野沢雅子×古川登志夫「悟飯はお父さんの悟空よりもピッコロさんが大事」「実はピッコロが悟飯を好きでしょうがない」『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』敵役キャストに「手加減しろ」と言った過去も!?
原作・脚本・キャラクターデザイン鳥山明先生渾身の新作映画『ドラゴンボール超(スーパー) スーパーヒーロー』(2022年6月11日公開)より、野沢雅子さんと古川登志夫さんのインタビューをお届けします。
常に高みを目指し進化し続けてきた 「DRAGON BALL」が新たに映画『ドラゴンボール超(スーパー) スーパーヒーロー』として2022年6月11日(土)に公開!
孫悟飯とピッコロにスポットが当てられた今作。最新の技術を駆使し、原作者・鳥山明先生が感動したと語っている最高密度の映像クオリティで展開される“超バトル”や、ピッコロが眠っていた力を発現させた新形態<ピッコロ(潜在能力解放)>も見どころです!
TVアニメシリーズから30年以上に渡り、主人公・孫悟空と共に息子の孫悟飯、孫悟天を演じている野沢雅子さんと、悟飯の師とも言えるピッコロを演じる古川登志夫さんのレジェンド声優にインタビュー!
悟飯とピッコロの関係性やアフレコについてお話を伺いました。
「悟飯は命よりも大切な人がピッコロさん」
――(インタビュー時点で)まだ予告編しか見れていないので、今作がどのような作品になっているか、台本を読んだときの印象をお聞かせください。
野沢:「今回こうなんだ!いいな!」ってなりました。ちょっとでも喋っちゃうとネタバレになっちゃうので(笑)。お客さんに観て驚いていただきたいから、もう1カットも喋っちゃダメですよね。
――ええ!そうなんですか。厳しいっ(笑)!
野沢:絶対そうですよ! これから観る人がいるので1カットも喋っちゃダメです(笑)。うふふ(笑)。
古川:何も質問できなくなっちゃう(笑)。
――でも、今回は悟空ではなく、悟飯がメインと聞いたときのお気持ちは?
野沢:悟飯がメインと聞いたときに、私は「あ!ピッコロさんとの話だ!」と思いました。悟飯はもう、お父さんの悟空よりはピッコロさんですからね。悟空は1人でもなんとかやっていけるだろうって(笑)。ピッコロさんは1人でやっていけないということじゃなくて、「ピッコロさんと一緒に」「ピッコロさんのためなら」という悟飯の想いですね。
――悟飯的には、お父さんよりもやはりピッコロさんなんですね?
野沢:そう。ピッコロさんなんですよ~。悟飯くんはね(笑)。もうお父さん以上ですから。
――普通のいわゆる師弟関係とは違う、“もう1人のお父さん”みたいなところがあるのでしょうか?
野沢:そうです。悟飯にとっては命の恩人でもあるし、お父さんでもあるし、命よりも大切な人がピッコロさんです。悟空もそれなりには大切なんですけど(笑)、お父さんは1人でも生きていけるだろう、というのが悟飯。
古川:あっけらかんとしているところが悟空の魅力ですからね。
野沢:ピッコロさんは常に側に居たい!というのが悟飯くんなんですよ。
――古川さんは台本を読んだときの印象は?
古川:常に最新作というのは最高の進化系なわけですよね。だから、台本を読んでもそう思いました。鳥山先生が全面的に関わっていらっしゃる脚本ですし、もう文句ナシにこれが一番最新作であり、最高クオリティーだと感じました。
――鳥山先生がセリフまで作り込まれたと仰っていますが、今までと少し違うなと感じた部分はありましたか?
古川:悪役ひとつ描くにしても、ちょっと立ち位置が違うかなと。すでに予告編で解禁になっていますが、ピッコロがビジュアルでも変容していきますし、そういうところも今までなかったことですよね。悟空はもちろんですけど、ベジータにしてもどんどん進化していくじゃないですか。でも、ピッコロはなかったんですよね。それで今回、初じゃないですか! そういう意味でも自分としては嬉しかったですね。
――満を持してここでピッコロなんだ!という少し意外性もありました!
古川:特に、悟飯とピッコロの師弟関係のエピソードは、『ドラゴンボール』全体のお話の中でも非常に大きなファクターでインパクトのある話ですので、それがフィーチャーされて、しかも子供のときから成長してまた変化している部分もあるし、やっとスポットが当たったな!と。(ピッコロは)ずっと家政婦のような感じでしたから(笑)。パンのお守りをしたり、料理のレシピまで教えたり(笑)。
野沢:本当にね、お守りですよね(笑)。
古川:「本当にZ戦士なのか、こいつは!?」と思うくらいで(笑)。だから『復活の「F」』のときにちょこっと戦ったときもすごく嬉しかったんですけど、今回はもう大変!というくらいで。しかも悟飯との共闘が見せ場でもありますし。
――ポスターのビジュアルも2人一緒にセンターですよね。
野沢:お互いがお互いの命のように大事なんでしょうね。
古川:今回、悟飯も学者然としているところから戦士らしくサイヤマンのときのようになりますからね。勉強家で真面目な学者然とした悟飯ではなくて、戦士として熟成してきていて、師であるピッコロと同等の力を得てくるというところもあります。
――野沢さんとしても悟飯で思い切り戦えるのは気持ちが良いですか?
