【小栗旬と星野源が未解決事件の真相に迫る】映画『罪の声』あらすじ・見どころ(ネタバレあり)

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2020年の映画『罪の声』。小栗旬と星野源が共演し、日本で実際に起きた未解決事件をモデルに描いたミステリー作品です。今回は、そんな映画『罪の声』のネタバレあらすじや見どころ、配信情報(2021年5月31日現在)などをご紹介します。

イントロダクション

あらすじ

平成が終わろうとしている頃、大日新聞記者の阿久津英士(小栗旬)は既に時効となっている昭和最大の未解決事件を追う特別企画班に選ばれた。事件の真相を追い取材を重ねる中で、犯人グループが脅迫テープに3人の子どもの声を吹き込んだことが阿久津の心に引っかかる。一方、京都で亡くなった父から受け継いだテーラーを営み家族3人で幸せに暮らす曽根俊也(星野源)は、ある日父の遺品の中から古いカセットテープを見つける。何となく気に掛かり再生すると、聞こえてきたのは確かに幼い頃の自分の声であるが、それはあの未解決事件で犯人グループが身代金の受け渡しに使用した脅迫テープと全く同じ声でもあった。事件の真相を追う阿久津と、脅迫テープに声を使用され知らないうちに事件に関わってしまった俊也ら3人の子供たちの人生が、35年の時を経て、激しく交錯する。

出典元:https://eiga-board.com/movies/92322

キャスト・スタッフ

<キャスト>

小栗旬

星野源

松重豊

古館寛治

宇野祥平

篠原ゆき子

原菜乃華

阿部亮平

尾上寛之

市川実日子

火野正平

宇崎竜童

梶芽衣子

<スタッフ>

監督:土井裕泰

脚本:野木亜紀子

原作:塩田武士「罪の声」(講談社文庫)

本作の見どころ

重厚感ある本格ミステリー

日本で実際に起こった未解決事件をモチーフにした本作。
実際の事件とフィクションを織り交ぜることで、ミステリーとして観客を惹きつけ、見ごたえのあるものに仕上がっています。

複雑に絡み合った人間ドラマ

そんな本作のもう一つの魅力が、ミステリーの裏に秘められた人間ドラマ。
世の中を変えてしまうような未解決事件だけでなく、その壮大なストーリーの中にあった、それぞれの人生をもしっかりと描くことで、心にグッと訴えかけ観る者の共感を呼ぶような一作となっています。

キャスト陣の熱演

そしてそんな本作を支えるのがキャスト陣の熱演。
小栗旬や星野源はもちろん、事件によって大きく人生を左右されることとなった聡一郎を演じた宇野祥平など、実力派キャストが強い存在感を発揮。
作品をより深みのあるものにしています。

主な登場人物

・阿久津英士(演:小栗旬)
大日新聞大阪本社の記者。
かつては社会部の記者だったが、現在は演劇などの文化面を担当。
この度、発生から30年以上経ちすでに時効を迎えている「ギン萬事件」の特集記事を担当することになる。

・曽根俊也(演:星野源)
京都で父の代から続くテーラーを営む。
妻子とともにささやかな毎日を過ごしていたが、ある日「ギン萬事件」の脅迫テープに自分の声が使われていたことが発覚。
激しく動揺しながらも事件の真相に迫っていく。

