冬はやっぱりカニでしょう…!時価7万超えでも人気のカニ
これから旬を迎える冬の楽しみといえばカニ。種類が豊富で味わいもさまざま、実に奥深い食材だ。
その中でも幻のカニと呼ばれる黄金ガニが、今年も食通たちの舌を虜にする。
黄金ガニをいただける、都内屈指の弩級な名店とは?
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※コロナ禍の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。
東京一のカニを味わえる名店はここ!
全国の名産地から極上のカニだけを仕入れ、松葉ガニ、たらばガニ、毛ガニなどのメジャーなカニから希少な品種までを一手に扱う、カニの大家がある。
その逸品を、札幌の名店『活カニの花咲』から特別に伝授された技で捌いて調理し、美食家を喜ばせてるという。
カニの隅々までを最高の状態で供するのだから、もはや東京一のカニを味わえる店、といっても過言ではないだろう。
その店こそ、赤坂と銀座にある『きた福』。活カニだけを取り扱うカニ料理店だ。
1,000杯に1杯程度しか出会えない奇跡のカニ
『きた福』をもってしても、かなり入手困難なのが、ズワイガニと紅ズワイガニの交配で生まれる黄金ガニ。
本来、オスのズワイガニは水深約200〜400m、メスの紅ズワイガニは水深約500〜2,500mと生息する水深が異なる。
だが、ふたつの種がまれに掛け合わさることがあり、それにより偶発的に生まれる自然の奇跡ともいわれるカニだ。
誕生する確率は1,000杯に1杯程度だと聞けば、そのレアぶりは言わずもがな。
黄色みがかって艶やかな甲羅が、黄金ガニの特徴。重さは1~1.2kg程度でずっしり。水温が5℃以上になると失命するため、細心の注意を払っているという。
そんな黄金ガニを味わい尽くせる弩級名店の特徴を、3つ紹介したい。
【弩級の証 ①】希少カニを味わい尽くす、多彩な料理法
カニ好きならずとも、一度は体験したい黄金ガニ。
が、前述の通り極めて希少なカニだけに、漁期は9月〜5月と長いもののカニの旬である冬の時期でも入荷の保証ができないという、特殊な食材だ。
加えて「活黄金蟹コース」は時価!それでも「味わえる可能性があるのなら……!」と、予約を入れる人が後を絶たない。
その内容はといえば、季節の先付に始まり、ひとり1杯を、刺身、しゃぶしゃぶ、焼き、天ぷら、茹でに甲羅焼きと、多彩な料理法で黄金ガニのすべてを味わい尽くす内容。
写真の甲羅焼きは、殻から取り出した身を甲羅に詰め、カニ味噌とともにじっくりと焼く。もともと持っている塩味や甘み、旨みだけで味が完成。ワインを呼ぶ、極上の酒肴だ。
またしゃぶしゃぶであれば部位の肉質に合わせて加熱具合を変えて供するなど、1品ごとに専門店の知見が生きている。
殻を剥いた脚は、氷水にくぐらせることで筋肉がキュッと縮み、ご覧の通り、まるで花が咲いたかのように身が開く。
鮮度が良いからこその透明感ある味わいを、存分に。
超レアコースの、気になるお値段は・・・?
【弩級の証 ②】取材時の価格は7万6千円
その上、品格を感じる店内は3つの個室のみ。
1組ごとに、料理長の金田克繁さんが目の前で手際よくカニを捌いて、1品ずつ丁寧にサーヴしてくれるという、なんとも贅沢なスタイルだ。
『きた福』の、ほかのカニのコースと比べても格段に高価だが、黄金ガニの希少性を考えれば、これは必然。
ちなみに、取材時の価格は7万6,000円。だが、仕入れ値により変動するのであくまで参考程度に。
【弩級の証 ③】カニを食べたときに生じる“アノ悩み”と無縁
『きた福』では、直前まで生きていたカニを、金田さんがゲストの目の前で鮮やかに捌いていく。脚を切り落とされてもなお、付け根が動くほどに元気だ。
ちなみに自分で殻を剥いてカニを食べたときに、手指に「カニ独特の」においが付いて気になることはないだろうか。
金田さんによると「あのにおいは、実は鮮度が低下するとともに発生するアンモニア臭なんです」。
『きた福』では、捌いて身を出すプロセスはすべて金田さんが行ってくれるため、自分で殻を割るなどの必要は皆無だが、脚の刺し身や茹でガニを味わう際には、持ち手となる殻の部分に触れることになる。
だが、食べ終えた後の手指には、なるほどカニの痕跡はまったく感じられない。この事実こそが、専門店ならではの確かな仕入れと品質管理、そして高い技術の結晶だろう。
金田さんは「カニの力でこの金額をいただいています」と謙遜するが、職人の探求なくしてなし得ない次元である。
希少なカニを最高のコンディションで、しかも匠の包丁捌きで。
これに勝る、冬の贅沢があるだろうか。
優しい灯りがカニの世界へ誘う
6年以上にわたり料理長を務めている金田さん。
箱根の名旅館『強羅花壇』でも研鑽を積んでおり、季節感のある先付などでも腕前を発揮。
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