生活保護受給者が誘われる「一晩5000円」の裏バイトをやってみた。その怪しい仕事内容とは

一般的な仕事の日給・時給を大幅に上回る報酬が提示される怪しい高額バイト求人。現代はSNSだけではなく、求人サイトにも闇バイトが紛れ込んでいると聞くが、手を出せばどうなるか。記者が謎バイトに応募した!

今回は、ルポライターの國友公司氏が横浜寿町で跋扈する裏バイトに潜入取材を試みる。

◆中国人転売ヤーの代理で整理券獲得。一晩で5000円

これまで報酬が高額な怪しい求人を紹介してきたが、中には超薄給なものも。一部の生活保護受給者たちが手を染める裏求人に、ルポライターの國友公司氏が潜入した。

「簡単な仕事があるんだけどやってみない? 報酬は1回5000円で月に3回はある」

日本三大ドヤ街のひとつである横浜の寿町で日野という男(仮名・40代)に声をかけられた。かなり怪しいが、「犯罪ではないから」と日野が言うのでやってみることにした。

◆閉店後の22時からひたすら家電量販店に並び続けることに

日野は生活保護を受けながら寿町の簡易宿泊所で暮らしている。しかし、酒とギャンブルがやめられず、月に3回ほど裏バイトに手を染める。正規ルートでバイトをすると、稼いだ分が保護費から引かれてしまうからだ。寿町にはそんな生活保護受給者が何人もいて、裏バイトのグループが結成されている。

21時、グループのリーダーでもある日野引率のもと、メンバーと一緒に電車で横浜市港南区にある大型家電量販店に移動する。店に着いたのは閉店後の22時。仕事内容は開店する翌朝の10時までひたすら店の前に並んで待つというものだ。

「今日は馬さんからの依頼でパソコンの整理券の“並び”だから。寝ていてもいいけど10時まで並んでろ。トイレに行くときは俺に言え」(日野)

◆中国人転売ヤーが購入するパソコンは総額170万円にも

日野の言う馬さんとは、中国人転売ヤーの男。生活保護受給者に一人5000円と交通費だけ渡して並ばせているのである。渡されたメモによると、馬さんが買うパソコンの総額は約170万円。その整理券を私たちで手分けしてゲットするというわけだ。狩り出されたバイトは20人なので、交通費も入れて馬さんの経費は約12万円になる。

朝10時、馬さんが現場に登場。「これ、全部俺の仲間」と店員に告げると、20人分の整理券がまとめて馬さんに手渡されバイトは終了した。馬さんが全員分の報酬が入った封筒を日野に手渡し、それを日野がみんなに分けていく。馬さんがいくら儲かったのかは、私たちには知る由もない。

◆法令違反ではないがメーカー側から民事で訴えられるリスクも

危険度:★

代理で並んでの購入は法令違反ではない。メーカー側が設けている購入制限に違反していても、刑法の範囲ではなく逮捕には至らない。ただ、メーカー側から民事で訴えられる可能性は残る

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[怪しい[高額バイト求人]の正体]―

2025/1/6 15:54

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