7年に一度咲く“死体花”が開花 独特な臭いを嗅ぐために人々が集まる(米)
米カリフォルニア州サンフランシスコのゴールデン・ゲート・パーク内にある博物館「カリフォルニア科学アカデミー(California Academy of Sciences)」は先月27日、X(Twitter)でショクダイオオコンニャク(別名:スマトラオオコンニャク、または死体花)と呼ばれるサトイモ科・コンニャク属の植物の花が開花し始めたことを報告した。
“ミラージュ(Mirage)”と名付けられたこの花は、2017年に同じくゴールデン・ゲート・パーク内にある植物園「Conservatory of Flowers」からギフトとして、カリフォルニア科学アカデミーへ贈られたものだった。当時、ミラージュは栽培して1~2年とみられており、カリフォルニア科学アカデミーで開花するのは、受け取ってから初めてのことだった。
この植物は、花が咲くと腐った肉のような臭いがすることから“死体花”とも呼ばれている。強烈な臭いを放つ理由は、受粉のために必要とする虫を引き寄せるためだという。生物学者として同博物館に勤めるティム・ウォンさん(Tim Wong)は、「臭いの受け取り方は人によって様々で、ニンニクや汗くさい足の臭いと表現する人もいます。私は仮設トイレのような臭いがするなと思いましたね」と話す。
今回注目を集めたのは、そのユニークな臭いの特徴だけではない。ショクダイオオコンニャクの花は一般的に7~10年に一度、花を咲かせると言い、開花は数日しか続かない。花を咲かせるには膨大なエネルギーを必要とするため、次の開花は最短で2~3年、あるいは10年ほどかかるケースもあるという。国立植物園である「米国植物園(United States Botanic Garden)」は、野生の死体花は世界で1000株未満しか存在していないと推定しており、非常に珍しい植物である。
また原産地はインドネシア・スマトラ島の熱帯雨林で、北米では夏の時期に開花するのが一般的だ。しかし今回、ミラージュは2月という真冬に花を咲かせ、そのイレギュラーな開花時期にも専門家から注目が集まっている。
そんな珍しい花が一般公開され、館内のガラスドームに囲まれた熱帯雨林の展示コーナーには、一目見ようと大勢の人が集まった。現地で撮影された動画には、他の植物に囲まれる中、褐色の花びらを広げる美しいミラージュの姿が確認できる。ミラージュの高さは約7フィート(約2.1メートル)あり、実際にその臭いを近くで嗅ぐこともできたため、人々は興味津々で臭いを確かめていた。
なおテックインサイト編集部ではカリフォルニア科学アカデミーに、ショクダイオオコンニャクの開花によって通常期と比べて来園者数はどの程度増えたのか、また2月という真冬に花を咲かせた理由についてなどをうかがうべく取材を申し入れている。
画像は『California Academy of Sciences X「It’s happening!」』『People.com 「Hundreds Line Up in San Francisco to See 7-Foot Tall Corpse Flower That Smells ‘Like a Porta Potty’」(AP PHOTO/JEFF CHIU)』『The Sun 「MONEY GROWS ON TREES I bought a B&Q plant for just £12 - its leaves are worth £170 EACH after we realised it was actually a rare shrub」(Credit: Harry Langstaff)』『Brights Zoo Facebook「Name the baby giraffe」』『New York Post 「Shark at Chicago zoo gives birth — without ever having contact with a male」(Jim Schulz / CZS-Brookfield Zoo)』『NoCo Kitties Facebook「Everyone is talking about me.」』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)