追悼『ゴルゴ13』作者さいとう・たかを氏『ゴルゴ13』顔負けの豪快ヤンチャ伝説

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 9月24日、『ゴルゴ13』や『鬼平犯科帳』(原作・池波正太郎)などで知られる漫画家のさいとう・たかをさんが亡くなった。享年84。

「代表作『ゴルゴ13』は、現在202巻まで刊行されています。単一漫画シリーズで世界一の巻数としてギネス記録に認定され、累計発行部数も3億部を突破。麻生太郎さんが、世界情勢を学ぶために愛読しているなど、あらゆる意味で日本を代表する漫画作品です」(青年漫画誌編集者)

 さいとうさんと、『鬼平犯科帳』で一緒に仕事をした編集者が振り返る。

「さいとう先生は最初、家業の理髪店で働いていたんですが、“顔剃りのときに、お客さんの頸動脈を切りたくなる衝動にかられてね。ヤバいと思って漫画家になろうと思ったんだ”と話してくれました(笑)。関わった編集者は皆、さいとう先生の人柄に惚れていましたね。会うたびに、自分のような若手にも“悩みがあったら、俺に相談しろ”と言ってくれました」

 仕事でも、ゴルゴ13ことデューク東郷さながらの、プロの極意があったという。

「表紙用イラストの長谷川平蔵の表情があまりに魅力的でしたので、理由をおうかがいしたところ、“俺は表情を描くとき、1つの感情ではなく2つの感情を込めている。たとえば怒りと悲しみといった具合にね”と教えてくれました。超一流の作家さんなのに、本当に気さくな方でした」(前同)

 本誌で『球追う日日』を連載中のかざま鋭二氏が、さいとうさんの人柄を偲ぶ。

「16歳の頃、『台風五郎』という貸本漫画が先生との最初の出会いでした。見たことのない斬新な画風にショックを受けて、夢中で模写しました。影響を受けた、いわば僕の漫画の方向性を決めた師匠でもありました。アシスタントになりたくて何度も大曲(東京都新宿区)にあった、さいとうプロに通ったんですが、絵が下手すぎて入社はかないませんでした。でも、さいとう先生に直接、添削をしていただいた経験は、僕の貴重な宝物になっています」

 またゴルフコンペでも、存在感を放っていたという。

「最近は『イージー会』というベテラン漫画家を中心にしたゴルフコンペで毎月、お会いしていました。そして一緒にラウンドしたことは、生涯の大切な思い出。これからも、さいとう先生を心の師匠とし、精進していきます。心からご冥福をお祈りいたします」(前同)

 漫画界に大きな足跡を残した、さいとう氏。

「常に未来を考える方で、早くから漫画制作に分業制を採用してきました。当人の遺志もあって、『ゴルゴ13』も『鬼平犯科帳』も連載は継続される予定です」(出版関係者)

 “劇画の神様”が生んだ名作は、受け継がれていく。

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  • 10/17 17:30
  • 日刊大衆

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