野沢:気持ちいいです。小さいときから「偉い学者さんになりたい」というのが悟飯くんですが、ピッコロさんのためだったら、それは2番目になるんですよ。もう何が何でもピッコロさん。何かあったら、何をおいても、即駆けつける。例えば、自分の父親の悟空に何かあったと言われたとしても、「お父さんならなんとかできるだろう」とピッコロさんのほうに行きます。
――コロナ禍というご時世ですが、アフレコはご一緒にできたのでしょうか?
野沢・古川:はい。
古川:1年以上かけて飛び飛びでアフレコしたので、その度に画が進化していくんですよ。最初は線画だったのが、少し色がついたり。3D的な立体感など圧倒的ですね。だから、再度録り直したりもありました。
野沢:私は画があるとその中に入り込んじゃいますよね。
古川:マコさんは直感的なところがあって、何もなく、ワーッとやっちゃいますから、天才的です。僕は「このカットではこうやって言おう」「ここではグワーッと言おう」とか、書いておかないと出来ない。でも、それを見ている暇は実はないんです(笑)。だけど一応練習して。けれど、マコさんは瞬時に台本なしで平気なんです。すごい掛け声の名士でもありますし、夜中2時に起きてもかめはめ波が撃てるそうですから(笑)。
野沢:そうなんです。起きてすぐにかめはめ波が撃てます、って言ったらみんなに笑われました(笑)。
古川:プロ中のプロですよね。その後を追いかけていますけど、なかなか追いつけないです。
野沢:声が出ない、というのはないと思います(笑)。
古川:ないんですよ、これが。普通、そんなこと断言できる人いませんものね。
今回嬉しかったのは、マコさんと一日中、朝から晩までみたいな録り方で、2人だけでアフレコできたんです。コロナ禍なので、スタジオのマイクが4本くらいあるところを端と端でソーシャルディスタンスを取りつつ、一緒に収録しました。
さっきも取材でマコさんと2ショット写真を背中合わせで撮らせてもらったりして、「これ、この世界を目指した頃の若いときの自分に見せてやりたい、聞かせてやりたい」と思いましたね。それくらいの方ですから。何時間も2人だけで同じスタジオに居て仕事ができるというのは、本当に嬉しかったです。
もう自分を褒めてやりたいですね! 2ショットで写真を撮ったり、2人だけで掛け合いできたりするという状況自体を「お前、よく頑張ったじゃないか」という感じがしますよ(笑)。昔の自分だと、夢のまた夢ですから。
野沢:ゲストキャラと絡むときは、一応構えるというか、どういう風にくるかわからないんですよね。古川さんとは、もうすべて自分では一体じゃないかと思うくらいに「絶対にこう来てくれる」というのが、なんとなく自分の中でわかっていて。だから入り込んでやっていけるんですけど、ゲストキャラの方は反応を伺うところがあるんです。「こうくるのかな?」と、いくつかパターンを自分の中で考えておいて受ける。それはテストのときに1回でわかるので、本番までには「どうくるかな?」と余分な気持ちはあってはいけないんです。そういうことがなくて、一体になって入り込めるのは楽でいいんですよ。
敵役キャストと会話をしない野沢雅子 古川登志夫に「手加減しろ」と威圧!?
――悟飯は久々に大活躍すると思いますが、演じる上で意識した部分はありますか?
野沢:私は改めて意識というのはしないんです。中に入っていくというのが私のやり方で。意識すると1つ薄い壁ができてしまうので、それを突き破ってというのはしたくないんですよ。もう常に前に。ピッコロさんと一緒に、という気持ちでした。
古川:マコさんの場合はある種の天才だから、僕らみたいな役作りと違いを感じますね。もっと超越している感じがします。キャラクターの前、マイクの前に立つ間に、スッとキャラクターができちゃうみたいなところがあるんですよ。それは、僕らみたいに一生懸命計算尽くしてやっても勝てない、何かプラスαのようなものを感じますね。
野沢:だけど、役に入り込んでしまって、敵役の人には「こいつ~!」なんて思うこともありますけど(笑)。収録現場では1回テストをして休憩に入るので、その時間に皆さんいろんなことをお話しするんです。でも私は敵役の人とは、ほとんど会話しないです。
古川:そこは徹底しているんですよ。だから、ピッコロに対しても最初はそういう感じで。悟飯の修業をつけるあたりからは全然変わって仲間みたいな感じになっていくわけですけど、それまではそんな感じでした。
――それは少し現場に居るのがドキドキしませんでした?