・水島洋介(演:松重豊)
大日新聞の元社会部記者で「ギン萬事件」発生時、担当記者として事件を追っていた。
事件を調べることになった阿久津に、当時の情報を与える。

・鳥居雅夫(演:古館寛治)
大日新聞社会部デスク。
「ギン萬事件」の特集記事の企画班に阿久津を抜擢する。

・生島聡一郎(演:宇野祥平)
「ギン萬事件」のテープに自分の声を使われた子どもの1人。
事件発生当時はまだ小学生であった。

・生島望(演:原菜乃華)
とある夢を持っていたが「ギン萬事件」でテープに声を使われたことで、人生が大きく変化していく。

・生島千代子(演:篠原ゆき子)
望と聡一郎の母。
「ギン萬事件」によって大きく翻弄されていく。

・生島秀樹(演:阿部亮平)
望と聡一郎の父。
かつては滋賀県警の警察官だった。

・曽根光雄(演:尾上寛之)
俊也の父であり、テーラーを営んでいたが数年前に他界。

・曽根亜美(演:市川実日子)
俊也の妻。
俊也との間に5歳になる娘がいる。

・河村和信(演:火野正平)
スーツの仕立て職人。
俊也の父・光雄を古くから知る。

・曽根達雄(演:宇崎竜童)
俊也の伯父であり、光雄の兄。

・曽根真由美(演:梶芽衣子)
俊也の母。

あらすじ(ネタバレあり)

「ギンガ萬堂事件」

2018年、京都で親の代から続くテーラーを営む曽根俊也(星野源)。
俊也は、妻の亜美(市川実日子)と娘の詩織とともに、ささやかながらも幸せな日々を送っていました。
ある日、俊也は押し入れの奥から亡き父・光雄の遺品が入った箱を見つけます。
懐かしさを覚えながら中身を見る俊也でしたが、そこに「1984」と書かれたカセットテープと英語がびっしり書かれた手帳を見つけます。

一方、イギリスでは記者の阿久津英士(小栗旬)が30年以上前に発生した、とある事件の取材をしていました。
それは、1984年に発生した「ギンガ萬堂事件」。
1984年3月に、「くら魔てんぐ」という犯行グループが食品メーカー「ギンガ」の社長を誘拐し10億円の身代金を要求するという事件が発生。
結局社長は解放され身代金は支払われなかったものの、その後犯人たちは今度は消費者の命を人質にし、再び身代金を要求、金を払わなければ店頭の商品に致死性の青酸ソーダを入れると脅迫します。
同様の脅迫は「萬堂製菓」にも及び、犯行グループは、企業には脅迫状を、警察やマスコミに挑戦状を送り付けます。
全部で6社の企業が脅迫され、事件には130万人もの警察官が動員。
捜査員の目撃証言をもとに「キツネ目の男」の似顔絵が犯行グループの姿だとして紙面をにぎわせましたが、結局真実は分からないまま事件は時効を迎えました。

大日新聞では「ギンガ萬堂事件」から30年の特集企画を組むことになり、阿久津はそのメンバーに抜擢。
「とっくに時効になった事件で今更調べても何も出てこないだろう」とあきれ顔の阿久津でしたが、社会部のデスクである鳥居(古館寛治)は「35年たった今だからこそ負い目を感じ証言する者が出てくるかもしれない」と意気込みます。

オランダでは「ギン萬事件」の1年前に既に同様の事件が発生しており、阿久津は「当時事件について執拗に調べていた男がロンドンにいた」という情報を得て、イギリスへと向かいます。
その男は中国人だという証言を得た阿久津。
その男のその消息は分からないものの、阿久津はその交際相手であったジャーナリストの女性の情報を得ます。
現在は大学教授をしているという女性。
阿久津はその中国人の男のことを尋ねますが、女性は「親しくしていた中国人なんていない」と言い、キツネ目の男の顔にも見覚えがないと答えます。

光雄の兄

その頃、俊也は何となく気にかかっていたカセットテープの中身を聞いてみることに。
父・光雄と幼い自分の声に顔が綻ぶ俊也でしたが、その中に幼い自分が謎の文章を読み上げる声が入っていることに気づきます。
カセットテープと一緒に保管されていた手帳に「GINGA」「MANDO」と言う文字を見つけた俊也。
インターネットで調べると「ギンガ萬堂事件」という未解決事件がヒット。
その事件では、犯行グループの脅迫テープに子どもの声が使用されていました。
その脅迫テープの声とは、先ほど聞いた幼き自分の声だったのでした。
俊也は、幼い自分が読み上げていたのは「ギン萬事件」の脅迫文であったことを知り激しく動揺します。

