台風が多い沖縄 旅行中に直面したら、現地の友人が… 「そんなこと知らなかった!」
『台風銀座』とも呼ばれる沖縄。特に毎年8~10月の時期は、多くの大型台風が襲来し甚大な被害をもたらします。
観光地も賑わいを取り戻した昨今、久々の沖縄旅行中に台風が来てしまったらどうしたらよいのでしょうか。
沖縄特有の台風の実情や対策、台風で海水浴ができなくなった場合の過ごし方について、現地の友人に聞いてみました。
沖縄旅行中に台風が直撃!
2023年7月末から8月頭にかけて、沖縄に3泊の予定で滞在していた筆者。
沖縄県民の友人の結婚式に参加するため、その数日前から前乗りして3年半ぶりの旅行を楽しんでいました。
そんな中、台風6号、通称『迷走台風』が直撃。航空便の欠航により二度延泊の手続きを行い、結果的に11連泊することになってしまいました…。
延泊の手続きで那覇空港できた長蛇の列。
沖縄の台風はすさまじいものという知識はあり、現地で予報を見て「もしかしたら直撃するかもしれない…」と薄々感じていた筆者。
とはいえ、大切な友人の結婚式を控えているので、なかなか帰るという選択肢をとることはできない状況でした。
そんな中、嫌な顔せず延泊を快諾してくれたホテルスタッフには、感謝してもしきれません。
ちなみに、下の写真は延泊手続きのためにホテルから空港へレンタカーで向かう様子。雨が強すぎて、かなり視界が悪い状況でした。
沖縄県民も驚く大型の台風
沖縄県に長く住む友人に『沖縄の台風事情』を聞いてみたところ、今回の台風は地元の人も初めて経験するほどのレベルで大変驚いたそうです。
友人いわく、「長年沖縄に住んでいるけれど、今回のようにきれいにUターンする台風は初めて。例年だと、欠航、停電、スーパーの臨時休業など台風の影響は、あっても数日。1週間以上と長期化することはまずなかったのに…」とのこと。
台風直撃の翌日には、太い幹の木々でさえなぎ倒され、アスファルトが茶色くなるほど土砂で覆われていました。
沖縄県が実践する台風対策とは?
このように、沖縄には本州とは比べ物にならないほど強力な台風が訪れます。そのため、家にこもること以外にも『沖縄ならではの台風対策』が存在します。
例えば、『建物の窓の外側にネットを装備』する方法があるそうです。友人によると…。
ネットは看板などが飛んできた時に、窓に直撃するのを防ぐための方法。台風襲来時に窓に穴が開くと、その穴にものすごい勢いの風が一気に吹き込んでしまいます。
そのため、部屋の中がぐちゃぐちゃになり、絶望的な状況になってしまうのを防ぐ必要があります。
また、植木をネットで覆うという対策もあるそうです。友人は理由をこのように話してくれました。
目的は植木が飛んでいかないようにする予防と、植木自体が枯れないための予防。ネットをかけないと葉や枝が折れて飛ばされ、「冬かな?」と季節を錯覚するほど悲しい状態になります。
そして、折れた部分から台風が巻き込んだ海水が入り込み、枯れてしまうのです。
台風直撃前には食料の確保も大切
また、沖縄は島国のため、食料などの輸送は航空便や船便がメイン。台風により輸送手段が閉ざされてしまう可能性があるので、事前に食材を買い込むことも必須です。
実際、台風直撃前日には航空便も船便も欠航になり、コンビニエンスストアやスーパーマーケットの棚はガラガラに。
特に、ごはん、パンなどの炭水化物や、飲みものやレトルト食品、冷凍食品といった備蓄できる食材は真っ先に売り切れになっていました。
筆者も欠航が決まった段階で、ホテルスタッフのアドバイスを受け、近くのスーパーに駆け込みましたが、すでに地元の人と帰れなくなった観光客がなだれ込み、レジには長蛇の列ができていました。
もちろん台風が来ると分かった段階で帰る決断をするのが、もっとも安全で正しい判断であることは大前提です。
とはいえ、さまざまな事情により現地で台風の直撃に遭うこともあるでしょう。
無事台風が過ぎ去り、沖縄から飛行機で帰宅する様子
例え海水浴ができなくても、沖縄県国頭郡にある『沖縄美ら海水族館』や南国フルーツが食べられる施設、日本人観光客も利用できる免税店など、沖縄には楽しめるところがいっぱいあります。
もし旅行中に台風が直撃してしまったら、過ぎ去るまではホテルなどで身の安全を守ることを優先してくださいね。
[文/キジカク・構成/grape編集部]