ハワイでワクチン接種した日本人「予約はガラ空き。バンド演奏まであった」

 200以上の国や地域で始まっている、新型コロナウイルスのワクチン接種。その中でも世界をリードするアメリカでは、どうなっているのでしょうか?ハワイ在住の筆者が先日、ワクチンを接種してきましたので、その様子をご紹介します。

◆ワクチン接種の予約はオンライン

 ハワイ州では、医療従事者や長期介護施設入居者などを優先的に、2020年12月からワクチンの接種がスタート。筆者が当てはまる「16歳以上」は、4段階の接種計画のうち、一番最後の4段階目です。4月下旬からこの4段階目も対象となり、さっそくワクチン接種を予約しました。

 予約は、ハワイ州保健局の新型コロナウイルスの特設サイトから。自分の住んでいる郡(オアフ島はホノルル郡)を選択すると、ワクチン接種会場が一覧とマップでリストアップされます。オアフ島には、大型の接種会場が9か所設けられていました。さらに、アメリカ全土で展開する大型のドラッグストア「ロングス」「ウォルグリーン」、スーパーマーケットの「コストコ」「セーフウェイ」「タイムズ」などでも接種できます。

 アメリカやハワイの大型スーパーには、たいてい薬局が併設されていて、買い物の途中で処方薬を受け取ることができるんです。さらに、そのような薬局では普段からインフルエンザの予防接種も行っていて、新型コロナウイルスのワクチン接種も対応できるようになっているんです。ざっと見ても、筆者の自宅近く、徒歩15分圏内だけでも接種できる場所が5か所ほどありました。

◆予約状況は空きだらけ、ハワイと日本の差は何なんだ

 また、接種会場や曜日ごとに、ファイザー社とモデルナ社のワクチンを使うことが明記されています。これを見て、自分の都合のいい時間と場所、メーカーを選んで、予約をしていくことになります。

 日本では「接種券」が郵送で届き、それから予約を取らなければならないシステムだそうですが、こちらではそんな仕組みは無し。ニュースなどで自分が接種対象になったとわかったら、自分でオンラインで予約する方法です。「やりたい人は、自分で調べて予約してね」というアメリカらしいスタイルですが、スピーディに接種を進めるためには、このやり方が功を奏しているのかもしれません。

 ちなみに、現在は予約無しも受け付けている会場が増えており、予約状況は空きだらけ。「すでに先約で埋まっていて、全然予約できない」なんてことも、まったくありませんでした。また、ワクチンの接種は、無料です。

◆自宅から歩いて15分くらいの大型会場へ

 筆者は、自宅から歩いて15分くらいの大型会場の1つをチョイス。この会場では、曜日ごとに使われるワクチンのメーカーがファイザーとモデルナのどちらかに決められていました。筆者は、周囲に打った人が多いというファイザーを選びました。

 まずは受付で、写真付き身分証明書と健康保険のカードを提示。「これまでに新型コロナウイルスにかかったことはありますか?」「これまでに重症のアレルギー症状が起きた経験はありますか?」など、10問程度の質問が書かれた問診表に記入を行い、連絡先、名前の記入と署名をしました。

 その後は、会場内に進んでいよいよワクチンの接種です。担当の看護師さんが、ワクチン接種後は水をたくさん飲んで、もし具合が悪くなったときは体を休めるように、と注意事項を説明。よくある副作用については、腕が痛くなったり腫れたりするほか、発熱やだるさなどがあるそうです。これらの内容を説明した後、2回目の接種の予約をその場で取り、いよいよ注射。

◆会場は生バンドの演奏付き!あっという間に終了

 腕の上部に針が刺されたときは、少しチクッとしましたが、ほんの5秒程度ですぐに終了。血液検査で刺される注射よりずっと痛みが少なく、あっという間。受付から接種まで、15分ほどで終わりました。

 その後は、接種会場の外に設けられた休憩スペースで15分間休むように指示を受け、飲み水をもらって休憩。待っている間に飽きないようにするためなのか、地元のバンドが生演奏を行っているところが、なんとものんびりしたハワイらしかったです

◆気になる副作用は…?

 すでにワクチンを打った人に聞いてみると、まったく何も起きなかった人もいれば、具合が悪くなったという人もいたり。筆者は以前、インフルエンザのワクチンを打った後に熱っぽくなった経験があったので、今回のコロナのワクチンでもなんらかの副作用が起きるのではないかと覚悟していました。

 ところが結果は、まったく痛みなどの副作用は無し。いつもと変わらない生活を送ることができています。話によると、2回目の接種後の方が副作用が起きやすいようなので、次回の接種のときも体調を整えて行こうと思っています。

◆ハワイのワクチン接種率

 現在、ハワイのワクチン接種率は、2回とも完了した人は全人口の47%、1回だけ完了した人も含めれば55%。アメリカ国内でも接種率が高い方で、コロナ前のような生活に戻れる日が近いと感じさせてくれます。

 その一方で、日本を含めワクチンの接種が進んでいない国が世界では多く、まだたくさんの方が感染したり亡くなったりしていることをニュースで耳にしています。アメリカはワクチン開発国なので、これだけ簡単にワクチンを接種できるのは、確かに特権のひとつです。でも、世界でワクチン格差がどんどん拡大していることを実感すると、もっとワクチンを必要としている人に届けてほしいと、なんともやるせない思いも感じたのでした。

<文/佐藤まきこ>

【佐藤まきこ】

女性誌のエディターやファッションビルの広告・プロモーションのプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのエディター・ライターへ。ハワイ在住。Instagram:@hawaii_milestone

2021/5/24 8:46

この記事のみんなのコメント

1
  • いち(

    5/25 10:12

    ワクチン接種ツアーでもやってみたら?

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