2025年10月に奈良公園で開催が予定されているK-POPアーティストが出演する無料イベントに、県民から疑問の声が上がっている。

　奈良県は韓国・忠清南道と友好提携しており、地域交流の中で持ち上がった同イベントに最大9000人の来場者を想定。総事業費として約2億7000万円の予算が見込まれている。

　山下真知事は、県内の高校生、大学生らから「行きたい」という声が寄せられていると、イベント開催に自信を見せているが、「こんなイベントに2.7億円も使うなんて望んでない」と、県民の声は冷ややかだ。

　それもそのはず、奈良県では奈良時代の天皇や貴族に扮した天平行列で知られる「平城京天平祭」や、「奈良ちとせ祝ぐ寿ぐまつり」「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」などのイベント事業が立て続けに廃止されているのだ。代わりに開催されるのが縁もゆかりも無いK‐POPイベントでは、納得がいかないのも理解できる。

　また山下知事が言う若年層からの「期待度」もどれほどのものか定かではない。今のところどんなK-POPアーティストが参加するのかはわかっていないが、若者が期待するのは、BTSやTWICE、IVEといったビッグネーム。無料イベントに果たしてどれだけのアーティストがやってくるのか。

　地元コミュニティサイト編集者が語る。

「K-POPアーティストが出演する地方自治体のイベントでは『さっぽろ雪まつり』が有名です。もっとも出演するアーティストは一部を除き売り出し中の2軍レベルがほとんどで、集まるのはコアなファンばかり。奈良県も札幌に倣いたいのでしょうが、出演タレントが誰かも判らず、舞台演出等も先方任せで、費用だけは奈良県が負担するという企画に、県民からは呆れる声が相次いでいます」

　山下知事は批判的な意見について「県民の皆さんからいただいた貴重なご意見を施策に反映して参ります」と話しているが、「なぜK-POPなのか」という声は止まらない。

　山下知事は東京大学出身で日本維新の会に所属しているが、何かとお騒がせな兵庫県の斎藤元彦知事とどこかプロフィールが似通っているのが気になるところだが…。

（ケン高田）