俊也は、父・光雄のことをよく知るスーツの仕立て職人の河村(火野正平)に手帳を見せてみることに。
光雄は英語が堪能ではなかったこと、筆跡が光雄とはどこか違うことを話すと、河村は「達雄のものではないか」と言います。
達雄は光雄の兄であり、俊也は幼い頃「達雄はすでに亡くなった」と聞いていました。
当時過激派に傾倒しており、警察にマークされていたという達雄。
俊也は入院中の母・真由美(梶芽衣子)に話を聞いてみます。
真由美曰く「光雄とは折り合いが悪く、真由美も何度か会った程度だった」という達雄。
しかし一度、達雄は仕事が忙しい光雄に代わって俊也を「阪神パーク」に連れていってくれたといいます。
家に帰り、俊也がアルバムを見てみると、そこには「阪神パーク」のキャラクター「レオポン」と写る幼き俊也の姿がありました。

株価操作

「ギン萬事件」について取材を進める阿久津。
当時、事件の担当記者だった水島(松重豊)から渡された資料を調べていた阿久津は「ロンドンを軸とした外国人投資家の株売買が増加している」という記事を見つけます。
その記事を見た鳥居は、当時「身代金を一円も手にできなかった犯人グループだが、本当の目的は身代金ではなく株価操作だった」という噂があったと呟きます。

阿久津が、当時証券会社に勤務していた立花という男に話を聞くと、立花は「これは外国人投資家ではなく日本人によるもので、国内での買いを海外での買いに見せかけていたのでは」と推測します。
一定の保証金を積むことでまだ買っていない株を売ることができる「空売り」。
「高い値段で売り、株が下がったところで買って、その差額をもうけにする」というやり方であり、立花曰く、株価が下がることを事前に知っていれば「空売り」は仕掛けられるといいます。
その話を聞いて、犯行グループが企業への脅迫文だけでなくマスコミに挑戦状を送っていたことを思い出した阿久津。
実際に当時、企業が脅迫を隠そうとしても、挑戦状を送られたマスコミが記事を書くことで「ギンガ」や「萬堂製菓」の株価が下がるという事態が発生していました。

生島

その頃俊也は、父・光雄の幼なじみだった藤崎に話を聞いていました。
達雄とも幼なじみだったという藤崎。
藤崎は俊也に、「ギン萬事件」が起こる少し前に、達雄が食品会社に勤めていた藤崎のもとを訪れて食品会社の株の値動きについて聞いてきたことを打ち明けます。
藤崎曰く達雄は「ギンガ」に対し特別な想いを抱いていました。
それは光雄と達雄の父であり、俊也の祖父のこと。
光雄と達雄の父は、当時「ギンガ」に勤めていましたが、当時学生運動から悪化し激しさを増していた党派によるつぶし合いに巻き込まれ死亡。
祖父は闘争に関係のない一般人でしたが、「ギンガ」は曽根の祖父を過激派の一員だと思い込み、線香の1本もあげに来ませんでした。
それを達雄はひどく怒り、会社や社会を恨み、反資本主義的な過激派の活動に傾倒していったといいます。
達雄と藤崎が最後に連絡を取ったのは「ギン萬事件」の年の秋。
その時「し乃」という割烹料理屋から電話をしてきたという達雄。

その話を聞いた俊也は「し乃」を訪れ、板長の佐伯に当時の話を聞こうとしますが「ギン萬」という言葉を出すと、佐伯は口をつぐんでしまいます。
俊也は佐伯に「脅迫文に使われていた子どもの声の主は自分だ」と告白、思い詰めた想いを吐露し、叔父・達雄のことや事件のことなど知っていることを何でも教えて欲しいと頼み込みます。

そんな俊也の様子を見て「し乃」が犯行グループたちの会合に使われていたことを明かす佐伯。
俊也が写真を見せると1人の男が佐伯の目に留まります。
その男の名は生島秀樹。
達雄や光雄の道場仲間で元警察官だった臼井によると、生島は、かつて滋賀県警で暴力団関連の刑事をしていましたが、ヤクザから賄賂をもらっていることが明らかになりクビになったといいます。
望(原菜乃華)という娘がいたという生島。
しかし警察をクビになって数年後、生島らの一家は突然姿を消してしまったのでした。

