梅雨どきに狙いたい「雨で儲かるギャンブル」の極意

◆雨で狙える公営競技はどれ?

 昔の公営競技ギャンブラーにとって当たり前だった「天気も予想する」こと。今は天気予報も多くの種類があり、雨雲レーダーで何分後に雨が降りそうかも知ることができる。楽になったものだ。雨はレースに影響する。当時新聞やテレビでの天気予報は県庁所在都市に限った1日の予報くらいしか得られなかったので、場所や時間帯の風や雨を天気図から想定するのが一般的だった。

 関東ではようやく梅雨入りとなった昨今だが、ギャンブラーにとってはなんとも悩ましい時期である。雨がどのようにレースに影響するのかを理解すれば「梅雨に強いギャンブラーになれる」かもしれない。そこで今回は競技別に雨が降ったらどう予想すればよいのかを取り上げよう。

◆競馬の場合「しっかり降れば割り切れる」

 競馬の場合、コースに雨水がどれだけ含まれているかが大切で、そのためには馬場状態の発表はもちろん、雨がいつからどれだけの量を降水したのかに注意する必要がある。例えばレース中に晴れていても、前日に豪雨が降り、まだ馬場に雨水が含まれている状態があり得るのだ。

 そのため競馬で雨について気をつけるとすれば「予想するレースの時間までにどれだけの雨が降って、残っているか」が大事になってくる。前売りで購入する場合は「降水量」と「降雨の時間」の予報を大事にしよう。

 また、芝コースとダートコースで一般的に傾向が変わる。芝の場合は芝の根がもつクッション性が雨水によって削がれる形となり、水を含めば含むほどスピードが出にくくなる。ダートの場合は砂浜を想像してもらえれば近いのだが、水分がない乾いた砂の上はパワーが必要だが、ある程度水を含んだ波打ち際では締まって走りやすくなる。

 一番困るのは「微妙に水分が残るか、残らないか」の時だろう。馬場状態の発表に注意せねばならず、前売りで買うのはこの状態が一番しんどい形だ。むしろ雨が降るならしっかり降ってもらったほうが、不良馬場前提で予想が固められるので梅雨の時期は逆に予想しやすい面もある。逆に、夏のゲリラ雷雨などは厄介だ。降ったとてどの程度の降水量なのかを見誤ると的外れになってしまうかも。

◆ボートレースは雨になるとほんのわずかに配当は上がる

 ボートレースの場合、モーターへの影響は雨による湿度によって選手は調整に追われることになることがある。だが、湿度は雨以外でも上下するため、雨に限ってレースへの影響を見るのは難しいところだ。

 そう思ったもののデータを見てみると若干の影響が出ていた。2020年の全レースで雨の時、雨以外の時を比較するとこのようになった。

<3連単平均配当>

雨以外7316円/雨7603円

<1コース1着率>

雨以外56.0%/雨54.8%

 雨が降ると3連単配当が約300円近く上がっている。そしてボートレースにおいて王道のイン1コースの1着を見ると、雨が降ることで1.2ポイント減少していた。ほんのわずかといえばわずかだが、2コースの1着率が雨以外14.3%⇒15.1%と、1コースの減少分のうち3分の2を奪っている形だ。

 推測するならば視界の悪さが影響するのか、モーター調整が難しくなることでインのミスが大きくなるのか……。ただ、「雨が降るとちょっぴり荒れる」というのは小ネタ的に知っておいていいのかもしれない。

◆競輪は体感温度低下で“ガソリン”が必要

 競輪の場合、雨の影響を全体的に集計できるデータベースが一般的に公開されていないため明確な数字を出すことはできないが、民間投票サイトによっては雨のときの選手別成績を見ることができたりする。また、選手によっては雨によって路面抵抗が増しながらも滑りやすくなってしまっている走路に対して得意・苦手をコメントしていることもあるのでチェックすると良いかもしれない。また、競輪の場合はラインが崩れるかどうかも重要だが、過去にラインを組んだ選手同士のレース結果を確認する際に雨だったかどうかを見るのもちょっとしたヒントとなるだろう。

 そして、雨が降ると体感温度が下がるため、寒さで筋肉が萎縮してしまいやすくなるため、追い込みタイプより自力を持つタイプが成績を上げる、という話もある。冬の寒さほどではないかもしれないが、かつて立川・京王閣の場内人気予想屋であった屋号「輪太郎」の予想屋はよく「寒いときはガソリンあるヤツを買わなきゃダメだ」と言っていたものだった。

◆オートレースは走路が濡れたら別競技

 公営競技のなかでも、オートレースが一番雨によって極端に結果が変わる競技だろう。最高時速が150km/hに及ぶため、選手の腕に極端な得意・不得意が存在するだけでなく、走路が濡れて滑るかどうかによってマシンのセッティングを変えなければいけないのである。新聞では晴と雨で別々に全く違う印が打たれているのだが、そういった事情である。

 そのため、雨が降りだすとオッズが急変するのがオートレースだ。夏のゲリラ雷雨が想定される時には締切ギリギリまで2通りのマークシートを用意して空を見上げながら券売機の前をウロウロするオジサマたちで溢れ出す。

 そこで、レース時に雨が降るか降らないかで微妙なときは、ぜひ雨雲レーダーをスマホなどでチェックしてみるのがオススメだ。先に降るかどうかを知れれば、雨のタイミングを読み違えたベテランファンの阿鼻叫喚を尻目に悠々と走路状況に合った予想で的中できてオイシイ配当をゲットできるかもしれない。

◆雨を味方にすれば高配当も……

 スポーツの試合を観ればわかるように、雨などの荒天時は波乱の展開が増える。ギャンブルもまた然り。ならば雨を味方に付けて高配当を狙ってみるのも面白いだろう。

 じめじめした嫌なこの時期、高配当をゲットしてカラッとした気持ちになってみたいものである。 <文/佐藤永記>

―[公営競技生主・シグナルRightのひたすら解説]―

【佐藤永記】

公営競技ライター・Youtuber。シグナルRightの名前で2010年、ニコ生で全ての公営競技を解説できる生主として話題に。現在はYoutube「公営競技大学」を運営。子育てやSE業界の話題なども扱う。Twitter:@signalright

2021/6/18 8:29

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