気遣い上手な女性がやりがちな、“デート中のNG会話”。美人でもハイスペ男子に選ばれないワケ
今週のテーマは「完璧な女が振られたわけは?」という質問。さて、その答えとは?
▶【Q】はこちら:「まだ若いから大丈夫」そう思っていた28歳女の誤算。経営者の男がなびかなかったのは…
真由香と二度目のデートを終え、飲み足りない僕は行きつけのバーにひとりでフラッと入る。
「あれ?潤さん、今日はひとり?」
マスターにそう問われ、僕は思わず真由香のことを話してしまった。
「さっきまでデートしていたんだけどさ。可愛くて、いい子なんだけど…なんか違ったかも」
「そっか」
静かな時間が流れる。その間に、僕はウイスキーを飲みながら考える。
可愛いし、聞き上手で性格もきっと穏やかであろう28歳の真由香。スタイルもいいし、悪い点はどこにも見当たらない。
でも僕は、二度のデートでもうお腹がいっぱいになってしまった。
それは真由香に限らず、「いい男を捕まえたい!!」と必死になっている女性あるあるな気がする…。
A1:すごく気を使う子なのかな?と思った。
真由香と出会ったのは、食事会だった。
食事会といっても、いつも仲間が開いているような、男性側は「男だけで飲むのはあれだから、誰か女性がいたら呼ぼう」くらいのノリの集まりだ。
そんな会にいたのが、真由香だった。
顔が小さくてでも目が大きくて、小柄なのに出るところは出ていて可愛い真由香に、真っ先に目がいった。
「いや〜ついに別れちゃって。新しい人を探そうと思ってるんだよね」
つい先日、彼女と別れた僕の話を真由香が聞いていたのかどうかはわからないけれど、僕は積極的に話しかけてみる。
「真由香ちゃんって、モデルさん?それか、何かそっち系の芸能の仕事しているの?」
「私ですか?いえ、普通の一般人ですよ」
最初は警戒されていたのかもしれない。でもデートに誘うと、あっさりとOKしてくれた真由香。
「真由香ちゃんって、本当に可愛いよね。今度デートしようよ」
「わかりました」
こうしてデートへ行くことになったのだが、ちょうどタイミング良く、『長谷川 稔』の予約が取れている。「気合が入っている」という意思を示すためにも、せっかくなので連れて行こうと思った。当たり前だけど、大事な人以外連れて行くつもりはない店だ。
「潤さん、さすがですね。私、このお店ずっと来てみたかったんです」
自分の好きな店を、気に入ってもらえるのは嬉しい。これは誰もがそう思うだろう。
「そう?よかった。何飲む?真由香ちゃんは普段、何を飲む人?」
「私は、何でも。潤さんは何にされますか?」
「僕は一杯目はビールにしようかな」
「じゃあ、私も同じのをいただきます」
初めは、順調に進んでいた。巨匠が織りなす料理は何度訪れても最高で、毎回心の奥底から感動する。
超プレミアな、この席。今回もお酒も食事もすべてゆっくりと味わいながら、堪能する。
しかし会話を進めていくうちに、僕はだんだんと“こそばゆく”なってきた。
「え!あのデザインも潤さんがされたんですか?すごいですね!」
仕事の話を少しすると、大袈裟なくらいに褒めてくる真由香。
「そんなすごくないよ。知っていた?」
「はい、もちろん。知らない人、いないですよね?」
褒めてもらえるのは嬉しいけれど、そこまでオーバーに言われるとさすがに恥ずかしい。
「そんなことないでしょ〜」
「いやいや、本当にすごいです」
僕が一方的に話しており、真由香はあまり積極的に自分のことを話してないことにふと気がつく。
― 自分の話をするのが、嫌いなのかな?
