“無難な格好のママ”から4年で大変身した女性。似合わない服も「怖がらずに着る」方法は

「一度きりの人生だから、着たい服を自由に着よう!」というシンプルながらも力強いメッセージがSNSでも話題のファッションマインドコンサルタント、marie(@marie.138_)さん。“似合わないけど大好きな服”を着続けたら、4年で別人に変身。SNSに投稿した、ビフォーアフターの写真が話題になりました。

そんな彼女は、骨格診断やパーソナルカラー診断の結果と全く異なるタイプの服が着たくなったときは、「自分が好きなものをもっと自由に着てみて!」と語ります。

とはいえ、トレンドのアイテムやクセの強い服を着る時って勇気が必要ですよね。そんな時は、どうやってアイテムを取り入れればいいのでしょうか? marieさんに話を聞きました。

◆似合わないアイテムを着こなすコツ

――着こなしが難しそうなアイテムや、骨格診断や顔タイプ診断、パーソナルカラー診断などで「似合う」とされている服と真逆のアイテムに挑戦したい時、どうすればいいでしょうか?

marieさん(以下、marie)「コーディネートは、服だけで完成するわけではありません。髪型、メイク、服、アクセサリー、小物の5つの要素が揃って初めて完成するんです。だから、服を着た時に『なんだか似合わないな』と思ったら、髪型やメイク、小物を着たいテイストに寄せていくことが大切です

その中でも特に、髪型とメイクが重要ですね。自分には似合わないけど、どうしても着たい系統の服があるのであれば、その系統の服を着ている人を雑誌やSNSで探してみてください。そして、その人たちはどんな髪型やメイクをしているか、どんな小物を使っているかを徹底的に観察します。服を買いに行って、好きな系統の服を着ている店員さんをチェックするのもいいですね」

◆好きを大切にするための挑戦には、プロの手も借りて

marie「もし、自分がしたい髪型が自分の骨格には似合わないと感じたら、美容師さんに相談しましょう。美容師さんはプロなので、骨格に合わせて最大限に似合う方法を提案してくれます。メイクも同様です」

――着たいテイストの服を着こなしている人を観察して、プロの手も借りて、服だけでなく髪型やメイク、小物も工夫するということですね。

marie「やはり自分の骨格や顔のタイプに似合わない服を着るのは、そもそも難しいんです。だから、そこは頑張ってほしいなと思います。人一倍努力するというか、試行錯誤が必要だと思いますが、『好き』を大切にするためですから。失敗もすると思いますが、それももちろん織り込み済みで挑んでください。覚悟を持って、着たい服を自分に引き寄せていってほしいなと思います。

ただし、失敗も織り込み済みとは言いつつも『再起不能な失敗はしないでください』ともお伝えしたいです。覚悟は持ってほしいんですが、いきなりバンジージャンプを飛ぶような思い切った挑戦をするわけではありません。自分が今できるちょっとした挑戦をして、その挑戦と失敗と見直し、そして成功体験を、積み重ねていってほしいです

◆普段ピンクを着ない人が、ピンクを着るための“意外なステップ”

――バンジージャンプでない小さな挑戦とは、具体的にはどんなものでしょうか?

marie「例えば普段ピンクを着ない人がピンク色の服に挑戦したいなら、いきなりピンク色のワンピースを着てお出かけするのはおすすめしません。まずは家で着てみて、自分が見慣れることが大事です。最初のステップとしてはピンクをパジャマや部屋着として取り入れて、少しずつ自分が見慣れていくというのはいかがでしょうか

――パジャマなら毎日見られるし、他人には見られないし、ちょうどいいですね!

marie「あとは、写真を撮って客観的に見ることも大事です。鏡だとどうしても主観が入って、自分が見たいようにしか見えません。写真で『これは無理だな』と思ったら、その日は着るのをやめて、特別な予定がある時に着てみようとか、顔から離れた部分や面積の小さい部分から取り入れていくとか、少しずつ挑戦することがポイントです。ハードルを下げて、小さな挑戦から始めてほしいですね。

小さな失敗でも、重ねることで解像度が上がっていきます。何が良くなかったのか、こうすれば良いのかと試行錯誤をすることで、完成に近づいていきます。そして、そのプロセスを通じて自信も積み上がっていきます

◆似合う服の中に、着たい服がなくなってしまった過去

――以前の記事で、「私は△△だから、○○な服を着なくてはいけない」と悩んでいる方々のお話を聞きました。marieさん自身は、「似合う服」より「着たい服」を選ぶようになって、どのような変化がありましたか?

marie「着たい服ではなく似合う服を着ていた時は、私も、相談者の皆さんとほぼ同じ気持ちでした。地方に住んでいるので、『こんな格好で田舎のスーパーに行ったら浮くよな』のように、近所の人やママ友の目が気になっていました

