男泣きで株を上げた人下げた人。マヂラブ野田、ヒカキン…涙のワケは

 マヂカルラブリーの野田クリスタルが、9月15日に放送された『水曜日のダウンタウン』(TBS系)にて「強い意志があれば寝た後も体をコントロールできる説」に出演。そこで見せた号泣レベルの涙が大きな反響を呼びました。

◆誠実で優しい野田クリの涙に「良い人過ぎる」の声

 この企画は、手を離すとタライが落ちてくる綱を持ったまま眠り、一時間経過後もタライが落ちなければ立証されるというもの。

 野田はウィスキーのロックを一気に飲み干すと10分で就寝。しかし即タライが落ちてしまい検証は失敗に終わります。ですがその際に、野田は泥酔&男泣きしながら、スタッフの帰りが遅くならないよう収録を早く終わらせるべく、本当は飲めないお酒をあえて飲んだことを告白。

 さらに、「自分のために誰かが苦労してるっていうのを知ると泣いちゃうんです」「普通のちゃんとした両親に育てられたんです。人に迷惑かけるのはダメって……」などと涙ながらに独白し始めました。

 野田本人にとっては「M-1最下位以来の大恥かきです」とツイートするなど醜態ともいえるであろう姿でしたが、その涙には彼の誠実さや優しさがよく現れており視聴者に感動を与えました。

 SNS上でも「良い人過ぎる」「もらい泣きした」などと彼の人格を絶賛する声が相次ぎ、思わぬところで株を上げた形です。

 有名人の中には、野田のように視聴者の前で涙を見せて株を上げた人もいれば、逆に下げてしまった人もいます。今回はそうした『男泣き』で話題になった有名人たちをピックアップ。皆さんは、彼らの涙をどう捉えたでしょうか?

<株を上げた人>

◆ヒカキン 登録者数1000万人記念配信中に涙

 近年、不祥事が多く取沙汰されているユーチューバー界隈ですが、その中にあって唯一と言っても過言ではないほど高い人気と信頼を誇っているのがヒカキンです。

 彼が涙するというイメージはあまりなかったのですが、YouTube公式チャンネルの登録者数が1000万人を突破しそうになった際に生配信を決行。到達直前には「登録登録登録~♪」と泣きながら歌い、達成した瞬間には男泣きしていました。

 この涙にはリアルタイムで視聴していた人たちも大感動。その後に20リットル分のコーラを使ったメントスコーラで勢いMAXのコーラを全身に浴びる姿を披露していた"らしさ"も含めて、涙で株を上げた人と言えるのはないでしょうか。

◆アンジャッシュ児嶋 相方問題で泣いて謝罪。一方、渡部は…

 アンジャッシュの児嶋一哉の男泣きは、2020年に相方の渡部建が複数の女性との不倫問題で活動自粛をした際のこと。

 渡部の代役として出演したラジオ番組『GOLD RUSH』(J-WAVE)にて、鼻水をすすりながら涙声で「あいつはほんとに大バカ野郎です」「人の痛みとか、思いやりとか優しさ、愛とかないんです。だからこういうことになるんです」などと相方を批判していました。

 この時、児嶋は「僕なんかより全然売れてるってのもあって立場的にもなかなかアイツを叱るのがしづらくて」「僕の弱い部分があいつを甘やかしたんだな」と自身の反省点も語っており、コンビの責任として事態を重く受け止めていると視聴者にもしっかり伝わった男泣きでした。

 当の本人である渡部もその約半年後に謝罪会見を行いましたが、終始泣きそうな表情ではあるものの涙を流す場面はなく、会見自体のグダグダさも相まって、さらに批判を再燃させることになりました。

 涙を流して株を上げた児嶋と、流さず下げた渡部……これはコンビとして見事な対比です。

◆極楽とんぼ・加藤浩次 相方解雇を「スッキリ」で号泣謝罪

『スッキリ』(日本テレビ)のMCとして、今や朝の顔にすっかり定着した極楽とんぼの加藤浩次も、相方・山本圭一の不祥事の際には心に響く男泣きを見せています。

 2006年に山本が未成年との飲酒・淫行により事務所を解雇される騒動が発覚。

 スタートからわずか3ヶ月だった同番組で加藤は「決して許されるものではない。会社が下した解雇という結論を、山本には深く受け止めてもらいたい」と相方に反省を促しながら号泣。

「16年連れ添った相方がこういう形で報道されるっていうのはすごい腹立ちますし、情けないし、気持ちの整理がついていない状況です。本当に申し訳ありませんでした」と、深々と頭を下げながら長年の相方として謝罪しました。

