玄関先に荷物を置いたAmazon配達員、潜んでいた毒ヘビに噛まれ重体(米)

被害に遭ったのは21歳のAmazon配達員で、今月18日に米フロリダ州マーティン郡パーム・シティにある民家を配達のために訪れた。玄関先に荷物を届けるため、車から降りて玄関ドアの前まで行き、荷物を置いた。しかしその瞬間、潜んでいた体長4.5~5フィート(約1.4~1.5メートル)のヘビが現れ、その存在に気付いていなかった配達員の膝上の後ろ側に噛みついたのだ。

配達員に噛みついたヘビは、「ヒガシダイヤガラガラヘビ(Eastern Diamondback Rattlesnake)」という種類であることが特定された。スミソニアン国立動物園によると、ヒガシダイヤガラガラヘビは北米でもっとも重く長いヘビで、体長は3~6フィート(約0.9~1.8メートル)、成体になると8フィート(約2.4メートル)に達する個体もいるという。

体長の3分の2の距離を攻撃することができ、獲物に噛みつくと大量の毒を放出する。噛みついた後は一度獲物を手放し、獲物は這うようにして逃げながら死に、ヘビは獲物が死んだのを確認してから食べる。ヒガシダイヤガラガラヘビは北米で最も危険な毒ヘビと言われており、毒は激しい痛みを伴うが、人間が死亡するケースは稀であるという。

今回の事故を調査したマーティン郡保安官事務所のチーフ保安官であるジョン・バデンシークさん(John Budensiek)によると、ガラガラヘビは基本的に人間との接触を避ける傾向があり、万が一遭遇してもすぐには攻撃せず威嚇するため、人間が意図的に刺激するようなことがなければ襲ってくることはないという。今回の場合、配達員はガラガラヘビの存在や威嚇体勢に気付かず、すぐにガラガラヘビから距離を取ることができなかったので攻撃されてしまったのかもしれない。

ガラガラヘビに噛まれた配達員は、すぐに体調が悪くなり、緊急電話番号「911」に連絡した。オペレーターは携帯電話のGPS機能で配達員の居場所を特定し、救急隊員が駆けつけて配達員を病院へ運んだ。すぐに治療が行われたものの、配達員は現在も重体だという。

その後、保安官事務所の保安官らが事故当時の状況を確認するために現場を訪れると、玄関のそばに配達員を襲ったガラガラヘビを見つけた。同地域には子どもがいる家庭や、小型犬を飼っている家庭がいたため、保安官らは安全性を考慮し、ガラガラヘビを捕獲して安楽死させた。

Amazonは、今回の件について「配達員が完全に回復することを、心から祈っています。また配達員が危険を感じた際には、無理に配達を行わないように徹底していきます」とコメントしている。

テックインサイト編集部では、マーティン郡保安官事務所にヘビを発見してから安楽死させるまでにどのような行動をとったのか、また周辺住民の安全を確保するために取られた手順について話をうかがうべく取材を申し入れている。

ちなみに2021年12月には、豹変したピットブルに女性が襲われている光景を目にしたAmazonドライバーが助けに入り、その勇敢な行動に称賛の声が集まっていた。

画像は『New York Post 2023年9月19日付「Amazon driver in ‘serious condition’ after ‘highly venomous’ rattlesnake bite」(Christopher Sadowski)(Martin County Sheriff’s Office)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 iruy)

2023/9/24 13:36

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