天気を意味する綺麗な日本語を厳選。空の移り変わりを表現する言葉を天気別にご紹介
天気を表現するきれいな言葉集
日本語には天気を表現する言葉が数多くあります。一言で「晴れている」ではなく、青色の深い晴天なのか、のどかな青空なのか、見たままを適切な言葉で表現したい人もいるでしょう。
本記事では、天気を表現するきれいな言葉を、晴れ・曇り・雨・雪に分けてご紹介しています。手紙や日記などで、いつもとはちょっと違う表現をしてみませんか。
天気を表現する言葉《晴れ》
吸い込まれそうな天気を表現する言葉「蒼穹」
蒼穹は「そうきゅう」と読み、晴れて青く澄み渡った空を表現した言葉です。小説や歌の歌詞などで、青い空を表現する際に用いられることがあります。使用されている漢字の意味は、蒼は「深い青色」などの意味があり、穹は「ドーム型」などの意味です。
青空に間違いはありませんが、どちらかというと蒼穹は青色が深く円を描いたような空に使う方が適切といえます。
清らかな天気を表現する言葉「澄清」
澄清は「ちょうせい」と読み、濁りのない澄んで清らかな空を表現した言葉です。一般的な会話ではあまり使われることがありませんが、小説などで使われることがあります。
澄清には別の意味もあり、清らかな世で何事もなく穏やかに治まることを意味する言葉です。意味合いも穏やかなので、美しい言葉を使いたい時に使えます。雲のない晴れ晴れとした空を表現しているきれいな言葉ですね。
天気を表現する言葉「晴朗」
晴朗は「せいろう」と読み、空が晴れ渡り、のどかな様・爽やかな様・うららかな様を表現した言葉です。四字熟語で「天気晴朗」という言葉もあり、小説などで使われることがあります。
晴れ渡った空と澄んだ大気は気持ちよいですよね。季節関係なく使える言葉なので、気持ちのいい天気の際に使いたい表現です。
空が青緑色の天気を表現する言葉「碧空」
碧空は「へきくう」と読み、晴れの日の青い空を表現した言葉です。ここで使われている碧は、青緑色という意味があるので、真っ青な空というよりは緑かかった空に使う方がいいでしょう。
小説や音楽、お酒の名前などでも使われる天気を表現した碧空。緑かかった青い空を表現する際に使ってみてはいかがでしょうか。
天井に見立てた天気を表現する言葉「青天井」
青天井は「あおてんじょう」と読み、青空を天井に見立てて表現した言葉です。他にも、青天井はビジネスや麻雀などでも使われています。ビジネスでの意味は、株価などの値が上昇し続ける様を表し、麻雀では、点数の計算に関するルールを指す言葉です。
このように幅広いシーンで使われており、耳にしたことがある人も多いかもしれません。意味を理解し、適切に使いたいですね。
天気を表現する言葉《曇り》
曇った天気を表現する言葉「曇天」
曇天は「どんてん」と読み、曇り空を表した言葉です。日常会話などでもよく使われる言葉なので、聞き馴染みのある言葉だという人も多いかもしれません。
気象庁では、全体の雲量が9以上であり、降水現象がない状態を示します。曇った天気を表した曇天は、その状態をうまく表した言葉といえるでしょう。
降り出しそうな天気を表現する言葉「雨曇り」
雨曇りは「あまぐもり」と読み、いつ降ってもおかしくはない曇り天気を表現した言葉です。言葉に雨がついているため、既に降り始めている状態を表現している言葉だと勘違いされることもあるので注意が必要です。
雨曇りの前に「梅」をつけると「梅雨曇り」となり、秋の季語として使えるので、ボキャブラリーを増やす意味でも覚えておくといいかもしれません。
荒れそうな天気を表現する言葉「時化空」
時化空は「しけぞら」と読み、これから荒れた天気になりそうな空を表現した言葉です。ここで使われている時化は、雨風が強くて海があれている様を表しています。
時化ると表現すると既に雨が降っていることになるので、曇りの時はこの「時化空」を使うといいでしょう。天気以外で使う時はあまりいい意味ではないので、使い時には注意が必要です。
薄っすら曇った天気を表現する言葉「花曇り」
花曇りは「はなぐもり」と読み、桜の花が咲いている頃の薄っすらと曇った天気を表現する言葉です。花曇りは春の季語で、俳句でもよく使用されています。季節の挨拶をする際には、春真っ盛りの3月下旬~4月中旬の間で使うといいでしょう。
春は曇りの日が多く、落ち着いた日が続きます。ぼんやりとした春の天気の日には、是非使いたい言葉です。
空が暗くなる天気を表現した言葉「掻き曇る」
掻き曇るは「かきくもる」と読み、雲などで急に空が覆われ、暗くなる様を表現した言葉です。他にも、涙で目の前がはっきりと見えない様子を表す意味もあります。