3つの声

「ギン萬事件」では3つの声が使われていました。
1つめは「ギンガ」の脅迫に使われた女性の声、2つめは「萬堂製菓」の脅迫に使われた男の子の声、そして3つめが「ホープ食品」の脅迫に使われた男の子の声。
最新の声紋鑑定で、女性の声は16歳前後、男の子の声は6歳と8歳前後の別々の子どもの声だということが明らかになっていました。
阿久津は、犯行グループにいたこの3人の子どもたちが、今どうしているのか気になっていました。

1984年11月14日

俊也は、道場に残っていた生島家の住所から望の通っていた学校にあたりをつけ、望の当時の担任だった大島と会うことに。
大島によると、聡一郎という弟がいたという望。
望は、字幕翻訳家になるという夢を持ち留学を考えていました。
ただ「父である生島が仕事を辞め、望の家庭は決して裕福ではない」と聞いていたため、その話に違和感を覚えたという大島。
そして教職員の間でも、生島とヤクザが繋がっているという噂が回っていたといいます。
そして、望たち生島一家は1984年11月14日に姿を消したのでした。

それと同じ11月14日は「ホープ食品脅迫事件」の現金の受け渡し当日でもありました。
空前の規模の人員と装備で犯人逮捕に臨んだ大阪府警。
犯人グループの指示通り大津に向かうと、大津サービスエリアでキツネ目の男が目撃されます。
しかし、上層部は犯行グループの一網打尽を目論んでいたため、キツネ目の男は職務質問をされませんでした。
そして大津の次の指示は「名古屋方面へ向かえ」という指示が。
「高速道路の柵の白い布の下の空き缶を見ろ」という指示でしたが、いざ捜査隊が現場に向かうといくら探しても空き缶は見つからず、犯人の指示もそこで途絶えたのでした。
そしてちょうどその頃、滋賀県警の警官が高速道路の下で不審な車を見つけていましたが、大阪府警から現金の受け渡しのことを知らされていなかった警官隊は、犯人グループと気づかないまま逃げられてしまいます。

阿久津は「ギン萬事件」の目的は、警察とマスコミを翻弄する株価操作だと考えていましたが、当時の担当記者だった水島は「この大津の事件の時は現金を本当に受け取りに来ていたのでは」と言います。
水島曰く「大津の事件以降、犯人グループの動きはどこかまとまりのないものになった」と言い、それを聞いた阿久津は「大津を境に何かがあったのでは」と推測します。

し乃での会合

当時の取材ノートに「事件を予言 ヤマネ」という走り書きを見つけた阿久津。
水島曰くそれは事件に関するタレコミでした。
当時そのタレコミをした藤井と言う男に会いに行った阿久津。
藤井曰く、山根という男が「次はホープ食品が狙われる」と言い出したといいます。

阿久津は、現在は窃盗で服役をしているという山根に面会に行くことに。
山根曰く、トラックの無線でたまたま「ホープの仕込み」や「底値を買い」「ソーダ」という言葉が聞こえ、「ギン萬事件」に関する内容だとピンと来たといいます。
そして山根は、森本という男が聞いていた周波数に合わせてそれをこっそり聞いたと言い、森本はテン丸、相手は牛若丸と名乗っていたといいます。
山根の証言を受けて事件の資料を調べてみると、その中に森本哲司という前科三犯の自動車窃盗犯の名が。
当時「ギン萬事件」の犯行に使われた車の出どころが森本ではないかと噂されていました。

阿久津は、森本が働いていたという中古車屋に向かい、森本の幼なじみだった秋山に話を聞きます。
「ギン萬」の頃に辞めたという森本。
当時刑事には話さなかったものの、秋山は森本が怪しいと感じていたといいます。
阿久津は秋山からある写真を見せられます。
そこには秋山や森本、そして「キツネ目の男」が写っていました。
秋山曰く、キツネ目の男は林という名前で、森本が友人として連れてきたといいます。

