紅白の若返りで「それ誰?」な出場者も。初登場10組をおさらいする

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 2021年11月19日、『第72回NHK紅白歌合戦』の出場歌手が発表されました。五木ひろしの“卒業”をはじめ、演歌勢はかなり数を減らしています。

 かわりに、若い世代にアピールするアーティストが多く選ばれていることからも、視聴者層の入れ替えを意識したNHKの意図がうかがえるリストになりました。
 上の世代からすると、「これ誰?」という出場者もいるのでは?

 というわけで、初出場アーティストを見ていきましょう。

◆①紅組:Awesome City Club

 映画『花束みたいな恋をした』の主題歌「勿忘」がサブスク再生2億回を超える大ヒットになりました。女性ボーカルのPORINと男性ボーカルのatagi、そしてギターをはじめ様々な楽器を操る、モリシーによる3人組バンド。PORINは小沢健二との密会騒動で写真週刊誌をにぎわせましたね。

 デビュー当初は、70年代や80年代のシティポップを今風サウンドにアレンジする器用さが際立っていましたが、「勿忘」では歌と歌詞に重きを置いたことがブレイクにつながったのかもしれません。
 映画で主演した菅田将暉、有村架純のサプライズ出演もあるか? 

https://youtu.be/zkZARKFuzNQ

◆ ②紅組:上白石萌音

 現在放送中のNHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』で主演を務める、いま一番勢いのある女優。歌手活動も同時に行っており、今年10月13日にシングル『I’ll be there /スピン』をリリース。『うたコン』(NHK)や『FNS歌謡祭』(フジテレビ)、『ミュージックステーション』(テレ朝)にも数多く出演し、演技同様に透明感のある歌声を披露しています。
 妹の萌歌も「adieu」名義でアーティストデビューをしており、姉妹で女優とシンガーという珍しい存在です。

 ラジオの英語講座とともに生きた女性が主人公の『カムカムエヴリバディ』。ってことは、紅白では洋楽を歌うのかな?

https://youtu.be/CRHYufLXQJg

◆③紅組:BiSH

 “楽器を持たないパンクバンド”というキャッチコピーの、女性6人組。メンバーは、アイナ・ジ・エンド、セントチヒロ・チッチ、モモコグミカンパニー、ハシヤスメ・アツコ、リンリン、アユニ・D。みんな個性的な名前ですよね。

 うたい文句に違わぬ激しい楽曲と振り付けが話題を呼び、コアな人気を博しています。代表曲の「オーケストラ」(2016年)は、メロディアスなストリングスと激しいビートが見事に融合した、これぞ“エモい”と呼びたくなる一曲です。

https://youtu.be/uc-q5qS6D9M

◆④紅組:millennium parade×Belle

 大ヒットアニメ映画『竜とそばかすの姫』の主題歌「U」を歌ったユニットです。「millennium parade」は「King Gnu」の常田大希による音楽プロジェクト。
「Belle」は映画の主人公の役名で、歌うのはシンガーソングライターの中村佳穂。

 いわゆる売れ線狙いとは一線を画した挑戦的で実験的なサウンドと、力強くもゆらぎを感じる中村佳穂のボーカルの組み合わせは、緊張感に満ちています。
 でも英語の小文字ばっかでお年寄りのトイレタイムになっちゃうかも。

https://youtu.be/R3V4sAXUJ-g

◆ ⑤白組:KAT-TUN

 なんと、CDデビューから15年目にして初出場です。色々あって、今では亀梨和也、中丸雄一、上田竜也の3人組となりましたが、グループ名は変わらず。
 アニバーサリーイヤーなので、デビュー曲「Real Face」を歌ってくれたらいいなぁ。<ギリギリでいつも生きていたいから>(作詞・スガシカオ)は、名フレーズでしょう。

◆ ⑥白組:Snow Man

 昨年初出場したSixTONESと同時デビューだったものの、今年が紅白デビューとなった彼ら。岩本照、深澤辰哉、ラウール、渡辺翔太、向井康二、阿部亮平、目黒蓮、宮舘涼太、佐久間大介の9人組です。
 デビュー曲「D.D.」は、スピード感あふれるキャッチーなナンバー。『うたコン』のハウスバンド「music concerto」の生演奏で聞いてみたい!

◆ ⑦白組:DISH//

 北村匠海、矢部昌暉、橘柊生、泉大智によるダンスロックバンド。あいみょんが提供した「猫」が、昨年からバズりまくってロングヒットを記録しています。

 映画『とんかつDJアゲ太郎』などでの名演も話題を呼んだ俳優・北村匠海ですが、歌もイケてます。「DISH//」の活動以外にも、ソロシンガーとしてアルバム『筒美京平SONG BOOK』で、「また逢う日まで」(オリジナルは1971年尾崎紀世彦)を堂々とカバーしてみせました。
 紅白は、やっぱり「猫」でしょうか。あいみょんも呼んでくれないかなぁ。

https://youtu.be/es-TULCdfvQ

◆⑧白組:平井大

 ビジュアルとサウンドの両方でスローライフ感を醸し出すシンガーソングライター。サーフィンカルチャーとアコースティックを基調としたオーガニックなサウンドが、アメリカを感じさせます。
 2011年のデビュー以来、コンスタントに作品を発表し、2019年には映画『ドラえもん のび太の月面探査記』の主題歌「THE GIFT」を歌いました。翌2020年には「Stand by me, Stand by you.」がLINE MUSICチャートで2冠を獲得し、Spotifyなどの主要音楽チャートでも4部門で1位に輝くスマッシュヒットに。
 “ひらいだい”って韻を踏んでるのもいいですね。

https://youtu.be/Zy_KuTFwot4

◆ ⑨白組:布袋寅泰

 東京パラリンピック開会式も記憶に新しい布袋寅泰。氷室京介らとともに結成したバンド「BOOWY」の結成から40周年のアニバーサリーイヤーに、満を持しての登場です。
 バンドにソロにと名曲揃いですから、一体どの曲を演奏するのか楽しみですよね。パラリンピック開会式のスペシャルバンドと、バックダンサーに江頭2:50で「スリル」をやってくれたら絶対に見ます。

https://youtu.be/WfMEHQjHdH4

◆⑩白組:まふまふ

 いま、10代を中心に動画配信サイトなどのネット上で圧倒的な人気を誇る“歌い手”が、まふまふ。ギター、ベース、ピアノといった楽器演奏はもちろん、レコーディングにまつわる技術的な作業まで、全て一人でこなすマルチな才能を誇っています。またマスクをして顔見せしないことでも有名ですが、本番では外すと話していました。

 歌声も独特で、声の中に男女ふたつの性があるかのように色を使い分けるスタイルは、前例がないのでは(ガンズ・アンド・ローゼズのアクセル・ローズともちょっと違うか)。楽曲は、デジタルネイティブのミュージシャン特有の、何かに急き立てられるみたいに過剰なスピード感が特徴的です。そこに多くの文字を詰め込んで、激しく上下動するメロディで歌うものだから、音楽というより遊園地のアトラクションみたい。
 こりゃ若者の前頭葉には効いちゃいますわ。

https://youtu.be/6pHWoFXMs6s

 とにもかくにも、NHKの本気がうかがえる人選となった今年の紅白。その賭けが吉と出るか凶と出るか。楽しみです。

<文/音楽批評・石黒隆之>

【石黒隆之】
音楽批評。カラオケの十八番は『誰より好きなのに』(古内東子)

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