細木数子さん「Netflixでドラマ化」報道に賛否…主演候補に戸田恵梨香か
2021年に他界した占星術師の細木数子さんの生涯をドラマ化する企画が、Netflixで進んでいると報じられて物議を醸している。戸田恵梨香が主演を務めるとも伝えられているが、細木さんは暴力団との深い関係を取りざたされたこともあり、ドラマ化報道に対して「面白そう」「美化するのはよくない」と賛否が生じているようだ。
細木さんの生涯のドラマ化については、4日付の「NEWSポストセブン」(小学館)が報道。Netflixのドラマでは、実際にあった地面師グループによる巨額詐欺事件を基にした『地面師たち』が空前の大ヒットとなっており、9月19日には80年代の女子プロレスブームの立役者・ダンプ松本の半生を描く期待作『極悪女王』の配信が控えている。
記事によると、新たなドラマ企画として波乱万丈の生涯を送った細木さんに白羽の矢が立ち、戸田が細木さん役に内定しているという。
細木さんといえば、飲食店や芸能プロダクションの仕事を経て、独自の研究で「六星占術」という占いを編み出し、1986年から長年にわたり刊行された『六星占術によるあなたの運命』シリーズなどが大ヒット。2000年代には、細木さんをメインにしたTBS系人生相談バラエティ『ズバリ言うわよ!』などに出演し、決めゼリフ「地獄に落ちるわよ!」に代表される過激な物言いでお茶の間の人気者になった。
華やかな生涯はドラマの題材にぴったりと思えるが、現在の感覚では「バリバリのコンプラ違反」となりそうなダークサイドも存在する。
2006年、ノンフィクション作家の溝口敦氏が「週刊現代」(講談社)の連載『細木数子 魔女の履歴書』の中で、暴力団との深い関係や過去の売春あっせん、占いの盗作疑惑などを告発。これを受けて、細木さんは版元を相手取って6億円余りの損害賠償を求める裁判を起こした。だが、細木さん側が日本最大の暴力団の幹部を使って連載を潰そうとしてきたと溝口氏が暴露したことなどで旗色が悪くなり、細木さんは訴訟を取り下げて事実上の敗訴。この影響なのか、2008年からテレビでの活動はセミリタイアとなり、表舞台から遠ざかった。
また、細木さんが「先祖供養のため」「買わなければ不幸になる」などとして相談者に購入を勧めていた墓について、「不安につけこんで不当に高額な墓石を買わされた」として損害賠償を求める訴訟が全国で起きるなど、霊感商法まがいのビジネスに関わっていたとの指摘もある。さらに、政財界への大きな影響力を持っていた陽明学者の安岡正篤氏との結婚についてもさまざまな疑惑や謎がある。
こうした背景があることから、ネット上ではドラマ化報道に対して「波乱万丈の人生だったから面白そう」「ブラックな感じでやるなら観たい!」「ドラマ化する上に主演が戸田恵梨香って美化しすぎでは」「題材として面白いからって、黒い噂ありまくりだった人を持ちあげるようなドラマは観たくない」などと賛否が起きている。
『地面師たち』に象徴されるように、地上波ではできない過激な内容がNetflixドラマの大きな魅力ではある。だが、細木さんについては現在も賛否ある人物であるため、ドラマ化をめぐっては今後も物議を醸しそうだ。