それに、私も『お母さんらしく年相応の服装でいるべき』と考えていたんです。だから、着たい服ではなく、似合う服を選んでいました。でも、年を重ねるうちに、似合う服の中に自分が着たい服がなくなってしまったんです。何を着ればいいのか、迷子になったような状態でした」

◆ご近所さんに非常識だと思われたら……

――「似合う服」「場面や立場に合う服」ばかり気にしていたら、「着たい服」がなくなる、これも30代・40代女性あるあるな気がします。

marie「私も、年相応じゃなきゃいけないという思い込みから、ショートパンツを履くのにすごく抵抗があった時期がありました。でもある日、どうしてもショートパンツを履きたくなって、実際に履いてお出かけしようと玄関の扉を開けたんです。そしたら偶然、ご近所さんが家の前でお話をしていて……。『なんでこんな日に限って』と思い、一度家に戻ろうと思ったんですが、目も合ってしまったし、戻るに戻れなくなりました(笑)。

そんな時に、私は何をそんなに恐れているんだろうと考えたんです。その時、私が出した答えは『年相応じゃない服を着ている、非常識な人って思われるのが怖い』だったんです。でもそこから、ご近所さんに非常識な人だと思われたら、私の人生にどんな影響があるんだろう? と考えました。そしたら、何もなかったんですよね。

さらに、私はそんなに常識的な人間でもないし、非常識なところもいっぱいある。だったら非常識だと思われたとしても何も変わらないなと思いました。それで、そのままショートパンツを履いて家を出ました」

――その後、ご近所さんの間で何か反応はありましたか?

marie「ないです。普通に『おはようございます』って言って終わりでした。もしかしたら何か言われていたかもしれませんが、私のところには届いていないので、結果的には何もなかったのと同じです。それから、少しずつ『○○じゃなきゃいけない』という思い込みを乗り越えていきました」

◆好きな格好でルンルンしていたら、何を言われても気にならない

marie「他人の目が怖いというのは、年齢を重ねていろんな人間関係で繋がっている世代に多い視点だと思います。その後、服装はかなり変わりましたが、面と向かって否定的なことを言われたのは2回くらいでした

1回は数年前、夫に昔の写真を見せられて『髪型、こっちの方がいいんじゃない?』と言われたことです。もう1回は、数年前に一緒にPTAの役員をやっていた方とスーパーで会った時に、『ずいぶん雰囲気変わっちゃいましたね』って言われたことです。でも、その2回だけで、あとは何もありません。その2回も、『そうなんだ~』って流して終わりです。

それよりも、自分の好きな格好で子どもの学校行事に行くと『素敵だね』と言ってもらえたり、お買い物に行くと『おしゃれですね』と店員さんに褒めてもらえたりと、ポジティブな反応の方が多いです。私自身がその時、『この髪型大丈夫かな?』ってそわそわしていたら、夫や他人の意見に『やっぱり変なんだ……』と落ち込んだと思います。でも、私は自分の好きな髪型にしてルンルンしていたので、何を言われても気になりませんでした」

◆自分の軸でおしゃれをすると、服がついてきてくれる

――今日も「診断は無視した服を着ている」というmarieさんですが、どう見てもおしゃれで前向きなオーラが出ています! 髪型や服装を変えたことで、見た目以外の変化もあったのでしょうか。

marie「4年前の写真と比べると、見た目はかなり変わっていますよね。4年前は自分に自信がなくて、『自分がどうしたいか?』というよりも、『どう見られるか?』ばかりを意識していたと思います。そのため、萎縮していたというか、他人の目ばかり意識して、話したいことも話せない感じでした。今は、自分がどう見られるかをあまり考えず、ただただ取材に答えるために一生懸命話しています(笑)。

自分がどう見られるかばかり気にしていると、楽しくないなと思うんです。自分の好きな服を着て、自分の軸でおしゃれになろうとすると、服も自然と自分についてきてくれます。そして、そこから幸せな気持ちがどんどん生まれてくると思っています。思い込みを捨てて好きな服を自由に着ていたら、気づいたら今の自分ができていたという感じです」

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自分の軸で好きな服を着ているからこそ、この日も抜群におしゃれに見え、前向きなオーラが自然と出ていたmarieさん。好きな服を自由に着ることが、おしゃれにとって大切な要素だということに改めて気づきました。

【marie】

ファッションマインドコンサルタント。「いくつになっても、自分の好きな服でいる!」をテーマに、無難な服を卒業して自分らしいファッションを楽しむ方法を伝える。Instagram:@marie.138_

<取材・文/瀧戸詠未 写真提供/marie>

【瀧戸詠未】

大手教育系会社、出版社勤務を経てフリーランスライターに。教育系・エンタメ系の記事を中心に取材記事を執筆。X:@YlujuzJvzsLUwkB

2024/12/25 15:47

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