推しと結婚できる「ソロウェディング」って?お一人様でもドレスを楽しめる

「推しと結婚したければ、しちゃえばいいじゃない!」そんな夢のような時代がやってきました。大好きな推しキャラやアイドルとも“結婚”できるソロウェディングについて、クリエイティブフォトスタジオ エイムの荻野幸子さんに話を伺いました。

◆一人でもドレスを着られる機会を作りたかった

――ソロウェディングは、「推しと結婚できる!」「お一人様でもウェディングドレスを楽しめる!」と話題になっていますね。このサービスは、いつから始まったのでしょうか?

「3年ほど前、2018年ごろからソロウェディングのプランをスタートしました。きっかけは昨今の晩婚化で“まだ結婚の予定はないけれど、ドレス姿を撮っておきたい”というニーズがあると思ったことです。最近の女性は成人式の際に振り袖と一緒にドレスを着て記念写真を撮る方も多いのですが……。それを見て、“今の女の子はいいな。自分ももっと若いときにドレス姿を撮っておけばよかった”と思ったことも大きいですね。

 それと、大人になって結婚の予定がない友人と会って、“この子は一生ドレスを着ないかもしれないんだ。きっと素敵になるのにもったいないな。ひとりでもドレスを着られる機会があればいいのに”という気持ちもありました」

◆若いうちに写真を取っておきたいという利用者も多い

――最近の成人式は、“大人の七五三”のように自由で楽しそうですよね。そういった楽しさを、ソロウェディングで提供したいと。

「はい。昔は成人式で晴れ着を着て、その数年後に結婚写真を撮る……という方が多かったと思いますが、今は生き方も多様化していますから。“結婚はまだわからないけれど、とりあえず若いうちにドレス姿を撮っておこうかな”という方も多いです」

――最近の女性は自撮りやコスプレ、プリクラに親しんできたこともハードルを下げているように思います。

「おっしゃるとおりです。例として、こんな“ソロ婚”がございます」

◆〈推し婚〉 婚約者には内緒で推しと結婚

「まず、アニメやゲームなど、好きな推しキャラクターとの“推し婚”。新郎姿の推しの等身大パネルや、推しグッズなどと撮影していただけます。なかには、“実は生身の新郎と結婚の予定があるけれど、それは気持ち的には政略結婚。本当に愛しているのは推しキャラなので、リアルな結婚式を挙げる前に、推しとふたり、秘密の結婚式を挙げるんです”という方もいらっしゃいました」

――推しと内緒の結婚式……素敵ですね。ところで、新郎役は花嫁が用意するのでしょうか?

「はい。等身大パネルの場合は、皆様タクシーでお持ち込みになりますね。このパネルですが、公式のイラストを使うと著作権に抵触する場合があるので、ご自身でご用意いただくか、知人に描いていただいたイラストを使う方が多いです。推しの姿を表示したスマホを持って撮ることもできます」

◆〈ぬいぐるみ婚〉 大切なぬいぐるみと一緒に

「ご結婚前に、“小さいころから大切にしてきたぬいぐるみと写真を撮りたい”という方もいらっしゃいました。宝物のぬいぐるみと一緒に可愛い写真を撮っていかれましたよ」

――大人になるまで見守ってくれたぬいぐるみと、友情の証の記念写真なのですね。

◆〈ごほうび婚〉 きれいになった姿を残しておきたい

「海外での挙式やハネムーンを予定されていて、そのためにダイエットもがんばって美しくなられたのに、コロナで延期になってしまった方が、“せっかくきれいになったので、今のうちに撮っておきたい”といらっしゃったこともあります。本来なら式や旅行に使うはずだった予算で4~5着のドレスをお召しになり、素敵なお姿を撮っていかれました」

――コロナのせいで、いろいろな予定がままならなくなってしまった方も多いですよね。努力の成果を残しておけると救われそうです。

◆〈リベンジ婚〉 離婚した一区切りとして

「結婚したけれど、バツが付いてしまって……という方が、気持ちの仕切り直しで撮影されることもあります。“元ダンの写真はいらないけれど、捨てたら自分のドレス写真もなくなってしまうから”と。それと、結婚したときは、義実家や夫の要望で自分の好みではない和装にしたけれど、やっぱりドレスが着たい、あるいは着物が着たい、という方もいらっしゃいます。また、シングルマザーの方が“子どもが小さいころは余裕がなかったけれど、少し落ち着いたのでドレス姿を撮っておきたい”というケースもあります」

――なるほど。思い出を上書きして前に進むため、というイベントにもなるのですね。お話を伺うと、独身の方も既婚の方も利用されているようですが……?

