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「北朝鮮兵は倒れるまで殺戮を続けた」ウクライナ軍将校がクルスクで見たもの

金正恩氏が北朝鮮軍特殊部隊を視察した(2024年10月4日付労働新聞)

ウクライナ軍が一部占領したロシア西部クルスク州の大部分をロシア軍が奪還したと伝えられる中、英国のメディア「インディペンデント」は14日、ロシアに加勢する北朝鮮軍が「自殺攻撃」の波状攻勢をウクライナ軍に加えたと報じた。

記事によれば、現地で戦うウクライナ軍の偵察部隊将校は、北朝鮮の戦術を、大量のアクセスによってウェブサイトをダウンさせるサイバー攻撃に例え、インディペンデントの取材にこう答えている。

「我々は、DDOS攻撃のような『人間の波』に直面した…我々は10人中8人の北朝鮮兵を倒すことができた」

「しかし、一部の地域では我々の部隊が劣勢で、彼ら(北朝鮮軍)は完全に倒されるまで殺戮を続けた」

従来、北朝鮮兵については「見かけだけで、強くない」という見方も多かった。戦術が古く、訓練も形式的で、権力の理不尽さに不満を持ち士気も高くないとする分析だ。

(参考記事:女性少尉を性上納でボロボロに…金正恩「赤い貴族」のやりたい放題)

しかし、そうとばかりも言えない現実が目の前に現れてきた。北朝鮮兵の「命知らず」の戦い方については、ほかにも証言が出ている。

日本経済新聞は7日、「北朝鮮兵は攻撃の際は100人弱の歩兵のグループでウクライナ軍の防御ラインに突進してくる」「近くに砲弾が落ちても全く攻撃の速度を落とさず、死ぬまで止まらない」とする、ウクライナ軍突撃旅団小隊長の証言を伝えている。

この小隊長によれば、北朝鮮兵はロシア兵より体力と精神力、射撃力で勝っており、「恐れを知らない狂信的な集団だ。まるでコンピューターゲームの中の(人格がない)敵のようだ」という。

もちろん、これは北朝鮮軍全般に言えることではないだろう。ロシアに派兵されているのは明らかにエリート部隊だ。

一般部隊の兵士の中には食糧難から栄養失調に陥り、早期除隊して実家に帰される者も少なくない。

(参考記事:北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為)

だが、100万人以上とも言われる北朝鮮軍兵力の2割か1割が、ウクライナ軍との実戦経験に基づく最新の戦闘技術を身につけ、エリート部隊として育成されるならば、それはじゅうぶんに脅威だ。

もちろん、先端兵器で武装した米軍や、ウクライナ軍をはるかに凌ぐ火力を擁する韓国軍には歯が立たないかもしれない。しかしそれよりは、現代戦で「戦勝」を挙げ、世界最強レベルとなった精鋭部隊が体制の守護を担っているとのイメージが、金正恩体制にいっそうの生命力を与えてしまうのではないかと思えてならない。

2025/3/15 5:05

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