【大阪・新世界グルメ】東京人が感動する激シブ居酒屋『なだや』の「湯どうふ」はなぜウマい?

●大阪・新世界、観光客で賑わうゾーンの少し外れに、地元民に愛される大満足の激シブ居酒屋を発見! その魅力をご紹介します。

 2024年某日、仕事で大阪を訪れた筆者。通天閣のそば、通称・新世界の周辺に宿を取りました。周知の通り、新世界といえば日本はもとより、世界各国からの観光客が訪れる一大観光名所です。

 夕暮れの新世界は昼にも増して賑わいを増していきます。界隈には大阪名物のたこ焼き、串カツ店がひしめいており、どこも盛況であちらこちらに行列が。活気あふれる大阪の表の顔がここにありますが、本当に面白いのは、メインの通りから外れたディープゾーンです。

賑わう繁華街のすぐ近くにある大阪ディープゾーン

 通天閣に続く広い通りのすぐ近くには、「新世界市場」があります。最近はシャッター商店街になっていましたが、そのシャッターの前に屋台が出るようになりました。この日はありませんでしたが、土日・祝日を中心に8軒の屋台が営業していて、ハシゴ酒を楽しむ観光客で賑わっています。

東京育ちが感動した『なだや』の料理

 新世界の喧騒を抜けて新今宮駅周辺に来ました。なぜここに星野リゾートのホテルを作るのか、と話題になったOMO7はこのエリアの観光の拠点として人気になっているようです。

 そして新今宮駅から大通り・堺筋を通天閣方面に戻るように歩いていたら、「ここは絶対に良いお店だ」と確信できるオーラを放つ居酒屋がありました。それがこの『なだや』。本能のままに店内に吸い込まれてみました。

 大阪らしい華やかな装いの元気なマダムが店員さんたちを仕切っていました。カウンターに座り、メニューを眺めます。目に留まったのは「おかえり〜セット!! 生ビールか日本酒1杯+本日のおふくろ料理1品」というものです。おふくろ料理が何かはあえて聞かずに頼んでみることにしました。 

 生ビール到着、と一緒に出てきた本日のおふくろ料理は、なんとはまぐりの酒蒸し。想像以上に嬉しいおつまみの登場にテンションが上がります。

 程よく蒸されたはまぐりは上品な薄味、プリプリで旨みたっぷりです。

 大阪に来たからにはやっぱり串かつでしょ、ということで、青唐、豚肉、なすびを注文。アツアツ&サックサクで大満足。当然ながら、ビールとは最高の組み合わせですね。

 ここで生ビールをおかわり。壁のメニューにあった「大阪3大名物」の最初に書いてあって気になっていた湯どうふを頼んでみることに(ちなみに他の2つの名物は「紅しょうが天ぷら」と「どてやき」でした)。

 その湯どうふにびっくり。生まれも育ちも東京の筆者が知っている湯どうふは、その名の通り湯に浸かった豆腐をポン酢などのタレにつけて食べるものです。

 しかし、この店の湯どうふはダシに浸かっており、上にこんもりととろろ昆布が乗っています。そのダシを一口飲んでみたところ……思わず「ウマっ!」と声が漏れてしまいました。昆布のしっかり効いた旨みたっぷりな味わいときたら、最高の一言です。

 ふるふるの豆腐に味がよく沁みていて、まさに飲むようにしてあっという間に完食してしまいました。これが大阪の湯どうふなのか、この店のオリジナルなのか。このあたりは未確認なのですが、ものすごく美味であることに変わりはありません。

 ベースのダシがしっかりしているので、きっとおでんも美味しいハズ、ということで追加注文。予想は見事に正解。特にやさしいダシが染み込みまくった大根は絶品でした。

 居合わせたカップルの漫才のような会話が耳に入ってきて、口からも耳からも大阪らしさを味わいながらの楽しい晩酌になりました。

まとめ

 帰り道、堺筋沿いを通天閣方面に向かって歩いていると、閉まったシャッターが並ぶ中で1カ所だけ明るくなっている場所があり、近づいてみたらなんと古本屋でした。ぼんやりと光るそこだけが異世界のようで、不思議な気持ちになりました。

 気軽に遊びに行けるけれど、ちょっと横に逸れてみるだけで、ディープで楽しい世界が広がっている大阪・新世界。次回はもっともっと深いところへ探索してみるつもりです。

●SHOP INFO

店名:なだや

住:大阪府大阪市浪速区恵美須西3-2-16 三京ビル1F

TEL:06-6648-0621

営:11:00〜23:00

休:無休(年末年始は休みあり)

●著者プロフィール

工藤真衣子

Photographer。人物を中心に様々な媒体で撮影。グラビア、インタビュー、プロフィール、ドラマ映画スチールなど。ライター:食レポ、レシピ記事は現地系異国メシ、珍しい食材、味のある店など個人的に好きな店や料理を紹介。新宿御苑前で写真館「スタジオ アトリーチェ」経営。

2024/7/10 20:00

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