった「たまどら」は、通常は『亀屋 時の鐘店』でのみ販売していますが、毎月「2」のつく日(2日、12日、22日)は亀屋全店で販売されるので、日付を要チェックです。

『亀屋 時の鐘店』限定のお菓子「小江戸 時の鐘」

 また、『時の鐘店』でだけ買えるお菓子には、「小江戸 時の鐘」もあります。どこか洋風な味わいの和菓子で、ミルク餡とさつま芋餡を合わせた口どけの良さが魅力です。

 江戸初期から町に時を告げ、小江戸の面影を今に伝える川越のシンボル「時の鐘」の焼印が入っているのが素敵です。「小江戸 時の鐘」と最中やたまどらのセットもあり、お土産にもオススメです。

●SHOP INFO

店名:亀屋

住:埼玉県川越市仲町4-3(本店)

  埼玉県川越市幸町7-7(時の鐘店)

TEL:049-222-2052(本店)、049-225-7451(時の鐘店)

営:9:00~18:00(本店)、10:00〜17:30(時の鐘店)

休:無休(本店)、不定休(時の鐘店)

https://www.koedo-kameya.com/

芋菓子の元祖といわれる老舗和菓子店『亀屋栄泉』

 明治期より川越名産さつまいもを芋菓子に仕立て広めてきた芋菓子の元祖といわれる和菓子舗が、『亀屋栄泉』。芋松葉(芋けんぴ)やサツマイモチップスなどのお菓子をはじめ、スイートポテトやスイートポテトパイなどの洋風菓子が人気のお店です。

 豊富なお菓子の中から、川越らしいお菓子を2つ選びました。左は川越名物のサツマイモを使用した「生どら焼」。右はひとくちポテトです。

川越散策のお供に。食べ歩きにぴったりの「生どら焼」

『亀屋栄泉』では、「サツマイモ」「抹茶」「小倉」、三種類の「生どら焼」を販売。クリーミーな餡をしっとりした生地で挟んであります。「サツマイモ」は、サツマイモの繊維や粒の食感も残っていて甘さは控えめ。あずきが苦手な人はもちろん、老若男女問わず楽しめる味わい。

 なお、生どら焼は要冷蔵。小さな保冷剤もつけてくれますが、どちらかというと食べ歩きするのに向いています。

ニッキの香りがたまらない「ひとくちポテト」

 まるでサツマイモのような見た目の「ひとくちポテト」は、白餡を生地で包んで焼き、ニッキの粉をたっぷりまぶしたひとくちサイズのお饅頭です。

 コロンとした愛らしいフォルムと素朴な甘味はどこか懐かしい味わい。サラリと溶ける餡とニッキの風味が口に広がり、紅茶やコーヒーとの相性も◎。特にミルクティーと一緒に食べると、チャイのような味わいに!

●SHOP INFO

店名:亀屋栄泉

住:埼玉県川越市幸町5-6

TEL:049-222-0228

営:10:00~17:00

休:春期・秋期:無休 

  夏期・冬期:水曜日が休業になる場合があります。(臨時休業あり)

https://www.kawagoe.com/kameyaeisen/

『川越菓匠くらづくり本舗』のズッシリ重たい最中「福蔵」

 創業明治20年の『川越菓匠くらづくり本舗』は、川越の銘菓をはじめ、四季折々の和菓子、昔なつかしい菓子など、豊富に取り揃えている和菓子店です。

 同店のおすすめは何と言っても最中。耐火建築として大切なものを守る役割を担ってきた小江戸川越の蔵にちなみ“生まれる福”、“伝え守る蔵”という意味を込めて「福蔵」と名づけられた一品です。

「福蔵」には、新潟県蒲原地区産のこがね餅を入れて芳ばしく焼き上げた最上級の最中皮が使われています。そこに、100%北海道十勝平野で穫れた小豆をふっくらと炊き込んだ小倉餡と、佐賀県産ひよく米でつきあげた「福餅」が入っています。

 ズッシリとした重みがあり、食べ応えも十分。縁起が良さそうな最中はお土産はもちろん贈答品にもおすすめ。もらう人はもちろん、贈るほうも同じくらい満足感が得られること間違いなしの逸品です。

●SHOP INFO

店名:川越菓子匠 くらづくり本舗

住:埼玉県川越市幸町2-16

TEL:049-225-5252

営:10:00~18:00

https://www.kuradukuri.jp

川越の銘酒「鏡山」の酒粕を使用した「きんつば」

 蔵の街・川越が誇る唯一の酒蔵が『清酒蔵元 小江戸鏡山酒造 酒蔵』。この酒蔵、1895年建造の有形文化財「滝島家住宅」に同蔵の銘酒「鏡山(かがみやま)」のアンテナショップを構えており、日本酒の販売や試飲(有料)が可能。しかし、日本酒だけでなく、美味しい和菓子もあるのです。

 それが、「鏡山」の酒粕を練り込んだ皮で包んだ川越限定の「酒粕きんつば」です。バラ売りはしておらず、6個入りの箱のみ販売です。

 あずきの食感を残した上品な甘さの餡と、芳醇なお酒の香りがする皮がマッチしたきんつばは、甘党、辛党、どちらにもピタリとハマるお土産。このほか、酒粕入りの「酒粕かすてら」(600円)も人気です。

●SHOP INFO

店名:河越酒店

住:埼玉県川越市幸町8-1

TEL:049-236-3109

営:11:00~17:00

休:年中無休

http://kagamiyama.jp/

まとめ

 今回は、小江戸川越の「蔵造りの町並み」沿いで見つけた和菓子を紹介しましたが、観光客の集まるエリアから少し外れたところにも隠れた和菓子の名店がたくさんあります。秋冬のお出かけ先にピッタリな川越のまちで、ここでしか出会えない素敵な和菓子を探してみてはいかが?

●著者プロフィール

牡丹餅 あんこ

フリーライター・編集。グルメ誌、旅行誌、女性誌、Webの取材、撮影、執筆、編集、イラストを担当。さまざまな土地のお土産やご当地グルメを歩いて探すのが好き。

2024/10/27 10:50

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