50歳に見える16歳少女、2年前から急速に老化も「夢を実現したい」(フィリピン)

フィリピン、コタバト州アラカン在住のライゼル・カラゴさん(Raizel Calago、16)が自分の身体の変化に気付いたのは、2019年12月のことだった。

ビューティコンテストにも出場し「自分に自信があった」というライゼルさんは、ここ2年間で急速に顔、首、手、腹などに皺が増え、今では36歳の母よりも年上に見られることがある。

ライゼルさんは「最初は肌の赤みや痒みを伴う発疹ができ、触ると痛みがありました。医師には『虫刺されか何かだろう』と言われて薬をもらいましたが、全く効果はありませんでした。そのうち全身に皺ができ、それまでの自分の顔ではなくなってしまったのです」と語り、このように続けた。

「ビューティコンテストに出場した時は『自分は美しい』と感じることができたのに、皺が増えてからは自分の顔が恥ずかしく、よく遊んでいた友達とも疎遠になりました。『いったい自分に何が起きたのだろう』とショックでした。」

パンデミック前から外出時には皺を隠すためのマスクをし、長袖を着用していたというライゼルさん。今では若い子が着るようなタイトな服を避け、大きめの服を選ぶようになった。またずっと立っていると腰の痛みにも苦しむようになり、「まるで50歳くらいに見える」などと言われてふさぎ込んだ。こうして再度医師の診断を仰いだが、未だ正式な病名は分かっていない。

ライゼルさんの母ジョエラさん(Joela、36)は「近所の人が聞くんですよ。『なぜあなたの娘は急速に年を取っていくの?』とね。でも私はその答えが分からないのです」とつらい胸のうちを明かすと、ライゼルさんは涙ながらにこう述べた。

「医師は老化が促進される早老症の1つであるプロジェリア症候群を疑っていました。病気を診断するための検査はすでに済んでいますが、データはアメリカに送られており病名が分かるまでは時間がかかるそうです。」

実はライゼルさんのストーリーは今年6月、フィリピンのテレビ番組でも放送されており、ジャーナリストのジェシカ・ソーホーさんのFacebookには「ライゼルさんは思春期に急速に老化が進んでいることから、乳幼児期に発症するプロジェリア症候群ではなく、ウェルナー症候群ではないか」という声もあがっている。ウェルナー症候群は日本人に多い遺伝病で、以前は40代後半で死亡することが多かったが、最近は寿命が延びているという。根本的な治療法はないものの、対症療法で生活の質は向上するそうだ。

ライゼルさんは「自分がテレビで特集されたことで多くの人から応援の声が届き、再び自信が持てるようになりました。今は勉強に集中し、将来はシェフになりたいと思っています」と明かす。

料理をライゼルさんに教えたのは父リチャードさん(Richard)で、「娘はとても料理が上手なのですよ。私はライゼルが自分の娘であることを誇りに思っています。なぜなら娘は、今のつらい症状と闘うために最善を尽くしているのですから。娘には『いつでもそばにいてサポートする』と伝えてあります」と話している。

なおライゼルさんには双子の姉妹がおり、そのうちの1人レイゼル・クレアさん(Leizel Claire)は「私たちはライゼルが大好きなんですよ。性格もいいし美しいし、将来はシェフとして成功すると思います」と前向きだ。

そして当のライゼルさんも「外見がどうであろうと、今の私は受け入れることができます。私が他の人をインスパイアできれば嬉しいし、もし私と同じように悩んでいる人がいたら病気を受け入れて自信を持って欲しいですね」と笑顔を見せ、「いつか、私の病気を治療できる日がくることを願っています」と力強く語った。

画像は『Filipino Clip 2021年6月20日付「16 anyos na dalaga sa Cotabato, mukha na daw 50 anyos」(Photo credit to the owner/Facebook)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 A.C.)

2021/9/29 21:50

この記事のみんなのコメント

1
  • あきひろ

    9/29 22:29

    卑劣なゲリラ攻撃で無念の涙をのんだ本兵の祟りでしょうね。😨

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