古川:しましたよ、少し怖い感じでした(笑)。
野沢:うふふ(笑)。
古川:ピッコロが悟飯を修業させ始めた頃でも、冗談でしょうけど、(初代ナレーションや界王役の)八奈見乗児さんとかと野沢さんがボソボソお二人でお話しをされていて。「古川、何お前、本気でフルパワーでやってるんだ。手加減しろ、相手は子供じゃねえか」とか言っているのが聞こえてくるんですよ(笑)。
野沢:そう!「子供なんだよ?」って(笑)。
古川:それで「僕は役柄でやらせていただいておりますので……」とジョークを受けて返したりして面白かったですね(笑)。
――野沢さんの今回の悟飯から、どのようなピッコロが引き出されたと思いますか?
古川:やっぱり悟飯が成長した姿を見せる。共闘するというところまでいって、実際の戦いが始まってみてピッコロが気づく部分もあって。そういう意味では、悟飯がピッコロを“ピッコロとして存在たらしめている”。悟飯が子供のときから常にそうです。実は悟飯がピッコロを慕っているというよりも、ピッコロが悟飯を好きでしょうがないんですよね、放っておけないんです。
――野沢さんは悟空ももちろん演じられているので、今作での悟空やベジータについても少しだけ教えてもらえますか? 今回はウイス様のところで一緒に2人で修業をしているんですよね。
野沢:そうなんです。でも、ベジータさんは修業しているかわからないですよね、わがままで(笑)。「もう今日は気が向かないから」なんて止めたりする気もします(笑)。みんながそれを認めて「もうしょうがない、ベジータさん」って、それが通っちゃう人ですから。
ベジータのことを「わがままだな!」と悟空は年中言っているし、私もそう思うんですよ。だけど、やっぱり仲間だから「しょうがないな」と思いながらも堀川さんにはいつも言うんですよ、「わがままだから~」って(笑)。
――また、前作『ドラゴンボール超 ブロリー』のときよりも、今作はたくさんのキャラクターが出ているなと思いました。
古川:敵も面白いキャラがいっぱい出てきますね。ガンマ1号・2号に関してはイケメンでカッコイイし。
――イケメンなんですね!?
古川:また声を当てている2人が人気声優さんですからね。※神谷浩史さんと宮野真守さん。
野沢:イイ声してるし(笑)!
古川:ガンマ1号・2号の演じ分けみたいな部分を2人で相談されたのかどうかわかりませんけど、ちゃんと分かれていて見事だなと思いました。話し合いをどのくらいしたんだろうな、と思うくらい演じ分けとキャラが立っているので。すごいキャスティングですよね。
僕はガンマ2号の宮野さんと2人で収録して。宮野さんはピッコロを呼ぶときに「ピッコロさん」と言うんです。“さん”を必ず付ける。理由を聞いたら、やっぱり子供の頃から見ていたキャラだから、なんとなく“さん”を付けちゃうと言っていました(笑)。
宮野さんはガンマ2号をあっけらかんとしたキャラクターに作っておられて、神谷さんのガンマ1号はどちらかというと理知的な感じ。それが面白かったですね。
――本当に楽しみです!ありがとうございました!
ガンマ1号・2号を演じた神谷浩史さん、宮野真守さんのインタビューも公開予定なのでお楽しみに!
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■作品紹介
全世界興行収入 135 億円のメガヒットを記録した『ドラゴンボール超 ブロリー』(2018)。
それから 4 年——。
「ドラゴンボール超」シリーズの最新映画がさらなる「覚醒」を遂げ登場する!
かつて、孫悟空により壊滅した悪の組織〈レッドリボン軍〉。
その意志を継いだ者たちが、新たに最強の人造人間・ガンマ 1 号、2 号を生みだした。
彼らは自らを「スーパーヒーロー」と名乗り、ピッコロ、悟飯らを襲い始め・・・
の目的とは?迫りくる危機を前に、今こそ目覚めよ!スーパーヒーロー!!
【作品概要】
■タイトル:『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』
■公開表記:6月11日(土)公開
(C)バード・スタジオ/集英社 (C)「2022 ドラゴンボール超」製作委員会
■スタッフ 原作・脚本・キャラクターデザイン:鳥山明
■監督:児玉徹郎
■作画監督:久保田誓 音楽:佐藤直紀 美術監督:須江信人 色彩設計:永井留美子 CG ディレクター:鄭載薫
■声の出演:野沢雅子 古川登志夫 久川綾 堀川りょう 田中真弓 草尾毅 皆口裕子 入野自由 神谷浩史 宮野真守
ボルケーノ太田 竹内良太
■DRAGON BALL オフィシャルサイト dragon-ball-official.com
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