森本と親しかった女性が堺にいるという情報を得た阿久津は、割烹料理屋の「し乃」を訪れます。
女将の志乃に話を聞こうとしますが、志乃は阿久津を門前払いします。
しかしその後、阿久津は板長の佐伯に話を聞くことに成功。
佐伯曰く犯行グループは、「し乃」での会合の際、事件で警察を挑発するために使われた「新春警察かるた」を作っていたといいます。
佐伯曰く、そこには9人ほどがおり、森本と柔道をやっていたであろうガタイのいい男、そして刈り上げの男がいました。

株価操作の話をしていた立花という男が、刈り上げ頭の男の話をしていたことを思い出した阿久津。
立花にその刈り上げ男の写真を送ると、この顔で間違いがないとの返事が。
立花の仲介で、ニシダという男との接触に成功した阿久津。
ニシダ曰く、その刈り上げの男の名は吉高弘行。
ニシダはかつて吉高に株を教えたといいます。
吉高には株取引に際して上東忠彦というスポンサーがいたと話しますが、ニシダは吉高の消息は全く知らないと言います。
そしてニシダは「この世界で姿を消すということは、しくじったということだ」と呟きます。
ニシダや立花曰く「犯人グループが、引き際が肝心な株取引で本来引くはずのタイミングに、まだ売ることを考えているのだとしたら思ったよりはもうけが出なかったのでは」と推測。
そして立花は、吉高らの株取引に出資したものの中に「永田町」関係者がいたことを匂わせます。

「永田町」が絡んでいるとなれば、これ以上取材したところで明らかになることは少ないだろうという水島。
行き詰まった阿久津は取材する際に録音したテープを聞き、なにか手掛かりはないかと探します。
そして阿久津は、板長の佐伯が「自分のことを誰かから聞いたのか」と気にする様子を見せていたことを思い出します。
佐伯から、俊也のことを聞き、俊也の営むテーラーを訪れた阿久津。
「テープを聞かせてほしい」と阿久津は頼みますが、俊也は「時効を迎えた真相を知ったところで意味がない、真実を明らかにしたいというのは自己満足だ」と突っぱねます。

俊也の言葉に、時効になった「ギン萬」を追うことに今更どれだけの意義があるのかと葛藤する阿久津。
それに対し鳥居は「ギン萬を追うことはマスコミの責任を問い直すことだ」と語りますが、阿久津は「マスコミの反省のために曽根を利用するのはおかしい、結局エンタメとして消費しているだけでは」と返します。

津村

望の担任だった大島から連絡を受け、望の友人だった幸子から話を聞くことになった俊也。
実は、失踪してからも連絡を取っていたという望と幸子。
望は、2ヶ月に1回ほどのペースで、公衆電話から連絡してきたといいます。
失踪した日の朝、父の友人が家にやってきて、父が殺されたことが発覚、このままでは望たちも青木に殺されると言われ、今すぐ家を出ることになった望たち。
それから望たちは、生島の友人である山下の家に住んでいましたが、そこから建設会社の寮に引っ越すことに。
何度目かの電話の時、望は幸子に「ギン萬事件」に自分と弟の声が使われたと告白します。
そして、翌年の7月に望から「会いたい」と連絡が。
大阪にあるギンガの看板の前で2人は待ち合わせしていましたが、いくら待っても望は来ず、それから電話がかかってくることもなくなったといいます。
俊也のことを聞いてどこか安心したという幸子は「望もどこかで幸せに暮らしてますよね」と祈るように言うのでした。

ある夜、妻の亜美に事件のことを打ち明けた俊也。
そこから俊也は、阿久津に連絡を取り、テープの声を聞かせることに。
俊也は阿久津に、叔父・達雄の手帳を見せる代わりに、望と弟の聡一郎を探してほしいと頼みます。
取材で青木が「ギン萬事件」に関与していることを特定していた阿久津は、生島が犯人グループの一味であるはずの青木に殺されたことに驚き「望たちが失踪した日」と「犯人たちの動きに変化が表れた大津の攻防の日」がいずれも11月14日と、同じ日であったことから、犯人グループの中で仲間割れが起きたのではと推測します。
望たちが建設会社の寮に引っ越したことを聞いた阿久津は、それが京陽建設という青木が経営する会社であると特定。
俊也と阿久津は、望たちが捕まってしまい青木に連れていかれたのではと推測します。

