オダギリジョーが犬に!変なドラマ『オリバーな犬』が話題沸騰のわけ
いま話題騒然のNHKドラマ 『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』(全3話、金曜22時~22時45分、NHK総合)をご存じでしょうか? オダギリジョー出演・演出・脚本・編集で、10月1日(金)に3話目が放送されます。
わたくし、女子SPA!編集部・マスダは1-2話を観まして、すっごく面白かったのです。3話で終わってしまうのが残念!
◆なんだこれは!ハマってしまいました
オダギリジョーが演じるのは、着ぐるみの「犬」なんです。オリバーという名の警察犬で、スケベなおっさん犬。警察官・一平(池松壮亮)と相棒のオリバーが、不可解な事件の解決に挑む…というサスペンスコメディです(10/1金22:43までは2話がNHKプラスで無料配信、1話はNHKオンデマンドで有料配信中)。
わたくしは年齢のせいか、だんだん地上波ドラマに乗れなくなっているのですが、『オリバーな犬』はたまたまテレビがついていて「なんだこれは!」とハマってしまいました。
◆名優たちが嬉々としてヘンテコな役を
まず出演者がすごすぎる(これは誰もが指摘することですが)。ふだん重厚な役が多い“名優”たちが、ヘンテコな登場人物を嬉々として演じているんです。
たとえば柄本明は河川敷にすむファンキーなホームレス。佐藤浩市はド派手ファッションのスーパーボランティア。今や女子に「かわいい」呼ばわりされている松重豊は、昔のように強面のヤクザ役。永山瑛太の半グレも、ホントにクズっぽい。他にも、永瀬正敏、橋爪功、國村準など、書ききれません。
SNSではちょっとしたシーンのたびに「あっ、細野晴臣だ」「坂井真紀も」「何の祭りだ?」と大盛り上がりです。これ制作費どうなってるんでしょう?「オダギリ君の演出?楽しそうだね」みたいな友情出演が多いのでしょうか。
◆胸の谷間をペロペロ舐めるオッサン犬
あと、笑わせ方がオーバーアクションや変顔ではなく、なんだか妙な笑いのツボを刺激されるのが楽しいです。
たとえば、池松壮亮の上司である女性警察官(麻生久美子)は、しょっちゅう職場で前髪を切っています。「あれ、また前髪短くなりました?」「いまトイレで切ってきた」と。これは、麻生久美子が撮影前に、前髪パッツンの写真を突然オダギリジョーに送ってきて、「撮影前なのに、なんの相談もなくいきなりバッサリ髪を切ってる」と面白がったオダギリが、そういうキャラクターにしたそうです(GQジャパン、9/13配信のインタビューより)。
ホームレス役の柄本明は事件の秘密を知っていそうなのですが、聞き込みにいっても「ほら、押忍(オス)があそこで押忍したから、押忍なんだよ」などと、すべて押忍なので全然わかりません。
オダギリジョー演じる犬は女に目がなく、キャバクラに潜入捜査すると嬢の胸の谷間をクンクン嗅いだりペロペロ舐めたりします。セクハラNGの昨今でも、ギリギリセーフなんでしょう。犬だけに。一平に「そいつさっき自分のウンコ舐めてたんで気をつけて」と牽制(けんせい)されていましたけどね。
◆次はフルシーズンでやってほしい!
ドラマ評論家の評価を見ても、おおむね好評のようです。中には、「センスの押し付け」と書いている批評もありましたが、このセンスがツボに入る人はきっと笑えます。
名優たちのノリ過ぎコメディという点では、わたしの大好きな米映画『アメリカン・ハッスル』(2014年)を思い出した…というと褒めすぎかな。
https://youtu.be/gZC4BxTMWHw
愛の尊さも家族の絆も社会の闇も、何も訴えてこない、ひたすらバカバカしく楽しい『オリバーな犬』。役に立たないって素晴らしいことですね。
<文/女子SPA!編集部・マスダ>
【女子SPA!編集部・マスダ】
女子SPA!編集長。腸活のおかげか風邪ひとつひかない50代。映画、寺、植物園、ピアノが好き。家族は男の猫と人