【競輪場グルメ】レトロ感満載の『たちかわ競輪』で食べたい絶品「勝負めし」とは?

 安くて旨い勝負めしをご紹介するこの企画、これまで全国のボートレース場8ヶ所を紹介してきました。そして今回は、初めて競輪場にフィールドを変え、競輪場の勝負めしを調査! 2000(平成12)年に開催されたシドニーオリンピックで、日本発祥の「ケイリン」が種目に加えられ、以降自転車競技はさまざまな種目を増やしています。

 競輪場の初の勝負めしは、東京都立川市にある『たちかわ競輪』です。競輪場は全国に43ヶ所あって、それぞれバンクの角度や距離が異なり、個性豊かなさまざまなレース場があります。ここ『たちかわ競輪』は、最大バンク角度は31度で、1周400m、見なし直線は58mのレース場。長い直線は、最後の最後での逆転劇もあり、ラストまで目が離せない熱い展開が期待できるレース場です。

 現在『たちかわ競輪』では随所で工事が進められ、12月の完成を目指し施設をリニューアルしています。中に入ってみると、意外にもキレイで、デートにも使えそうな雰囲気なんです。ビビットでカラフルな色合いで、思っていたイメージと違う。レトロで昭和の雰囲気たっぷりの売店が評判と聞いていたので、おしゃれな施設に驚きました。

場内唯一の飲食店! 競輪ファンが愛する『フランコ』

『たちかわ競輪』の飲食店は、1階の売店とメインスタンド3階の売店の2ヶ所で、どちらもピザ&串揚げ『フランコ』のお店です。以前は他にもレストランや売店がありましたが、現在は休止中。今は『フランコ』1軒となった売店ですが、同店の実力がスゴイんです。『たちかわ競輪』を支える『フランコ』の勝負めしは、30種類以上のメニューが揃い、すべて手作りで食べ応え十分な売店です。

コスパも味も最高!焼きたて本格ピザ「ミックスピザ」

 生地から作るオリジナルのピザは、1枚14インチはあろうかのビッグサイズで、ベーコンやナス、ピーマンが乗った「ミックスピザ」です。チーズがたっぷりで、店主曰く「ほぼ原価!」だという、コスパ最高の名物ピザなんです。

 まずは名物のピザをチェック、これは本当におすすめの一品です。生地よりもチーズの方が断然厚く、チーズそのものの美味しさを存分に味わえます。レース場以外にも、立川駅前に実店舗の『フランコ』があり、店主の息子さんが経営しているとのこと。こちらでも名物のピザが味わえます。

 『フランコ』の創業は、50年以上と歴史は古く1977年(昭和52年)まで在日米軍の空軍基地でもあった、立川飛行場の米兵に向けて、アメリカンなピザを販売していたのが始まりです。

揚げ物からもつ、定食までなんでも揃う豊富なメニュー

 もともとはピザ屋さんの『フランコ』ですが、他にもたくさんの料理がずらり。店頭には、ホルモン串やフライ、おにぎりにいなりが並び、奥の食堂ではラーメンにカレー、ガッツリ系の定食までと豊富なメニューが揃います。しかもコロッケ、細巻き寿司、フライドポテトは100円と、リーズナブル。これはうれしい限りです!

 次に紹介するのは、「ホルモン串」。牛肉の肺のフワ、豚肉の大腸のシロの2種類があり、それぞれ、クロ、シロと呼ばれています。厨房の大きな鍋には、2つのホルモンがグツグツ。生姜やニンニクなどと一緒におよそ4時間煮込んで、とろけるようなやわらかな食感に仕上げます。

 食べてみるとやわらかな食感に驚きます。醤油ベースの味付けで、余分な油が落ちてあっさりとした味わいです。おすすめの食べ方は、七味(店ではなないろと呼ぶ)をたっぷりかけて、ピリ辛でいただくのがフランコスタイル。どちらも肉が大きくて、食べ応えたっぷりです。

自家製の揚げたてのフライが人気

 この日、飛ぶように売れていたのは、全品180円の串揚げです。厨房で衣をつけて、カラッと揚げて熱々を提供しています。いちばん人気はアジフライで、ふっくらとした白身がたまらない美味しさです。他にも串カツ、イカフライ、ハムカツなど6種類。串揚げに相性ピッタリのアルコールも豊富で、ビール、各種チューハイ、日本酒にホッピーまで揃います。

 店前には、テーブルと椅子の広いイートインスペースがあり、ゆっくりと食事ができます。値段はとってもリーズナブルで、気になるものを全て購入しても、1000円もあればお腹いっぱいに。屋台で焼かれる焼きそばも大人気です。

年に2~3度開催されるグルメフェスで美味しいグルメを満喫!

 通常は、現在『フランコ』のみの営業ですが、年に2~3回さまざまなキッチンカーが出店するグルメフェスを開催しています。今回は『たちかわ競輪』の生誕祭というべく「鳳凰賞典レース」に参加。この日は4つのキッチンカーが集い、賑わっていました。

 この日は、千葉県柏に実店舗を持つ、20種類のスパイスを使った本格カレーの『カリー屋リリー』、豪快に焼き上げたケバブがガッツリ入った『Jest Kebab』、大阪の味そのもののたこ焼きの『きいろい車のたこ焼き』などのお店がずらり。ちょっとしたお祭り気分で食べ歩きができるので、気分も盛り上がります。

 他にも、かき氷や焼きそばのキッチンカー『ケーティフードトラック』も参加。まだまだ熱いこの季節、屋外で食べるかき氷は最高です。『たちかわ競輪』は、競輪の最高峰レースの「KEIRINグランプリ」発祥の地のレース場。開催場所は毎年異なりますが、『たちかわ競輪』または『平塚競輪』、『静岡競輪』で行われることが多く、優勝賞金1億円以上のビッグレースです。今年は12月30日に、『たちかわ競輪』で開催が決定。今年の総決算レースには、グルメフェスも開催される予定です。

まとめ

 改装中の『たちかわ競輪』は、今後さらにキレイになる予定で、おしゃれな施設の中、快適に過ごせそう。それに対して、昭和の色香が残る1軒のみの飲食店『フランコ』はレトロ感たっぷりで、お店の人とのやりとりも楽しい、人情売店です。施設がキレイになっても、この雰囲気だけは、後世に残してほしいと思わせる素敵な売店でした。料理も全て手作りで、とっても美味しいので、料理だけでも食べに来る価値あり! 近くに来たら、ぜひ寄ってみてください。

●SHOP INFO

店名:たちかわ競輪

住:東京都立川市曙町3-32-5

TEL:042-524-1121

営:レース開催日 ※スケジュールはH Pにて確認してください

休:レース開催以外休業

https://www.tachikawakeirin.jp

●著者プロフィール

矢巻美穂(やまき・みほ)

国内外の旅行雑誌を中心に活動するカメラマンで、撮影から執筆・編集作業まで行う。単著としてネパール、台湾、ウズベキスタン、韓国、ウラジオストクなどのフォトガイドブックを執筆。近著は『東京で台湾さんぽ』(イカロス出版)。また、YouTubeで「旅ちゃんねる MinMin Tour」をオープン。これまで取材に行って、本当に美味しかった店や行ってよかった人気スポットを紹介。

2023/9/23 10:50

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