櫻坂46田村保乃「柔和なイメージとグループ性のギャップ」に見るグループの可能性

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なぜ彼女たちは「センター」に立ったのか⁉
アイドルセンター論
櫻坂46田村保乃 後編

 以前、森田ひかるの記事(https://taishu.jp/articles/-/93002)でも言及したが、櫻坂46は表題曲センターという形式上のセンターは置きつつも、欅坂46のようにセンターを固定化させず、選ばれた3人がそれぞれの楽曲のセンター務める形式を取ってきた。

 これまでは森田ひかる、藤吉夏鈴、山崎天という2期生がセンターを務め、櫻坂46におけるセンターの新しいあり方を提示してきたが、3rdシングル『流れ弾』では、新たに田村保乃、森田、渡邉理佐の3人がセンターに抜擢され、森田以外の2人は初のセンターとなった。このようなセンターを流動的にしたことにより、各メンバーにスポットライトが当たり、個性が発揮される土壌を作ったのは櫻坂46の大きな強みと言えるだろう。

 とはいえ、誰もがそのセンターポジションに選ばれるかと言えばそうではない。楽曲が表現したい世界観やグループにおけるポジショニングといった様々な要素が関係し、そのシングルにおけるセンターが抜擢される。その意味では、田村のセンター抜擢というのは意表を突かれたというものでもないし、2期生を牽引してきた実績やパフォーマンス、個人活動を総合して考えればむしろ、ようやく回ってきたという印象だ。

 田村は2期生では年長組にあたり、しっかりしたイメージを抱くが、実際はおっとりとしていて穏やかな性格で癒やし系でもある。『そこ曲がったら、櫻坂?』(テレビ東京系)では「彼女にしたいメンバー」で1位を獲得するなど、田村の笑顔はその場の空気を明るくしてしまえる魅力を持っており、グループの中でもとりわけ柔和なイメージが強い。

 欅坂46の力強いパフォーマンスとメッセージ性を核として受け継いでいる櫻坂46と田村のキャラクターの間にはいささかギャップを覚えるが、これに関しては田村自身も悩んでいたようで、YouTubeに公開されている「サマナーズウォー x 櫻坂46 Special Web Movie ~ 田村 保乃 篇~」では「櫻坂46の力強さに自分自身がハマっていない」と悩みを打ち明けていた。


サマナーズウォー x 櫻坂46 Special Web Movie ~ 田村 保乃 篇~
https://www.youtube.com/watch?v=7z-iY_xMp7g

 しかし、自分のポジションに気づいた現在では、アイドルとして個性が確立された印象を受ける。それはパフォーマンスにおいても顕著に現れており、櫻坂46が持つ楽曲の力強い世界観を柔和なイメージを持つ田村が表現することによって、グループ全体のパフォーマンスがより強く印象付けられるという視覚的な効果も表れており、そうした田村の個性が櫻坂46の多様性を体現しているとも言えるだろう。

 ギャップという意味では、新作『流れ弾』のパフォーマンスがひときわ田村の存在を大きく映し出していたように思う。田村の持つ艶っぽさが逆に狂気的な表現力を生み、楽曲の世界観に見事なまでにハマっており、普段のイメージとのギャップから繰り出される爆発的な表現力というのは田村の最大の強みなのだと改めて実感させられた。“表現力”がグループを構成する重要な要素としてあるだけに、田村のセンター抜擢はグループを活性化させる可能性を秘めている。

 冠番組『そこ曲がったら、櫻坂?』(テレビ東京系)で行われた選抜発表で、「どこのポジションに選んでいただいたとしても、その曲のそのポジションは田村保乃しかいないと思って任せていただくポジションだと強く思っているので、みんなと一緒に頑張りたいなと思います」とセンターに対する強い思いを語っていた田村。

 そこにはもう以前のような後ろ向きな田村の姿はない。いくつもの壁を乗り越えてきた田村ならば、櫻坂46の新センターも自信を持って務めてくれるはずだ。新たに与えられたセンターというポジションで、田村らしく櫻坂46の世界観を作り上げていってほしい。

(文=川崎龍也)

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  • 9/22 17:00
  • 日刊大衆

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