函館で希少な鯨肉文化を体験! 『函館魚市場食堂 魚いち亭』の“鯨竜田揚げ定食”を食べてきた
●鯨肉を使った食文化が残る北海道・函館市。『函館魚市場食堂 魚いち亭』では、「鯨の竜田揚げ」を食すことができます。
北海道南部の函館市では、鯨肉を使った食文化が今も息づく数少ない地域です。鯨肉を使った料理は戦後の日本で貴重なタンパク質の補給として一時的に利用されましたが、函館では長い冬を乗り越えるための栄養源とされ、食文化として根付いた背景があります。
ラム肉文化が根付いたのも同様で、北海道という過酷な環境下において安価に手に入り、高い栄養価を得られる食材として重宝されてきました。
特に年末からお正月には、郷土料理の「くじら汁」を食べる風習があり、お祝いやおめでたい席で振舞われることも。著者の家庭では食卓に並ぶことがありませんでしたが、母の時代には学校給食に鯨肉を使った竜田揚げが出たくら馴染みのある食材だったとか。
『函館魚市場食堂 魚いち亭』の「鯨竜田揚げ定食」を求めて
ということで、函館出身でありながら鯨肉というものにあまりなじみがなかった著者ではありますが、母から学校給食で唯一「鯨の竜田揚げは記憶に残っている」という言葉から一度は食べてみたいと思い、食べられる場所を探してみると、「函館魚市場食堂 魚いち亭」という食堂がヒット。
函館市水産物地方卸売市場内にある食堂で、主に地元の漁師さんや市場関係者が利用する店ですが、一般利用も可能で観光客には珍しく、地元の人には懐かしい「鯨竜田揚げ」が看板メニューになっています。
「鯨竜田揚げ定食」は、醤油ベースのタレに漬けた薄切りの鯨肉に片栗粉をまぶし、油で揚げたもの。下味がしっかりついているので、醤油の香ばしさと衣のサクッと感がマッチしています。
鯨肉はマグロをより肉っぽくした味わいで、程よい歯ごたえがあります。噛みしめると肉の旨味と下味のジューシーさが広がり、ご飯の進む味。肉よりも後味が軽やかなのも特徴的です。
市内でも定食として常に鯨肉を提供する場所は希少なので、鯨肉やご飯を大盛りにして(別料金)、思いっきり味わってみてはいかが?
(撮影・文◎亀井亜衣子)
●SHOP INFO
函館魚市場食堂 魚いち亭
住:北海道函館市豊川町27-6 函館市水産物地方卸売市場2階
TEL:0138-22-0136
営:6:00~13:30
休:市場休場日(水曜日・日曜日が基本)