長女の教育費に2500万円以上かけたものの、大学受験に失敗…父が漏らした「本音」
「かわいい我が子を少しでもいい大学に」そんな思いから、塾代や学費などを惜しげもなく払う親が増えている。しかし、「課金型教育」とも呼ばれる状況は、成果が出るどころか、むしろ「カネを使うほど成績が上がらない」という悲しい現実も生んでいる。こうした親たちのリアルな教育事情を特集。教育費から、そのコスパを解き明かしていく!
◆長女に注ぎこんだ教育費は2500万円以上
「40歳のときに生まれた待望の女の子だったので、本人が望むことは全部やらせてきました。当時はこんなにかけているとは思わなかったです」
現在、大学3年になる長女に注ぎこんだ2500万円以上の教育費を振り返るのは、名古屋で営業職に就く佐々木寿和さん(仮名・61歳)だ。
「絶対に高学歴にしたかったわけではありませんが、勉強を頑張ってそれなりのレベルの友人をつくってほしいとは思っていました。なので、小学校に上がる前は1年だけ私立幼稚園に通わせたり、小中学校は公立に通いながら学習塾に加えてピアノ、ギターを習わせていましたね」
◆大学受験で大きな転機が…
そのような親の努力もあり、高校は県内でも“お嬢様学校”として知られる私立女子校に合格したという。
「学費以外に出費はかさみましたが、成績はトップクラス。大学は本人の希望で東京と関西の有名私大だけを狙って受験させましたが、全滅でした」
◆浪人時代は母と2人で埼玉県へ
浪人の予備校選びは、「環境を変えたい」という娘からの要望を受けて、母と2人で埼玉県に引っ越した。
「これ以上の負担はかけたくなかったようで、関東の国立大も視野に入れて勉強の科目数を増やしたんです。逆にそのプレッシャーで自分を追い詰めてしまい、国立大と難関私大は不合格。今はすべり止めで受けた親戚が住む広島県の私立大に通っています」
◆2浪は避けたが後悔も…
2浪は避けたが、「これまでの教育費と学歴が少し見合っていないですね」と本音も。
「今思えば無計画にやらせすぎてしまい、娘にお金の話を一切してこなかったのが失敗でした。高校や浪人時代を見直して切り詰めたら、1500万円でも収まりそう……。
とはいえ親としては娘が充実した大学生活を送ってくれていることが嬉しいですよ」
◆佐々木さんの教育課金履歴(長女のケース)
<家族構成>
夫/佐々木寿和さん(仮名・61歳)
妻
長男(社会人)
次男(社会人)
長女(私立大学生)
<幼稚園(私立)>
塾・習い事代 180,000円
教材費 180,000円
私立幼稚園代 1,050,000円
<小学生(公立)>
塾・習い事代 1,440,000円
教材費用や用具代 1,060,000円
勉強環境の整備代 100,000円
<中学生(公立)>
入学金と3年間の学費 360,000円
塾・習い事代 1,440,000円
教材費用や用具代 180,000円
<高校生(私立)>
受験料 15,000円
入学金と3年間の学費 1,805,000円
塾・習い事代 1,800,000円
教材費用や用具代 700,000円
長期休暇中の研修費 600,000円
<浪人>
引っ越し費用 500,000円
予備校費用 1,200,000円
家賃・仕送り 1,680,000円
<大学生(私立)>
受験料と旅費・宿泊費 600,000円
入学金とこれまでの学費 4,290,000円
家賃・仕送り 3,960,000円
教材費用や用具代 360,000円
その他(留学費など) 1,890,000円
累計課金 2539万円
取材・文/週刊SPA!編集部
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