「そうですね。本当は結婚写真が撮りたかったのに、ご主人が写真嫌いで、そのうち……と言われるままにズルズル来てしまった方が“それならひとりで撮ろう”といらしたり。結婚式を挙げなかったお母様に、お子様たちがソロウェディングをプレゼントされることもあります」

◆結婚しなくてもウェディングドレスを楽しんでほしい

――たしかに“結婚式”は、お相手や両家の思惑なども調整しないといけませんが、自分のためのソロウェディングなら、気分転換やストレス解消にもなりそうです。「一生に一度の~」という気持ちにしばられてしまうと、気に入らない写真やつらい思い出もがまんして持ち続けなくてはなりませんが、もう少し柔軟に考えてもいいような気がします。

「(人間の男性と)結婚しないとウェディングドレスは着られない、ドレスを着る楽しみも味わえないのだとしたらもったいないですよね。“ソロウェディングって、さみしそうに見られてしまうんじゃないか?”、“そんなに利用する方はいないんじゃ?”とご心配される方もいらっしゃいますが、月に20~30組のソロのご予約が入っていますし、大好きな“推し”がいるスタッフもいますので、推し婚のご相談もお気軽にしていただけます」

◆何歳でも、男性でも、ドレスを着ていい

――ご利用者のボリュームゾーンは、やはり20~30代の方が多いのでしょうか。

「20代最後に撮る!という方は多いですが、30~40代はもちろん、60代以上の方もいらっしゃいます」

――そうなのですね。男性のソロ婚利用者もいらっしゃいますか?

「はい。先日は、過ぎた恋のけじめをつけるためにタキシードで撮影した男性がいらっしゃいました。男性は、女性よりもドレスアップした写真を撮る機会が少ないので、気持ちの切り替えにご利用される方もいらっしゃいます。男性のドレス写真などもご相談いただけます」

◆一人で撮るのが寂しい人には女子会プランも

――“普通の結婚式”に立ちはだかる壁を全部取っ払って、自分のためだけに楽しめるのがいいですね。それでもちょっと尻込みされる方は……?

「興味はあるけど、ひとりで行くのはさみしいという方には、お友だちと一緒にドレス写真が撮れる“女子会プラン”もご用意しています。ご結婚のご予定の有無や未既婚、ご年齢や性別にかかわらず、ドレスアップして写真を撮る楽しさをめいっぱい味わっていただけたら、とても嬉しく思います」

 ソロウェディングは、事前にカウンセリングやドレス選び(試着)を済ませた後、当日はヘアメイク~撮影終了まで、所要時間は2時間ほどだそう(※)。気軽に非日常的でドラマティックな体験ができるのは、とても魅力的だと思います。

◆もうウェディングドレスを諦めなくていい

「お相手が三次元の男性ではないから」、「時期を逃してしまったから」と諦めざるをえなかったのは、もうはるかな過去。自分の気持ちや自分のタイミングで装いをこらした姿を残せるのは、よきことです。

 同店では、ソロウェディングの他にも「とっくに成人しているけれど、成人式の写真が気に入らないから撮り直したい」といった相談にも乗ってくださるそう。眺めれば自然に顔がほころぶような写真、撮っておけるといいですね。

※ドレスの着用枚数など、プランにより異なります。

<取材・文/みきーる>

【みきーる】

ジャニヲタ・エバンジェリスト。メンタルケアカウンセラーⓇ。女子マインド学研究家。応援歴20年超のジャニーズファン。女心を知って楽しく生きるためのライフハック“女子マインド学”を提唱。著書に『ジャニ活を100倍楽しむ本!』(青春出版社)『「戦力外女子」の生きる道』他。Twitterアカウント:@mikiru、公式ブログ:『ジャニヲタ刑事!』

2021/11/3 15:46

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