阿久津と俊也は京陽建設があった場所に向かい、聞き込みをすることに。
京陽建設があった当時のことを知るという男性曰く、望の弟である聡一郎はツムラという男に懐いていました。
その津村(若葉竜也)は、「ギン萬事件」の6年後に京陽建設で放火殺人を起こし、聡一郎も津村とともに逃げたといいます。

津村が入り浸っていた雀荘の情報を手に入れた俊也と阿久津。
元オーナーの須藤の話では、津村は博打での中抜きが組にバレて殺されそうになったものの、舎弟のような子が監禁されていた津村を助け、火をつけたといいます。
須藤に津村の居場所を聞き、四国に向かう阿久津と俊也。
津村の行きつけだった雀荘の店員・今西の話では、酔っぱらうと「火をつけて殺した」ことをよく話していたという津村。
聡一郎については津村が何年か面倒を見ていたものの、聡一郎のことが重荷になり、女性と暮らすことになった際、出ていってもらったといいます。
その後、京陽建設に出入りしていた関係者が、聡一郎が岡山の津山インター近くの中華料理屋で働いているところを目撃。

その中華料理屋に向かい、店主の三谷夫妻に聡一郎の所在を聞くものの、話すことはないと突っぱねられてしまう阿久津と俊也。
2人は聡一郎の居場所を教えてほしいと頭を下げます。

三谷夫妻から聡一郎の連絡先を聞き、俊也は聡一郎に電話を掛けることに。
しかし、ちょうどその時聡一郎(宇野祥平)は自らの命を絶とうとしていました。
自らもテープに使われた子どもであることを明かし、望や聡一郎の無事を確かめようとする俊也の声に、聡一郎は声を詰まらせます。

聡一郎

阿久津と俊也は、聡一郎と「ギンガ」の看板の前で待ち合わせをします。
「自分のせいで姉・望がここに来れなかった」とこぼす聡一郎。

山下の家にいる際に青木組に見つかり、京陽建設に連れていかれ軟禁状態になった聡一郎たち。
このままの生活に絶望を感じた望は、家を飛び出そうとします。
荷物をまとめて出ていく望に聡一郎が声をかけると、「クリームソーダを食べに行こう」と言う望。
聡一郎が喫茶店でクリームソーダをほおばっていると、望は「トイレに行ってくる」と言い、店から出ていってしまいます。
望の姿に何かを感じ取った聡一郎は望を呼び止めます。
「いつか必ず迎えに来る」と告げ望は去ろうとしますが、キツネ目の男・林が望を追ってやってきます。
林と揉みあいになった望は、林に道路に突き飛ばされ、自動車に轢かれてしまいます。
その後、聡一郎も捕まり林に「静かに暮らさなければ母親も死ぬ」と脅されます。

そこからはおとなしく暮らしたという聡一郎。
母・千代子(篠原ゆき子)は会社の雑用をさせられ、聡一郎も青木組で使い走りをしていました。
その中で度々聡一郎を助けていたのが津村でした。
しかしある日、津村が組の者に殴られ監禁されてしまいます。
聡一郎はロープで縛られた津村を助け、津村と2人でガソリンを撒き、火をつけます。
聡一郎は千代子のことも助けようとしますが、千代子は自分は大丈夫だから早く逃げるよう叫び、聡一郎はそこから逃げ去ります。
千代子とはそれきり会えていないという聡一郎。
津村としばらく暮らし、その後、三谷夫妻のもとで働くように。
子どものいなかった夫妻は聡一郎のことをとても可愛がってくれたといいます。
10年ほど世話になったものの、ある日京陽建設の関係者が店にやってきて聡一郎だと気づかれてしまいます。
聡一郎は、三谷夫妻に迷惑をかけないよう、岡山を出ることに。
その後仕事を転々とした聡一郎は、やっと靴修理の店で働けるようになるものの、目が見えにくくなってしまい、保険証も持っていないため病院にも行けず、解雇されてしまいます。

