岡田阪神、18年ぶり“アレ”に湧く!勝利の秘密と「猛虎復活激闘秘話」
18年ぶりとなる“アレ”を、本拠地で巨人を破っての胴上げという最高の形で成し遂げた岡田阪神。
昨秋の就任から1年足らず。大幅な戦力補強もない状況での“独走V”には、どんな秘密があったのか。
今回は、球界最年長にして、早くも“令和の名将”の呼び声も高い岡田彰布監督(65)の“強さ”と“うまさ”を、ひもときたい。
「采配以前に、一番の大きな転換点は、阪神球団が岡田さんを監督に就かせたこと。去年の今時分までは平田勝男2軍監督(現・ヘッドコーチ)の内部昇格が規定路線。そこに親会社の阪急阪神ホールディングスが“不文律”を破って横槍を入れたことで、風向きがガラッと変わった」(在阪スポーツ紙阪神担当記者)
ここでの“不文律”とは、2006年の統合時に交わされたとされる“球団経営に阪急側は口出しをしない”なる取り決めのこと。
グループのCEOを務める角和夫会長が早稲田閥であることも手伝い、早大出身である岡田新監督の就任は、半ば“鶴の一声”で決まったという。
「この流れを受けて、昨年末には、初の阪急出身者である杉山健博氏がオーナー職にも就いている。ドラフト会議の指名リストも、岡田さんの意向を受けて“全取っ替え”になったと聞きますから、彼が動きやすい環境を、阪急サイドが万事、整えたんです」(前同)
もし仮に“平田新監督”となっていたら、優勝を成しえていたかは疑問が残る。
「2軍と1軍とでは、監督に求められる資質もまったくの別物。長く2軍で選手を見ていて、選手をよく理解していると言われていたソフトバンク・藤本博史監督の苦戦ぶりを見ても明らかです」(同)
OBの藪恵壹氏も、就任後すぐに際立った“仕掛け”のうまさを、こう語る。
「巨人の単独指名は胸クソが悪いと、浅野翔吾に競合を挑んだ“先制パンチ”からして、岡田さんらしい。むろん、右の外野手として補強ポイントに適う森下翔太(23)という“プランB”も準備したうえでの仕掛けですから、用意周到です」
■周囲をザワつかせた采配
その森下の指名にも、岡田監督の深謀遠慮が見える。
「したたかな岡田さんのことだから、森下が原(辰徳)監督の後輩に当たる東海大相模の出身、というところも織り込み済みだったのではないでしょうか」(前同)
一方、その岡田監督が就任早々に打ち出した改革が、正遊撃手である中野拓夢(27)の二塁手転向と、打線の核たる大山悠輔(28)&佐藤輝明(24)のポジション固定だった。とりわけ、現役の侍戦士・中野の転向は、一部では「いい遊撃手が獲得できるならトレードもやむなし」とも報じられるなど、周囲をザワつかせた。
それら“改革”の効果を、阪神OBでもある野口寿浩氏は、こう分析する。
「失策数自体は依然、多いですが、致命的なエラーは目に見えて減っています。送球に難のあった中野の二塁手転向は、そういう意味でも大成功。一塁手の大山は、かねてから守備には定評がありましたし、空いた遊撃手を木浪聖也(29)と小幡竜平(22)に競わせたことで緊張感を生むこともできた」
野口氏が指摘するように今季も失策数はリーグワーストながら、併殺数は同トップへと浮上するなど、全体としては改善傾向。
加えて、遊撃手で台頭した木浪の“打撃開眼”が、喫緊の課題だった得点力の大幅アップにもつながった。
9月25日発売の『週刊大衆』10月9日号では、阪神が18年ぶりに“アレ”を達成できた理由を大解剖している。