なんらかの理由で最低限しか仕事をしない「静かな退職」をする人が、働き盛りの世代にも広がっているようだ。投稿を寄せた40代男性（施工管理／年収800万円）は、静かな退職をする理由をこう語る。

「昇給額が少ないため、投資運用を継続しており配当収入の伸び率のほうが昇給額を超えてきたため」

いわゆる不労所得が昇給よりも安定的な伸びを見せ、懸命に働く意欲が失せてしまったかのよう。他にも理由はありそうだった。（文：篠原みつき）

「すでに会社からの給料がゼロになっても生活できる」

40代は中堅、またはベテラン社員として頼りにされることが多いだろう。しかし男性は、あくせく残業してまで重責を負う気も、後進を育てる気もないようだ。

「もうこれ以上の責任を負わされて仕事をこなす必要性もないし、昇給額も頭打ちなのでワークライフバランスを考えると静かな退職が望ましい状況である」

「すでに会社からの給料がゼロになっても生活できる経済的自立を達成しているため若年者の育成とか知ったことでは無い」

早期リタイアも出来そうな立場から、こう突き放したように書く男性。それでも、かつては後輩育成に心を砕いた時期もあった様子だ。

「一生懸命に取り組み私の仕事に協力してくれる者に対しては協力や助言も惜しまないが、やる気のない奴に気を使うことや時間を使うことはやめた」

経済的に会社に依存せず、人間関係のわずらわしさからも離脱しているのだから、羨ましいと思う人も多いだろう。ただ、これを真似するとなると相当の覚悟が必要でもあるらしい。男性は最後に

「静かな退職をする奴は、周りから疎まれることを覚悟できているのか問いたい」

と皮肉めいた言葉でまとめた。確かに最低限しか仕事をしない人は周囲に疎まれるだろう。男性はその域をすでに超えて、周囲の評価など気にしていないかのようだ。

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