真相

聡一郎の話を聞き、阿久津は「もう逃げなくていい、青木組は解散した」と告げます。
聡一郎が送ってきた壮絶な人生に言葉を失う俊也。
聡一郎に「曽根さんはどんな人生だったんですか」と問われますが、俊也は今まで事件について何も知らずに普通に暮らしてきた自分自身に罪悪感を覚えます。
自らを責める俊也の姿を見て阿久津は「ロンドンに行き、本当の罪人を引きずり出す」と決意します。

ロンドンに着いた阿久津は、元ジャーナリストで今は大学教授をしている女性のもとを再び訪れます。
「親しくしていたのは中国人ではなく日本人で、それが曽根達雄である」と阿久津が問うと、女性は否定せず、阿久津に達雄の居場所を告げます。

ヨークにある一軒の店を訪れた阿久津。
そこは、1人の日本人が営む古書店。
その日本人こそが、曽根の伯父である達雄(宇崎竜童)でした。
阿久津が大日新聞の記者であることを名乗り「ギン萬事件」の話を聞かせてほしいと言うと、途端に警戒心を露にし顔をしかめる達雄。

一方、俊也の自宅では母の真由美(梶芽衣子)が入院から一時帰宅していました。
押し入れの中からテープと手帳を探す真由美。
その様子を見た俊也が、テープと手帳の話を切り出すと真由美は「知らない方がいいこともある」と返します。
「自分の子どもにこんなことをさせた達雄を恨んでいるか」と問う俊也。
俊也は、初めは達雄と阪神パークに行ったときに声を録音されたと思っていましたが、達雄と阪神パークに行ったのは11月15日、曽根の声がテープに使われたホープ食品脅迫事件が起こったのは11月14日だったと告げ、「声を録ったのは誰」と問います。
それに対し真由美は「私があなたの声を録った」と打ち明けます。

ヨークの街を歩きながら、達雄の話を聞くことになった阿久津。
1983年、日本での活動に疲れロンドンで暮らしていた達雄のもとに、生島がやってきます。
生島は県警をクビになり、大きな儲けが欲しいと相談しにやってきました。
その頃、オランダでは「ベックマン」の社長が誘拐される事件が起こっており、達雄はそれを模倣すればうまくいくのではと思いつきます。
ただ、事件について調べれば調べるほど身代金の受け渡しは成功しないと感じた達雄は、代わりに大々的な報道を利用し株で儲けを出そうと考えます。

生島が中心となってメンバーを集め、生島や達雄の他に、京陽建設を経営する青木、「キツネ目の男」と呼ばれた林、中古車の調達をした森本、金を調達する上東、株の売買をしていた刈り上げ頭の吉高、生島の後輩の山下、電話会社に勤めており無線や逆探知にも詳しい谷という面々が集まりました。

初めは、大方の動きも予想した通りで計画は順調に進んでいました。
しかし1984年11月、儲けが予定より出なかったことで、青木や森本は株価操作を計画した生島や達雄を責めるように。
元々寄せ集めのメンバーであり、一枚岩になることは簡単ではありませんでした。
「ホープ食品脅迫事件」では、阿久津たちの読み通り、現金を受け取ろうとしていた犯行グループ。
早く現金が欲しかった生島は、結局青木たちの計画に乗ることにし、生島は青木に話をつけに行きますが、その日、青木に殺されてしまいます。
達雄と山下は生島家に向かい、望と聡一郎、千代子を奈良にある山下の家に逃がすことに。
その夜、達雄と山下は高速道路に空き缶を置きに行く手はずでしたが、生島を殺した報いとして青木たちに現金を受け取らせないようにしようと、達雄と山下は計画を実行しませんでした。

