モラハラ夫が妻を洗脳するまでの「4ステップ」。途中で気づけるかどうかが、モラハラ地獄に陥らないための分岐点に!
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夫婦問題・モラハラカウンセラーの麻野祐香です。自分を大切にしてくれ、本当に優しい人だから結婚をしても幸せになれると信じていたのに、結婚した途端に優しい姿が全て嘘だったとわかり苦しんでいる女性がたくさんいます。
モラハラだとわかっていても、経済的理由や子どもの養育の問題、夫がモラハラが治り優しくなってくれるかもしれないという期待から離婚を決断できない方がいます。モラハラ夫が「お前なんか離婚だ」と言うので離婚を決意しても、実際に離婚の手続きを進めようとすると拒否をされ調停や裁判にまで発展をする。モラハラの闇はとても深いものです。そんなモラハラについて長年に渡りカウンセリングを続けてきた私なりの対策をお伝えしています。
モラハラ男性が女性を洗脳するまでのプロセスをご存じでしょうか。いきなりモラハラをふるうのではなく、「三段階」のステージで時間と手間をかけて徐々に洗脳してきます。
今回ご紹介するMさんも、この「三段階」をふんで洗脳されていきました。
在宅で自分の仕事を持っていても、モラハラ夫との離婚を考えられないMさんのお話の【後編】を書かせていただきます。
▶この記事の【前編】はこちら▶『 【モラハラのターゲット】になる人の共通点とは? 気づかないうちに「洗脳までの3ステージ」をふまされてしまう!』( https://otonasalone.jp/?p=414108&preview=true )
モラハラ夫が妻を洗脳するまでの4ステップ
1. 魅力的なアプローチ
最初は信じられないくらい魅力的:出会った時のモラハラ夫は驚くような優しさを見せ、女性を女王様のように特別扱いします。
理想の男性のフリをする:自分を理想的なパートナーのように見せ、夢中にさせます。
2. 同情させる
可哀想な人を演じる:辛い家庭環境、人間関係などを話し、自分が守ってあげないといけない、と女性が母性本能で守ってあげたいと思わせます。
一緒の時間を増やす:いつも一緒にいることでこの人がいるのが当たり前と思わせ、女性が離れにくくなるようにします。
3. 批判と侮辱のスタート
些細な批判:少しずつ妻の行動や外見を批判し始めます。初めは軽い指摘ですが、その頻度が増え、言葉もキツくなります。
侮辱と非難:自尊心を削ぐような言葉で妻を侮辱するようになります。「役立たず」「生きる価値がない」などの言葉で精神的に攻撃します。
4.モラハラ全開期
友人や家族と距離を置かせる:妻を友人や家族から引き離します。
行動を制限:妻の自由を奪い、行動を制限します。外出時間や友人と連絡することも怒り、許可なく行動できないようにします。
自分が悪いと思わせる:自分を正当化させるために事実を否定し、妻のせいに全てします。「そんなこと言っていない」「君の記憶違いだよ」
自己肯定感をなくす:自分なんてどうせダメだ、自分が悪いから夫が怒ると思わせます。
激怒:無視、足音やドアの開け閉めの音で妻を恐怖に陥れる、意味のわからない罵声、説教
優しい時期:モラハラがなかったように優しくし、妻がもう優しい夫に戻ってくれたんだと安心し期待する。しかしまたモラハラ全開になり、妻の希望をことごとく壊し、精神的に不安定にさせて別れる勇気も奪うのです。
辛い時は人に話を聞いてもらいましょう
夫の態度があまりにも変わったので、Mさんは夫に理由を聞きました。すると「お前が全部わかっているだろう」「自分で考えろ」と言われるだけで、豹変した理由は何もわかりません。優しい人だったから結婚したのに、こんな状態になるなんて夢にも思っていなかったMさんでした。
友人に相談することもできず、不安と怯えからMさんは体調を崩してしまいました。めまいや過呼吸が頻繁に起こるようになったのです。
そんなとき偶然見つけた心療内科の看板を見て、勇気を出して受診することに決めたMさん。産まれて初めて受診する心療内科だったので、本当にこのクリニッックに行くべきかまだ悩んでいましたが、そこのクリニックは内装が可愛いピンクでとても安心できる場所だと感じたそうです。
『受付の女性も優しく、そこにいるだけで辛さが半分になるようなホッとできる場所でした。そして心療内科の先生は私の話を丁寧に聞いてくれ、夫の態度にどれだけ苦しんでいるかを理解してくれたのです。人に話して自分の状態を理解してもらうことで随分と心が軽くなりました。心が軽くなるお薬を処方していただき、認知行動療法を続けていくことになりました。』
人に話を聞いてもらうことで起きる心の変化
モラハラを受けていると、心が壊れてしまう方々がたくさんいます。体調も悪くなる場合は、クリニックを受診することも考えてみてください。クリニックの相性もありますが、話を聞いてもらうことで心が楽になり、対処療法のお薬で体調は改善する場合もあります。以下が、人に話を聞いてもらうことで起きる心の変化です。
辛い気持ちを言葉にして話すことで、心の中に抱えていた苦しみやストレスが軽減され、心が少し軽くなります。
話を聞いてもらい、さらに共感してもらうことで自分の気持ちを理解してくれているという安心感を得られます。
相手が自分の感情や状況を理解し共感してくれる事で、安心感を感じることができます。
信頼できる人に話を聞いてもらうことで、自分を支えてくれる存在がいると思い心が強くなり、辛い状況を乗り越えられるという勇気が湧いてきます。
自分の思いや経験を言葉にすることで、問題の本質が見えてきて解決策や次のステップが見つけやすくなります。
人に話すことで、心がリラックスし、不安や緊張が和らぎます。
別れるのも別れないのも、本人の自由です
Mさんは夫が帰宅した時、体調が悪く心療内科に行ったことを伝えました。夫は「俺の話をしていないよな」とMさんの体調ではなく、自分のことを悪く言われていないか、その心配しかしていなかったそうです。でもその日から数日間はMさんの体調を気遣い、以前と同じ優しい夫に戻ってくれました。
『医師から「あなたの夫はモラハラです。治る可能性は低いので自分を守る為には離れることをお勧めします」と言われていました。でもあんなに優しかった夫の行動が、全て嘘だったと思えないのです。いつかまた優しい夫に戻ってくれる日が来る、その思いを捨てることができません。夫と離婚することは私の選択肢にはありません。夫が無視をしようと罵声を浴びせようと、心の中は優しい夫のままだと信じています。』
モラハラ夫に苦しんでいても、離婚を選択しない理由は経済的理由、子どものことが多いのですが、夫が昔の優しい人に戻ってくれると信じている方もいるのです。どんなに辛い時があっても、以前の優しかった時が本当の夫で、モラハラ時期の夫が別人だと信じているのです。
離婚を選択するのも結婚を継続するのもご本人の自由です。ただ心が壊れないように、相談先や話し相手は必要です。1人で考え込まずに人に相談できる状態にしておきましょう。