そう思ったので、僕もあえて突っ込まないようにする。でもそれだけではなく、もう一つ気になることがあった。
「真由香ちゃん、次は何飲む?無理はせずにね」
「ありがとうございます。潤さんは何にされますか?」
「僕は日本酒にしようかな」
「じゃあ私も、お付き合いします」
決して強要などしないし、ここは好きな物を飲んでもらって構わない。しかし真由香は、遠慮をしているのか、僕に合わせようとしてくれる。
「本当に?結構、いけるクチ?」
「そんなに強くはないですが…一緒に飲みたいので」
「何それ、そんな可愛いこと言ってくれるの?嬉しいねぇ」
「いえいえ」
嬉しいけれど、ここで「私はワイン飲みます!」とか言ってもらって嫌いになることはない。
それは、2軒目へ行く時もそうだった。
「真由香ちゃん、もう1軒いける?」
「はい、もちろんです♡」
ごく自然に2軒目にも付いてきてくれた真由香。もちろん、次のデートの誘いにも首を縦に振ってくれる。
「真由香ちゃん、またご飯行こうよ」
「ぜひぜひ!」
― なるほど…。
そう思いながら、僕は真由香と二度目のデートをすることになった。
A2:なんでもYESという子は、つまらない。
そして二度目のデートも、もちろん良い店へ連れて行った。僕が食べることも飲むことも好きなので、結構いいお店を知っている自負はある。
それに対して今回も喜んでくれた真由香。
もちろん、その反応は嬉しい。素直で、嬉しがってくれている様子を見て嫌な気分になるはずがない。
しかも真由香は待ち合わせ時間もちゃんと守れるような、素晴らしい女性だった。
「えらい!!真由香ちゃん、オンタイム?」
店へ着くと、既に真由香は席に着いていた。
「はい、一応」
「俺さ、時間守れない人嫌いで。真由香ちゃん、素晴らしいね」
時間にルーズな女性は嫌いだ。その点、真由香は本当に100点満点だ。彼女の性格の良さと、几帳面さを垣間見ることができた気がする。
「意外だよね。真由香ちゃんって、華やかだからもっとワガママというか…良い意味で、我が強いのかと思っていたけれど、そうじゃないんだね」
「そうですね。全然ワガママじゃないと思います」
正直、意外だった。
真由香の華やかな外見からして、もっとノリノリでよく話し、ワガママだと思っていたから。でも実際の真由香は大人しくて、真面目で、そして何でも合わせてくれる。
「こんな可愛いのに性格までいいなんて…すごいよね。なんで独身なの?」
「いや、それは私が知りたいです(笑)」
「そっか、そうだよね」
でも僕は何となく、真由香が狙っている男を落とせない理由を、このデートで気がついてしまった。
「真由香ちゃん、兄弟は?」
「私は妹が一人います。潤さんは?」
「僕は姉が一人いるよ」
そんな、当たり障りのない会話をしている時だった。
「あ〜なるほど。だから女性に、こんなに優しいんですね。気遣いもできるし」
― あ…キタ。このバターン。
真由香の反応を聞いて、咄嗟にそう思ってしまった自分がいる。
「そんなことないでしょ。でも、姉から“モテる男とはなんぞや”は、常に教育を受けてきたかも…。女性には支払わせない、とか」
「さすがですね。お姉様も、よくわかっていらっしゃる」
「うちの姉貴、怒ると怖いからさ」
「それくらいの方がいいですよね。でも潤さんがこんなにも素敵な理由が、よくわかりました」
「褒めすぎだよ〜」
そこからも、真由香の“ヨイショ”は止まらない。
「真由香ちゃんってさ、聞き上手だよね。気遣いも素晴らしいし」
「そうですか?嬉しい」
「うん。なんかついつい、話しちゃうもん」
「潤さんのお話、面白いので」
話を聞いてくれるのは嬉しいし、気分はたしかに良くなる。でも今日は、デートをしている。
しかし何でも「すごいですね」とか「さすが」とか。そういうチープな言葉で持ち上げられると、一気に白ける。
― きっとこう言えば、男性は喜ぶと思ってくれているんだろうな…。
そう思ってしまった。
これが、社会人デビューしたてだったり、コンプレックスの塊のような性格の男性だったら効くのかもしれない。
でもこの歳になってある程度仕事でも成功すると、女性たちの小手先のテクというか、見え見えの薄っぺらいおべっかは何も響かない。
それよりも、自分の意見がちゃんとあって面白い話をしてくれたり、
想定外の角度から攻めてくれたりするような、意外性のある女性のほうが魅力的だ。
いい子だからこその、ジレンマだと思う。
真由香がいい子だから、素晴らしい気遣いができて、空気を読みすぎてしまうんだと思う。
でも多少、ワガママを言ってもいい。度を越すのはNGだけれど、「NO」とハッキリ言えたり、自己主張がちゃんとできて、自分軸がある女性は思わず追いかけたくなるもの。
― 一緒にいても、つまらないんだよなぁ…。
ワガママな願望であることはわかっているけれど、パターンが読める女性はつまらない。そう思ってしまい、彼女とはこのデートで終わりにすることにした。
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