『古畑任三郎』全話再放送に立ちふさがる風間杜夫出演回の「サザエさん問題」
フジテレビ往年の大ヒットドラマ『古畑任三郎』が5月24日に関東ローカルで再放送がスタートした。
言うまでもなく『古畑任三郎』といえば、田村正和演じる古畑任三郎がゲスト俳優演じる犯人による殺人を卓越した推理で解明していく刑事ドラマの金字塔。放送から30周年を記念した今回は第1~第3シリーズまで、及びスペシャルドラマ4作の一挙再放送で、記念すべき1話目は、昭和の歌姫・中森明菜が登場し、さっそく注目を浴びている。
そんな『古畑任三郎』には再放送NG回が存在するという。
「イチローが登場したスペシャル版はメジャーリーグの試合が映っているという版権などの理由でNGでしたが、今回の再放送では解禁となっており、ファンは歓喜しています。また、木村拓哉が犯人を演じた回はシリーズ屈指の神回と言われていますが、普段紳士な古畑が唯一、裏拳で手を上げたことでも有名。しかし、逆にそのシーンが木村のイメージを損ねるとの事務所判断があったのか、配信サイト上では省かれていた。しかし、2021年にはテレビで再放送されており、権利問題がクリアできれば今回も放送される可能性が高そう」(テレビ誌ライター)
それでも、まだ封印が解けない回が3話ある。
「SMAP回と山田涼介が若き古畑を演じた『古畑中学生』です。旧ジャニーズタレントについてはそもそも肖像権的にNGになっていましたが、とりわけ前者は、今やSMAPメンバーが3つの事務所に分かれてしまっているため、よけいに困難になっています」(前出・テレビ誌ライター)
そして難航不落とされているのが、風間杜夫犯人回だ。
「本編にて、著作権管理に厳しいことで知られる長谷川町子作の『サザエさん』の映像が使われているのがネックとなっているようです。実は、日本で初めてキャラクターの著作権を争ったのが1971年の『サザエさんバス事件』で、立川バスが観光バスの車体にサザエ・カツオ・ワカメを描き『サザエさん観光』として運行していたのに対する裁判でした。結果、長谷川氏の訴えが認められ、立川バスが1824万円を賠償する判決が出ています。それならば、ドラマではカットして再放送すればいいのではと思われるかもしれませんが、『サザエさん』が流れているのは、まさに事件解明につながる重要なシーンであるため、それも難しいのです」(前出・テレビ誌ライター)
傑作ぞろいの『古畑任三郎』。今の若い世代が全てのエピソードを見られる日は来るだろうか。