ラーメン店と美容院「倒産急増」でわかった「生き残る店、ダメな店」の決定的違い!
東京商工リサーチの調べによると、今年はラーメン店と美容院の倒産が急増しているという。
2024年1~8月のラーメン店の倒産件数は44件で、前年同期比57.1%増だ。一方、美容院も帝国データバンクの発表によれば、1~8月の倒産件数は139件。前年同期比の49.5%増で、どちらも過去最多ペースとなっている。
円安、物価上昇による原材料、美容資材の高騰に加え、人件費も増えた。結果、「綱渡りの経営を強いられているケースが多い」(個人店舗や小規模チェーンを専門に扱う経営コンサルタント)という。
一方、生き残っている店舗の特徴については、両業界で明確な違いがあると分析する。
「ラーメン業界は、定食や一品料理など、様々なメニューを提供する昔ながらの中華料理店が残っており、美容院は、縮毛矯正や白髪染めなど、サービスを特化させた店舗の倒産が少ないんです」(前出・コンサルタント)
中華料理店は単に「町中華ブーム」というだけでなく、ラーメン以外の料理が食べたい客や、居酒屋代わりに使う客など、幅広い客層を取り込むことが生存のカギとなったようだ。反対に美容院は、専門性を高めることで他店舗との差別化を図った店が生き残っているという。
「とはいえ、町中華に対して中国人が経営するような大衆的なガチ中華もブームですし、ライバルはラーメン専門店だけではありません。美容院に関しても、まだまだ飽和状態。資金のある大手が低価格をウリにしたヘアカラー専門美容院などのチェーン展開を始めていることもあり、来年以降、倒産件数が一気に減るとは考えにくく、店舗経営者にとっては厳しい状況が今後も続くでしょう」(前出・コンサルタント)
いずれも独立や新規参入の障壁が少ないと言われる業界だが、事業を継続させていくには相応の努力とアイディアが必要なようだ。