M.ナイト・シャマラン監督、本物のライブ撮影は「信じられないほど挑戦的」『トラップ』インタビュー到着

M.ナイト・シャマラン監督最新作『トラップ』から、監督のインタビューが到着。着想、キャスティング、リアリティへの挑戦など、本作誕生までの全てについて語っている。

ジョシュ・ハートネット演じる家族思いの父親が、実はサイコな切り裂き魔だったという衝撃の設定で、巨大なアリーナライブ会場で繰り広げられる“罠”を描く本作。

M.ナイト・シャマラン監督は最新作の着想について、「音楽を題材にしたスリラー映画はできないだろうか」と考えた。「父と娘がコンサートに行き、コンサートと、そこで起こる恐ろしい事件とを組み合わせたストーリーを作った。こうして『トラップ』は生まれた」とふり返っている。

また、良き父とサイコな切り裂き魔という2つの顔を持つ複雑なキャラクターを演じたジョシュ・ハートネットについて、「彼は非常に思慮深く、哲学的な男だ。彼に会ったとき、彼は私の目を見つめた。彼は何でもする準備ができていると思った。彼はエネルギーに満ちていて、電撃を感じさせた。クーパーのような特別な役を演じるには、すべてを受け入れ、リスクを取って全力で勝負する準備ができている俳優が必要だった」という。

ジョシュ・ハートネットは、家族思いの父であり、サイコな“切り裂き魔”という2つの顔を持つ複雑なキャラクターを見事に体現した。彼の熱演に対して、「観客にとって、この映画を観る大きな理由の1つは、ジョシュの素晴らしい演技を観ることなんだ」と、ジョシュ・ハートネットはまさにパーフェクトで、素晴らしい演技を披露してくれたと語っている。

さらに、「現実に存在する怪物は現代にもいる。ダークなキャラクターを描いたり、ダークなキャラクターを演じたりするのは魅力的だ。それは現実の経験とつながっているからなんだ」と観客の深層心理に訴える重要なテーマについても言及。

「私にとって重要なのは、極端に恐ろしいことをするキャラクターの中に、ほんの少しでも人間らしさを見出すこと。それは挑戦的でおもしろいことであり、その人間性を見つけることが観客の心に響くんだ。なぜその人物は恐ろしいことをするのか、その人間的な理由を見つけることで、私たちはお互いに共感し合えるようになる。お互いをもう1人の自分として見ることができれば、その認識はとても感動的なものだからだ」と、誰もが持つもう一人の自分、人間の二面性に対する認識があるからこそ共感が生まれ、未知の感動が得られるのだと語っている。

また、シャマラン映画のもう一つの秘密は、デジタル撮影が当たり前の時代にフィルム撮影にこだわっていること。「フィルムは化学薬品を使うから、実際に有機的な反応が起こる。ある意味、生きている。フィルムは、デジタルにはできない方法で人生や経験を捉えることができる。フィルムは人生を表現しているように感じる。フィルムは、その限界の中で、観客との関係を築き、それが生きている表現を生み出す。フィルム撮影という、制限がある中で仕事をすることが、最高の作品を生み出す方法だ」とフィルム撮影にこだわる理由を明らかにしている。

主人公の心理ドラマとアリーナライブを同時進行させたことについては、「私はCGIを使うタイプではないので、ライブをやると決めたとき、みんなに『本物のライブをやって撮影するんだ。ごまかさない』と言い続けた。というのは、私は監督として視点を重視したいからだ」と、巨大アリーナで、オンタイム進行するライブ撮影に徹底的にこだわった。

「クーパーと娘のライリーが話している瞬間にスクリーンに映っているステージは、その瞬間に実際に起きていることなんだ。本物だからリアルな映像になる。CGIではなく、後から考えて加工したものでもない。テイクごとにスクリーンに映っているライブを自分で演出することになった。スリラー映画を撮影している最中に本物のコンサートを開き、それをやり遂げるのは至難の業だ。信じられないほど挑戦的だったけれど、とてもやりがいがあった」と、コンサートを楽しむ父娘の姿と、彼らが見つめるステージのパフォーマンスの同時演出にも手ごたえを感じたようだ。

本作を「映画館で体験してもらいたくて作った映画」と語るM.ナイト・シャマラン監督。本作の魅力を存分に味わえる環境で、ぜひ予測不能の騙し合いサスペンスを体感して欲しい。

『トラップ』は10月25日(金)より全国にて公開。

(シネマカフェ編集部)

■関連作品:

トラップ 2024年10月25日より全国にて公開

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2024/10/2 14:00

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