詩的な表現でもある「掻き曇る」。日記や手紙などで「急に空が暗くなってきた」様を、いつもとは違う表現で表したい時に使ってみてはいかがでしょうか。
天気を表現する言葉《雨》
短時間の雨を表現する言葉「通り雨」
通り雨は「とおりあめ」と読み、短い時間で降って止む雨を指し、継続的に降る雨です。似た言葉として「にわか雨」という言葉がありますが、通り雨とは違い、継続的には降らずに短い時間で降って止む雨を指しています。
意味の違いを知っておけば、使用する際も使い分けができるので覚えておくと役立つかもしれません。
大雨が降る天気を表現した言葉「集中豪雨」
集中豪雨は「しゅうちゅうごうう」と読み、台風や梅雨前線の停滞などが原因で同じ場所に数時間で大雨が降ることです。似た言葉として、局地的大雨がありますが、意味が異なります。
局地的大雨は、大気が不安定になるなどの原因で局地的に大雨が短く降ることです。2つの違いを知れば、対策方法を早い段階で決断できそうですね。
爽やかな初夏の天気を表現する言葉「翠雨」
翠雨は「すいう」と読み、草や木の青葉に降り注ぐ雨を表現した言葉です。翠は草木の葉のような緑色を意味しています。5月頃の初夏に降る雨で、鮮やかな青葉に滴る雨粒を想像できる美しい言葉ですね。
爽やかさや生命の力強さを感じられる、初夏の時期にピッタリの言葉を手紙に添えてみてはいかがでしょうか。
春の時期の天気を表現する言葉「紅雨」
紅雨は「こうう」と読み、春の時期に花に降る雨を指す表現です。その他にも、赤く染まった花びらが散っていく様を雨に例える言葉でもあります。初夏をイメージさせる「翠雨」では翠を使用していましたが、春は色鮮やかな紅という字を使っていますね。
色とりどりの花が咲き乱れる春を連想させるきれいな表現です。情緒ある表現で、文章を彩ってみてはいかがでしょうか。
春の訪れの天気を表現する言葉「木の芽流し」
木の芽流しは「きのめながし」と読み、木の芽を優しくなでる春の雨を表現した言葉です。地域により、「木の芽起こし」「木の芽雨」などいい方は異なります。
植物が冬の間眠りについているのを、雨で起こして成長を促す「木の芽流し」。2月下旬~3月初旬ごろに降る雨を指すことが多いので、その時期に使う方が適切です。
天気を表現する言葉《雪》
雪と雨の天気を表現する言葉「霙」
霙は「みぞれ」と読み、雨と雪が混じった状態で降る気象現象を指す言葉です。他にも蜜をかけたかき氷や、大根などをすりおろした料理などで使われることもあります。
霙の意味合いには、降っている状態を表しているので、使用する際は「霙が降る」ではなく「霙になる」といった言い方が適切です。ちなみに、しんしんと降る雪でなくても、初頭に初めて霙を観測した時点で初雪としています。
柔らかい雪が降る天気を表現する言葉「餅雪」
餅雪は「もちゆき」と読み、つきたてのお持ちのようなふわりと柔らかい雪を表現した言葉です。水分が多く、形も変えやすいので雪だるまなどを作る時に最適な雪といわれています。
雪にも種類があり、餅雪・粉雪・綿雪・ぼた雪など様々です。大人になると雪の日は憂鬱になる時もありますが、雪の種類を確認してみると子どもの頃のように楽しめるかもしれませんね。
細かい雪が降る天気を表現した言葉「小米雪」
小米雪は「こごめゆき」と読み、砕けた米のように細かい雪を表現した言葉です。小米は粉米ともいい、粉のように砕けた米を指します。イメージとしては、粉雪のようなサラサラとした雪です。
文字の並びも可愛らしく、細かい雪が降った際に別の言い方で表現する時は、是非使いたい天気を表す言葉ですね。
淡い雪が降る天気を表現した言葉「淡雪」
淡雪は「あわゆき」と読み、春先に降り、積もってはすぐに溶けてしまうような雪を表現した言葉です。また、同名の和菓子があり、天気の淡雪のようにふわりとすぐに溶ける様が似ていることから、名つけられたと言われています。
冬の終わる時期に、淡雪を待ちながら和菓子を頂くのも贅沢な過ごし方ですね。
薄い大きな雪を表現する言葉「帷子雪」
帷子雪は「かたびらゆき」と読み、薄く大きめの雪を表現した言葉です。また、薄く降り積もった雪の状態を表現する言葉でもあります。現在は、春の季語として使われていますが、昔は冬の季語だったそうです。
帷子の意味は、生糸などで作られた単物を指しおり、夏の季語なので使う際には注意が必要です。
天気を表現するきれいな言葉集|まとめ
手紙に使えるようなきれいな言葉や、専門的な言葉など天気を表すにも様々な言葉があります。この一部だけでも数多くの表現方法があるとお分かりいただけたのではないでしょうか。
また、天気の話は挨拶の時などによく使われるので、小ネタとしても覚えておくと話題にできるかもしれませんね。
様々なシーンで使える天気を表現した言葉。是非、本記事をお役立てください。