スマホひとつで日光へ。環境配慮型・観光MaaS「NIKKO MaaS」はどれだけ便利?実際に体験してみた!
春の行楽シーズンの到来。感染症対策をしっかりとしたうえで、そろそろ、どこか大自然のなかで開放的な気分を味わいたい…と考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回、編集部がおススメしたいのは日本が誇る世界遺産のある「日光」。都心から近く見どころも満載で自然豊かなエリアというだけでなく、昨年発売された環境配慮型・観光MaaS「NIKKO MaaS(ニッコウマース)」の使い勝手が良いと評判なのです。
「NIKKO MaaS」は、東武鉄道株式会社(以下東武鉄道)、株式会社JTB、栃木県、JTBコミュニケーションデザイン、オリックス自動車株式会社(以下オリックス自動車)、株式会社トヨタレンタリース栃木(以下トヨタレンタリース)が参加し、昨年10月から開始したサービス。
「NIKKO MaaS WEBサイト」に登録し、WEB上で利用できるお得なフリーパスを購入することで、鉄道やバスが最大3~4割もお得に利用できるほか、歴史や文化施設の拝観・入場チケット、ネイチャーアクティビティなどの観光コンテンツ、さらには約50店におよぶ協賛店舗の特典券などを、ワンストップで検索・予約・決済・利用できちゃう優れモノなのです。
さらに、EV・PHVカーシェアリングやシェアサイクルなどの交通手段や、CO2排出量の少ない電車やEVバス(低公害バス)を利用することで、環境に配慮した旅ができるのも魅力のひとつ。
日光市内には多数のEV・PHV用充電器(一部再生エネルギーを利用)の整備がすすめられており、ラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)に登録されている奥日光(湯ノ湖、湯川、戦場ヶ原、小田代原)をはじめ、豊かな自然を有する日光地域ならではの“環境にやさしい観光地”としてのブランド強化と、周遊観光の振興による地域活性化を同時に実現する狙いもあります。
スマホひとつで日光へGO!
さて、実際にどれだけ使い勝手が良いのか? 編集部では「NIKKO MaaS」を利用して日光の自然を満喫する日帰り旅に出かけてみました。
まずはパソコンから「NIKKO MaaS WEBサイト」にアクセスし「NIKKO MaaS」に会員登録。あとはスマホで必要なコンテンツを購入するだけで、対象区間内の鉄道やバスをお得に利用できるほか、観光チケットなどが手に入ります。今回、編集部が利用するのは『デジタル日光世界遺産フリーパス』チケット。
利用期間は2日間で、主に「日光東照宮」をはじめとした最強パワースポット二社一寺巡りをしたい人におススメです。
まずは東武線に乗り「東武日光駅」に到着。フリーパスでのバス移動のほか、EV・PHVカーシェアリングやシェアサイクルなどの移動手段を選びます。今回は環境に優しいEV・PHVカーシェアリングを選択。「日光東照宮」を見学後にドライブがてら「いろは坂」を越え「華厳ノ滝」と「中禅寺湖」を目指します。
写真)こちらは東武日光駅の前に設置されている「シェアサイクル」。東照宮など日光周辺スポットを巡るのに便利。
ちなみに、EV・PHVカーシェアリング及びシェアサイクルの利用は別途会員登録と予約が必要です。また、カーシェアリングは「NIKKO MaaS」からの利用以外に、「オリックス自動車」および「トヨタレンタリース栃木」の各会員サービスからも利用可能です。
移動や観光の検索・予約・決済・利用までをスマホひとつでワンストップ利用できるのはノーストレス。駅を降りてからレンタカーの窓口を探して予約を確認する必要もありません。
写真)ロックの解除も施錠もスマホで!ナビ機能もついているので安心ですね。
駅を出発し「日光東照宮」を見学した後は、「西参道」付近で食事やお土産を購入するなどして日光を満喫。「NIKKO MaaS」に登録されている店では、嬉しい特典や割引などがあるので要チェックです。
大谷川に架かる朱塗りの橋「神橋」を後に、いよいよ奥日光方面へと向かいます。
第二いろは坂をのぼりきった所にある「明智平」で休憩。ロープウエイに乗ってめざす「明智平展望台」(標高1373m)は、男体山や中禅寺湖から流れ落ちる「華厳ノ滝」などの大パノラマが一望できる絶景スポットです。
第二いろは坂を制覇すると「華厳ノ滝」はすぐ目の前。今回は、「華厳ノ滝」と「日光自然博物館」に隣接する「県営華厳の滝第一駐車場」に駐車しました。こちらの駐車場にはシェアサイクルの駐輪場やEV急速充電スタンドがあり、このような駐輪場の位置も「NIKKO MaaS」の画面から検索することができます。
写真)「県営華厳の滝第一駐車場」にあるEV充電スタンド。
写真)滝が多い日光周辺で最も有名なのが「華厳ノ滝」。「中禅寺湖」の水が高さ97メートルの岸壁を一気に落下。
「華厳ノ滝」の雄大さに触れたあとは、奥日光の自然や歴史について学べる穴場スポット「日光自然博物館」を見学。展示の他に、ハイキングコースの案内や自然体験イベントの開催など体験活動の拠点としても充実しており、活動とあわせて利用することで、より深く楽しく自然を学ぶことができます。
写真)駐車場に隣接する「日光自然博物館」。
写真)もちろん「日光自然博物館」の電子チケットも「NIKKO MaaS」から購入できます。
写真)子ども達に人気の大迫力巨大昆虫模型。日光に生息する動植物についての展示は、夏休みの自由研究にぴったりかも?
写真)奥日光の歴史と自然が大スクリーンで見られる「色彩ホール」。
「日光自然博物館」を見学後、お茶をしたりお土産を購入したりしているうちに中禅寺湖に夕日が沈む時間となりました。
写真)中禅寺湖に沈む夕日。心が洗われる…しみじみとした美しさ!
帰りはレンタルした車を返却し、充電スタンドに繋ぐだけ、これで完了です。
どのくらい“お得”なの?
さて、気になるお値段ですが、例えば『デジタル日光世界遺産フリーパス』は、乗車駅~下今市駅までの東武鉄道往復乗車券および下今市駅~東武日光駅、新藤原駅(乗り放題)/東武バス日光、東武日光駅~二社一寺(乗り放題)がついて1枚【大人2,500円】【小児1,130円】となります。(2022年4月現在)
値段もさることながら、各施設やスポットで並んでチケットを購入したり、財布をいちいち用意したりする必要がなく、スマホひとつで観光地を巡るストレスフリーな旅が実現できるのも魅力。また、利用する飲食店や施設、アクティビティで特典チケットを有効活用できたのも旅の選択肢を広げてくれる一助となりました。
現在、「NIKKO MaaS」では、2日間有効な『デジタル日光世界遺産フリーパス』『デジタル鬼怒川温泉フリーパス』と、4日間有効な『デジタル中禅寺・奥日光フリーパス』『デジタル湯西川温泉フリーパス』の4種類を展開中。それぞれ魅力的な内容が展開されているので、ぜひ旅の参考にしてみては? 詳細は https://www.tobu-maas.jp/lp まで。
BRUTUS(ブルータス)
Fujisan.co.jpより