 生放送の冒頭で行われたこの号泣謝罪は、司会者としてはいかがなものかという意見もあったものの、その正直な胸の内と涙が視聴者の心を打ち、結果的に加藤の温かく頼もしい人柄を広く知らしめる結果となりました。

 それから24年後、吉本の闇営業問題で所属事務所に物申すという熱い男気を見せていましたが、さすがに涙は流していなかったですね……。

 山本は2016年に事務所に復帰。極楽とんぼとして、ラジオやネット配信番組などで活動していましたが、今年1月には復帰後初めてのコンビでのレギュラー番組「週末極楽旅」(BS日テレ)をスタートし活動の舞台を広げています。これも二人の絆の強さのたまものなのかもしれません。

<賛否両論>

◆フジモン&出川哲朗 雨上がり解散番組での涙に別れる意見

 雨上がり決死隊が解散を発表した「アメトーーク 特別編 雨上がり決死隊解散報告会」。ここで男泣きを見せたのは、当事者である蛍原徹でも宮迫博之でもなく、ゲストに招かれた出川哲朗とFUJIWARAの藤本敏史でした。

 番組後半で出川は、「アメトーーク!』は間違いなくバラエティー史上に残る番組だからそれを作ったことを誇りに思ってほしい」と蛍原と宮迫の功績を褒め称えながら嗚咽(おえつ)。さらに藤本は「宮迫さんが悪いんですやん! 宮迫さんのせいですよ!」とハンカチで口元を押さえつつ大号泣して宮迫を糾弾(きゅうだん)。

 この二人の涙には「感動した」という声もありましたが、バラエティー番組にはふさわしくないとマイナスな意見も多かった模様。

 その後、「何とかならないんですか、東野さん」と号泣している藤本に振られた東野幸治が、「俺、ケツ、仕事あんねんけど」と一刀両断で落としたことは視聴者から賞賛されていました。

 個人的には、藤本が号泣した途端に石みたいになってスルーしていた相方の原西孝幸も注目ポイント。彼のああいったスタンスがあってこそのFUJIWARAのコンビバランスなのだと、妙なところで彼を見直してしまいました。

<株を下げた人>

◆小泉進次郎 菅首相に涙するも「自分に酔っている」

 菅義偉首相の退陣表明で目頭を熱くしていた小泉進次郎環境相。菅首相に対して「感謝しかない」と述べながら目に涙を浮かべていましたが、この男泣きには「自分に酔っている」「メンタル弱い」などと批判が殺到。

 長引くコロナ禍で国民が苦しんでいる時に会見で涙するという小泉環境相の姿勢に疑問が投げかけられました。

 実は彼の父である小泉純一郎元首相も、首相就任前に訪れた知覧特攻平和会館で特攻隊員の遺書を見て涙を流していたことがあるのです。涙もろいのは家系なのでしょうか……。

◆NON STYLE・井上 接触事故後に涙の謝罪会見に視聴者ドン引き

 2017年にタクシーとの接触事故を起こして謹慎していたNON STYLEの井上裕介。不起訴処分が決まった翌日に謝罪会見を開きましたが、尋常(じんじょう)ではない涙の量に見ていた側はドン引き。

 SNSでも批判の声があがるばかりか、直後に出演したワイドナショー(フジテレビ系)でも、出演者たちから集中砲火を浴びる事態となってしまいました。

 ヒロミは「男の子は謝る時はちゃんと謝った方がいいと思う」と、ぴしゃり。千秋も「泣いちゃいけないって気持ちが全くないから泣けてラッキーくらいに思ってるんじゃない」と、辛辣(しんらつ)な意見をズバっと。芸能界の仲間から叱られる中、井上はこの日は全く涙を見せず。松本人志からも「泣けや!」とツッコまれる始末でした。

 ただ世間からは嫌われこれだけ周囲からイジられて、株をいくら下げようとも、キャラを貫き続ける井上はある意味では大物のように思います。

 復帰後の活動は順調で、今年はアニメ映画「劇場版 七つの大罪 光に呪われし者たち」で声優に初挑戦。また昨年、コンビ結成20周年を迎え、コロナ禍でできなかった全国ツアーを今年に開催予定。いろいろあったからこそ乗り越えることで充実した活動ができているのかもしれませんね。

「女の涙は武器」と言われますが、男の涙も武器になることもあれば、諸刃の剣になることもある……。今後も新たに世間を騒がす男泣きを見せる有名人が出現する日が来ることでしょう。

<文/もちづき千代子>

【もちづき千代子】

フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。度を超したぽっちゃり体型がチャームポイント。Twitter:@kyan__tama

2021/9/30 8:47

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