事件での脅迫状は主に青木が、マスコミへの挑戦状は達雄が作成。
阿久津が「金のために大勢を不幸にした」と言うと、達雄は「金のためではなく自分にとっては闘争だった」と反論します。

「正義」

俊也の母・真由美が中学生の頃、真由美の父が窃盗で逮捕されてしまいます。
ですがそれは濡れ衣で、落とし物を交番に届けたにも関わらず、中に入っていた現金を盗んだと疑いをかけられてしまったのでした。
犯人は交番の警官だったにも関わらずそれはもみ消され、父親は勤めていた会社をクビになり、絶望のうちに自殺してしまいます。
その怒りから学生運動に参加し、権力に反発するようになったという真由美。
しかし学生運動はだんだん下火になり、次第に過激な思想の人たちしか残らなくなりました。
真由美も運動を辞め、百貨店に就職。
そしてそんな時、テーラーだった光雄と出会います。
光雄は念願だった自分の店を開業し、息子の俊也も生まれ、真由美も穏やかな日々を過ごしていました。
しかしそんな時、ロンドンから帰ってきた光雄の兄が訪ねてきます。
それが、かつてともに学生運動で活動していた達雄だったのでした。
その時は互いに初対面のふりをした真由美と達雄。

しかし、1984年11月に達雄から電話がかかってきます。
真由美に用があると告げた達雄は「ギン萬事件」のことを話し真由美に俊也の声を録音するよう頼みます。

「なぜ達雄の言うことを聞いたのか」「自分の子どもの声が犯罪に使われることに抵抗はなかったのか」と問う俊也に「警察や社会に対する怒りで奮い立っていた」と語気を強める真由美。
真由美に「それが本当に望みだったのか」「テープのことを知った時自分は苦しみ、今も苦しい」「この先も声の罪を背負っていくのは自分だ」と気持ちを吐露する俊也。

足がつきにくくするため子どもの声を使ったという達雄に「子どもを巻き込むことに躊躇はなかったのか」という阿久津が問うものの、達雄は答えを濁します。
そして達雄は「学生運動で権力に抵抗した自分たちは正義だった」「社会は変わらない一方で生島から話を持ちかけられた時、学生運動の時の感覚が蘇り、奮い立った」「警察、社会、そして日本にこの国はいかに空疎かを見せつけてやった」と強く語ります。
そんな達雄に「空疎な国を見せつけて何か変わったのか」「社会に一矢報いるつもりで犯罪をして何が残ったのか」と問う阿久津。
達雄のかつての恋人が達雄のことを「fossil(化石)」だと言っていたのを思い出した阿久津は「あなたは今も1984年のままだ」と言います。
「あなたがしたことは子どもたちの運命を変え、未来を壊しただけであり、正義などではない」と告げる阿久津。
俊也の現在について問う達雄に、阿久津は「誰かや社会を恨むことがあっても決してあなたのようにはならない」との俊也からの伝言を伝えます。

再会

それからしばらくが経った日。
阿久津が書いた記事がスクープとして紙面を飾ります。

聡一郎は、俊也が仕立てたスーツを着ていました。
向かう先は会見場。
聡一郎は母を探すために会見を開くことに決めたのでした。

阿久津とともに、ある老人ホームを訪れた聡一郎。
そこには母・千代子がいました。
あの日、自分だけ逃げてしまったことを謝る聡一郎を、ぎゅっと抱きしめる千代子。
望の写真を見ながら「会いたい、声が聴きたい」という千代子を見て聡一郎は阿久津にあのテープを聞かせてほしいと頼みます。
テープの望の声を聞きながら涙を流す、聡一郎と千代子。


そして迎えた「令和」。
ある日俊也の店を訪れた阿久津は、スーツを作りたいと頼みます。
俊也はこれまでと同じようにテーラーをしながら妻子と暮らし、阿久津は現在は再び社会部で記者をしていました。
今を生きる互いの姿に、阿久津と俊也は互いに微笑みあうのでした。

配信情報(2021年5月31日現在)

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罪の声

罪の声

2020年/日本/142分

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