ドラマチックなフレンチの1組限定カウンターでデートは成就する
ここなら、だれにも見つからない導線で、秘密のデートが叶う。
今春オープンした『nôl(ノル)』は、馬喰町のデザイナーズホテル「DDD HOTEL」のロビー奥に、ひっそりと佇む注目店だ。
最大4席の劇場型カウンターは、1日1組限定でプライベート感たっぷり。
そこで新進気鋭のシェフによる洒脱なフレンチを堪能できるとあれば、デートの切り札になるはず!
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※コロナ禍の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。
案内表示もないエントランスは隠れ家感十分!
まるで何かのショールームのような雰囲気
店が入るのは、創業37年のビジネスホテルをリノベーションして2019年に誕生した「DDD HOTEL」。
ノスタルジックなレンガ造りの建物の中に入ると、吹き抜けの天井を備えた無機質なロビーが出現。
『nôl』はその1階に位置するが、いわゆる案内表示はなし。
入ってすぐ左側の黒壁に店名のサインが刻印され、脇にあるわかりづらい漆黒の扉が入口だ。
一見するとレストランとは思えぬような佇まいに、入店前から高揚感に包まれる!
お洒落なキッチンとつながったカウンターで非日常を感じる!
食事中は厨房の中に入り近くで調理を見学したり、食材の説明を受けることも可能
グレーのグラデーションが印象的な店内は、ピカピカの調理台にカウンターとテーブル2卓で構成されるコンパクトな空間。
ここでの特等席が、まるでラボのようなオープンキッチンの一部として設置されるカウンターだ。
シェフたちの一挙手一投足を望むカウンターにいざ腰をおろせば、それだけでもう非日常。
キッチンを仕切るのは、新時代のスターシェフを発掘する国内最大級のコンペティション「RED U-35」で準グランプリに2度輝いた野田達也さん。
「素材の味を大切にした、身体に負担の少ない料理を提供したい」と話す通り、旬の食材を積極的に用いた美しく繊細な料理を提供する。
全13品が登場する、鮮やかなコース13,200円(取材時)の一部を見ていこう!
古き良き日本の食文化をフレンチに昇華した看板メニュー!
「ナスのロースト、野菜のサルサ」
ひと皿目は、野田シェフの幼少期の思い出である「糠漬け」を軸にしたシグネチャーディッシュ。
皮に丁寧な細工を施し両面に焼き目をつけたなすを、いちじくの葉で包んでロースト。
そこにきゅうり、パプリカなどの糠漬けをサルサ仕立てにして添えている。
いちじくの香りを纏ったなすの甘みに驚き、糠の上品な酸味にほっこり!
自家製唐辛子調味料で作った白い泡が味わいのアクセントに。
幻の野菜のポテンシャルを存分に堪能できる新作!
「百合根のパイ包み」
栽培に5〜6年もの年月を要するという北海道・帯広産の希少な百合根「月光」が主役の新作。
糖度の高い百合根の皮とムースを、パイ生地に包んで香ばしく焼き上げた。
コニャック、フォンドボーをじっくりと煮込んだソース、ニセアカシアの花のピュレとともに。
サクサクと崩れるパイの中からあふれる、しっとりと上品な甘みに思わず顔がほころぶ!
パスタに見立てた美しきひと皿が登場!
ごぼうの土の香りを生かした新感覚のカルボナーラ!
「牛蒡のカルボナーラ」
食感の異なる2種の調理法でごぼうをパスタ状にして作ったカルボナーラ。
上の泡はごぼうの皮からほうじ茶の要領で出汁をとり、カルボナーラソースに仕立てたものだという。
パスタの中にはサバイヨンソースを潜ませ、アクセントはチョリソー。
シャキシャキとパリパリが交錯する食感、そして土の香りとコク深いソースの共演が未体験の味わいだ!
ディレクター/シェフの野田達也さん(左)とビバレッジディレクターの大井 充さん(右)
センスが際立つフレンチにとらわれない料理と、ワイン、日本酒、お茶とゲストの好みに合わせた多彩なペアリング。
「適正な価格で適正な量を」「人と環境に寄り添うこれからの普通を模索する」と時代に即したコンセプトで、大人の男女に新たな食体験を与えてくれるだろう。